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2019年12月02日20:36

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「閉鎖病棟-それぞれの朝-」@渋谷TOEI

映画観で予告を何度も観ていて、これは結構ヘビーそうだなぁと覚悟はしていた。公開1週目のレディースデイ、会社帰りにお一人様で鑑賞わーい(嬉しい顔)

************** 重要部分ネタバレなし **************

長野県のとある精神科病院。 死刑執行が失敗し生きながらえた秀丸(笑福亭鶴瓶)。 サラリーマンだったが、幻聴に悩まされるチュウさん(綾野剛)。 DVが原因で入院する女子高生の由紀(小松菜奈)。 三人は家族や世間から遠ざけられながらも心を通いあわせる。 彼らの日常に影を落とす衝撃的な事件はなぜ起きたのか。 それでも「今」を生きていく理由とはなにか。 法廷で明かされる真実が、こわれそうな人生を夜明けへと導く。

原作小説本は1995年に山本周五郎賞を受賞した帚木蓬生さんの『閉鎖病棟』。元々は『休鳥たちの杜』というタイトルだったそうで、精神病棟は長期入院の患者も多いが、終の棲家ではなくていづれは旅立っていく場所だという意味を込めていたそう。

閉鎖病棟と言いつつも病院の管理体制が結構ゆるくてツッコミどころがちょいちょいあった。上記のとおり、原作が25年近く前に発表された作品であり、作者自身が精神科医ということからも、当時のリアルなんだと思えばなんとか納得できた。ただし、これは後から調べたことなので、観ながらはどうしても引っ掛かってしまい、集中を削がれたのが少々残念だった。

メイン3人のキャラクター設定も微妙。まず、鶴瓶さん演じる秀丸は死刑執行の失敗で、精神病院に回されたという設定だが、そんなことあるの!?とまず疑問。綾野さん演じるチュウさんは幻聴により発狂して、家族に疎まれ病院に来たが、とても閉鎖病棟に入るほど重症とも思えず。菜奈ちゃん演じる由紀は義父のDVとそれを庇うどころが女同士として邪魔扱いする実母に絶望して、拒食や自傷行為を繰り返してしまう役だが、これまた閉鎖病棟に入るのかと疑問。私が実態を知らないだけなのかな。。

出演は、笑福亭鶴瓶 綾野剛 小松菜奈 坂東龍汰 片岡礼子 山中崇 根岸季衣 ベンガル 小林聡美 渋川清彦 高橋和也 木野花といった方々。他にも患者役で多数の演技派が出演している指でOK

否定的な面を先に書いてしまったがあせあせ(飛び散る汗)、役者陣の熱演や難しい役への真摯で丁寧な姿勢は十分に伝わってきたので、演技を観るという部分では大満足ですぴかぴか(新しい)メインの3人はもちろん、医師と看護師役の高橋さん、小林さんも好演。病棟の患者役も上記に載せた以外に、平岩紙 綾田俊樹 森下能幸 水澤紳吾 駒木根隆介 大窪人衛 大方斐紗子といった安心できる演技巧者が揃っているexclamation

チュウさんの言う"問題を抱えていない人なんていない"という言葉が全ての作品かもしれない。精神病患者か否かは関係なく、全ての人が何かしらの悩みや問題、秘密を抱えて生きている。そして、誰かが誰かにとっての希望や光になれるんだというメッセージは確かに伝わってきたが、なんだか全体としては惜しいという印象も拭いきれなかった。
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