グッド・ルーザー

女子サッカーＷ杯もいよいよクライマックス。

３位決定戦はイングランドがドイツに勝った。
準決勝で痛恨のオウンゴールを献上してしまったバセット選手のことが気になっていた。試合終了後に過呼吸に陥り治療を受けたという。彼女のことを批判する人はいなかった。それでも彼女にとっては克服するの困難なプレイになりかねなかった。
心配していたのだ。
しかし、３位決定戦では元気に先発したようだ。
イングランドを応援しつつもドイツだろうと思っていた。
ところが結果は1-0のシャットアウト。
ランキング１位の攻撃力の高いドイツを完封したのだからたいしたものだ。
さすがなでしこを苦しめただけのことはある。
決勝トーナメントに入ってから得点差以上の強さを見せつけたなでしこだったが、イングランドには苦しめられた。

準決勝を終えての監督のコメントが良かった。なでしこに敬意を表しつつ自らのチームを誇りに思う、そんなコメントだった。
グッド・ルーザー(良き敗者)という言葉を思い出した。
そして３位という座を勝ち得た。
そこには笑顔のバセット選手がいた。
いい光景だった。
スポーツはときに残酷だが、それを包むような優しさもある。
間違いなく今回のＷ杯での印象的な場面のひとつとして記憶されるだろう。

そして、明日はいよいよ決勝。
アメリカはＷ杯を取り戻しに来る。
なでしこはオリンピックの雪辱を期す。
ここまで来たら勝負は時の運。日本時間明日８時のキックオフを待とう。