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2019年01月24日12:10

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『キリンの洗濯』初版本

 先日、某詩人から、『キリンの洗濯』の初版本がないかという問い合わせがあった。H氏賞受賞詩集を収集しているとのこと。しかも初版本での収集をされているようだった。残念ながら初版本はこちらにも手持ちの1冊しかないとご返事をさしあげた。
 初版(1989年3月刊)の発行部数は400部。これは3ヶ月ほどで全て売り切れた。というのも、4月に朝日新聞の全国版で紹介されたからだった。急遽500部を増刷したが、これも8ヶ月ほどで完売。そして翌年3月にH氏賞を受賞し、さらに1000部を増刷、ということになる。この当時のてんやわんやぶりは「びーぐる」38号の「藤富保男追悼特集」号に書いた。藤富さんは鳴りやまない注文の電話に孤軍奮闘対応してくださった。その時のことを今また思い出す。
 今回の件を受け、古書店でも初版本が手に入らないか調べてみた。そうしたら2件ほどヒットした。1店は30,000円、もう1店では21,000円で販売されていた。後者では30,000円に2重線を引き、特価としてあった。ただネットのアドレスを見ると、どちらも同じなので、実際は1店1冊のみしかないということになる。

 https://item.rakuten.co.jp/fuyu-shobou/10002246/

 http://rosemarysawyer.pw/fuyu-shobou/10002246/

 上のサイトの写真を見て、何か気づかれることはないでしょうか? 『キリンの洗濯』をお持ちの方は自分の本と見比べてみてください。そう、キリンの体の色が違うのです。初版では少しだいだい色がかった色ですが、2版以降は鮮やかな黄色になっています。これは絵の作者(原律子)の色指定を無視して、僕自身が変えた結果そうなったものです。扉に洗濯機の絵が描かれていますが、その中の黄色の方がキリンらしくていいと思い、藤富さんを通して印刷所にお願いしたのでした。これは今となれば、作者の原律子さんに申し訳ないことをしたと思っています。
 ということで、原画に忠実なのは初版本のみと言うことになり、この意味でも初版本は貴重であると言えるかもしれません。

 なお、初版にこだわるのでなければ、まだ9版が200部ほど余っているので、こちらをお求めいただければ幸いです。販売は下記「とぶりんネット」で行っています。

 http://toburin.cart.fc2.com/

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