12月7日木曜日、曇天。
朝ごはんを食べ終わってすぐにパソコンを起ち上げた。
詩人の自然賛歌がわかりやすく謳われている詩をピックアップするべく、片っ端から目を通す。
前夜、風の吹く音、薪が爆ぜる音、小川の流れる水音などを(無料で)ネットから拾えることを確かめたあと、詩人の詩を次男さん(俳優)に朗読してもらおうと考えた。じゃあどの詩が朗読にふさわしいのか? 内容がわかりやすい、漢語を多用していない、声に出して読むと言葉の美しさが読むよりも感じられる……。
そんな基準で詩を眺めてみると、これは新たな視点になった。
2時間くらいで6本の詩をセレクトできた。
昼イチ、それを縦書きの綺麗なレイアウトにし、プリンターで印刷。そして、次男さんに朗読依頼の手紙を綴った。
夕方、郵便局へ投函しに行く。寒風が吹き荒れていた。
凝った動画を作ることを自分に課したら、どんな効果音が必要か、効果音以外にも静かなBGMサウンドも欲しい。作曲アプリでぼくが詩のイメージに合った曲を作成するのがいいのか? それともネットから拾うほうが無難?
歩きながらそんなことをぼんやり考えていると、楽しい。いざ作業を始めてみると、自分の無能さを突き付けられるわけだが。
晩御飯のあと、安吾の小説と評論を2時間くらい読んでいた。
前々日の5日に家捜しをしたら坂口安吾の文庫は3冊あった。
高校の頃からダメ男小説に耽溺していて、一度はみんなが病いに罹る太宰治から出発し、誰もダメ男小説だとは認定していないが高橋和巳の破滅願望「沼」に落ち、大学入学後は古本屋で一冊30円とか50円の均一本を漁っていると私小説が必ずあるものので、「こんな自堕落な生き方が許されるのか」と憤りつつ、くだらない小説を読んでは自身も自堕落な人間に染まっていくのだった。安吾の似非私小説が果たしてダメ男小説か、という問いはさておき、昭和10年代から23年くらいに執筆された小説は出て来る男女がおよそまともじゃない。
ちょっと安吾を読まざるを得ない事情が出来て、手を付けたのだった。小説の彼方に安吾の実像が見え隠れしていて、それが面白い。
深夜23時半、YouTubeのオススメになぜか友近(女性ピン芸人)の動画があがっていた。
https://www.youtube.com/watch?v=8yNJUIvVlos&list=LL&index=1
数日前、たまたま中森明菜のコンサート動画を見たからAIが安直に選んだのだろう。
が、いざ友近がモノマネを始めたら、これが感動モノだった。明菜に似ているかどうかは別にして、歌が上手いのと歌詞内容を咀嚼していることと、友近が明菜をリスペクトしているのだろうと思われ、見終わったら私は友近に恋をしていた。
よくある一夜の恋だ(笑)。
気分よく眠れた。
ログインしてコメントを確認・投稿する