人生のあるある感に共感 本当の青春ムービーとはこうした涙なくしては語れない底が深いもの 5日公開「プアン/友だちと呼ばせて」
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今年前半に公開された映画で一番の秀作だろう。何しろ面白い。人生のあるある感に共感できるからだ。それが5日から東京・新宿武蔵野館などで公開されるタイ映画「プアン/友だちと呼ばせて」(バズ・プーンピリヤ監督)。
前作「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」(2017年)がアジア各地で大ヒットしたプーンピリヤ監督。その才能にほれたのが巨匠ウォン・カーウァイ。本作では製作総指揮を務めた。辛口批評には定評のある「ヴァラエティ」誌もべたぼめだった。
「物語の導入部分で想像していたエンディングが後半1時間で予想外の展開となってクライマックスへと突入する―このツイストされた仕掛けに観客は驚きと感動の拍手を惜しみなく贈ることになるだろう」
この記事は誇張ではない。余命宣告をされた若者と親友のよくあるロードムービーかと思いきや、その先にある心がキュンとなる物語。本当の青春ムービーとはこうした涙なくしては語れない底が深いものだ。
主演の2人はともに1994年生まれ。ボス役のトー・タナポップは少年のようなチャーミングさが求められ、余命宣告されるウード役のアイス・ナッタラットは1カ月半で11キロの減量に挑まなければならなかった。
主題歌はバンコク出身のSTAMPが担当したが、劇中ではエルトン・ジョン、フランク・シナトラ、ザ・ローリング・ストーンズなどの懐かしい曲も聴ける。これもウォン・カーウァイの楽曲がいかに大切かという助言のおかげだという。 (望月苑巳)
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