菅田将暉の線が細すぎて、圧倒的だった小栗旬×蜷川幸雄版を更新できない印象で終わった第一幕。
しかし第二幕が美しかった。
何よりも分かりやすい演出の勝利!
すごく観念的なのに、それが全て理解できてこの芝居の構造がはっきり分かった。
これは蜷川番では何度観ても分からなかったのだ。
栗山民也素晴らしい!
なんでどこの芸術監督にもなってないの?
僕、最近、この人の演出作品ばかり観て、感銘を受けてますけど。
第二幕のカリギュラとケレアがつかの間の悲しき心の交流を成し遂げるところは本当に美しかった。
ああ、カリギュラはあくまで妹を失った時の感情に殉じているだけなんだと理解できた。
一貫してそこからぶれてない、それが彼の言う論理的行動なんだ。
そしてその彼の心情を主要キャラたちはみんな理解してあげてるんだ。
でもやむを得ずそうするカリギュラの命令は、常に暴君的な行動になる。
そこに悲しみがある。
理解しているからこそ、カリギュラの許せない行動を止められず、そして彼が明らかに死に向かうことも止められない(ううん、うまく表現できなくてもどかしい・もっと深いんだ、この舞台は!)。
WOWOWで放送するらしいから、録画して何度でも観よう。
何度でも彼の悲しみを味わおう。
菅田将暉、好演!
演劇に興味ある人は必見の舞台!
何よりやはり台本が素晴らしい。
そして今回、僕の中で蜷川版が更新されたよ、これ。
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