mixiユーザー(id:4795751)

2019年02月26日21:50

67 view

「半世界」@TOHOシネマズ新宿

稲垣×長谷川×渋川という新鮮な組合せに惹かれてハート、公開を待ち侘びていたこの作品。渋谷ではやってなかったので、前売りを買っておいて土曜の午後に新宿へ手(チョキ)

************** 重要部分ネタバレなし **************

とある地方都市で、妻の初乃(池脇千鶴)と中学生の息子・明(杉田雷麟)と暮らす39歳の高村紘(稲垣吾郎)。父から受け継いだ備長炭づくりを生業としているが、今の仕事に特別な思い入れがあるわけでもなく、その一方で仕事を理由に家のことは初乃に任せきり。そんな単調な日常をただやり過ごすだけの毎日が続いていたある日、中学時代からの親友で、自衛隊員をしていた沖山瑛介(長谷川博己)が妻子とも別れて一人で突然帰郷してきた。紘は、同じ中学の同級生・岩井光彦(渋川清彦)も交え、久々に3人で酒を酌み交わす。瑛介は何か深い事情を抱えているようだったが、多くを語ろうとはしなかった。一方紘は、反抗期の息子に無関心なことを光彦に鋭く指摘され思いがけず動揺してしまうが…。

"描いた人生になってる?"というコピーが沁みる。こうなりたいという目標や夢など漠然とでも描いていたものがあるタイプ、私のようにただ目の前のことをその時々に選択して生きてきたタイプ、どちらにもきっと響くほろ苦い人生ドラマになっていると思う。主人公が40歳目前というのも、まあ近い年齢なのでより感情移入できたのかもしれない。

冒頭にも書いたけど、この3人が同級生役って素敵すぎるでしょexclamation中学時代に遊んでいた海辺にまた行って、夜中に酔っ払っておしくらまんじゅうしちゃったり。でも、現実はそんな素敵で楽しいことばかりじゃなくて、みな抱えているものがある。そうしたことがちゃんと描かれているので、物語に入り込めた。

稲垣さんはスマートで都会的なパブリックイメージから抜け出して、田舎の不器用で頑固なおやじをまずまずの好演。2010年三池崇史監督の「十三人の刺客」映画でのバカ殿役を観て以来、役者としてすごく面白いなと出演作を楽しみにしているので、今後も色々な役に挑んでほしい。父から受け継いだ仕事があまり上手くいっていない状況で、家や息子のことは後回しというか考える余裕がない感じがリアリティがあった指でOK

そんな夫を支える妻役の池脇さんが相変わらずの素晴らしさぴかぴか(新しい)2014年公開「そこのみにて光輝く」のHPへ"女優池脇千鶴は日本の宝だね!"と山田孝之さんがコメントを寄せていたが、全く同意exclamation ×2本作でも、夫に不満もありつつ、息子も心配しつつ、夫の仕事のことまで裏で手助けする妻を実在感たっぷりに演じていて、お見事だった。もっともっと観たい女優さんハート達(複数ハート)

出演はあらすじに載せた以外に、竹内都子、信太昌之、菅原あき、堀部圭亮、岡本智礼、原田麻由、牧口元美、小野武彦、石橋蓮司といった方々。渋川さん演じる光彦の父役の石橋さんと姉役の竹内さんが最高!!石橋さんのスナックで酔っ払って息子たちに絡むシーンなんて、思い出したら即ニヤニヤしちゃうわウッシッシまさに名人芸といった感じ。

瑛介と紘がぶつかり合うシーン。"お前たちは世界を知らない"に対して "ここも色々大変なんだ"と返す。自衛隊員として凄まじいことを体験してきたであろう瑛介、田舎の狭い世界ながら必死に家業を守る為、家族を養う為に頑張ってきた紘、どちらのセリフにもきちんと説得力と重みがあった。

備長炭作りのシーンもとても印象的。炭の爆ぜる音や炎の色がなんとも美しかった。炭として完成するまでの大変な工程も垣間見ることができて、興味深かった。

地味だけどすごくいい作品だと思うので、ぜひ興味を持った人には観てほしいexclamation笑いもありつつ、自分の人生と重ね合わせつつ、何気に泣かされる。予告観て8割方わかっちゃうような映画とは違うので、絶対に観る価値ありっわーい(嬉しい顔)
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する