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2018年07月28日22:50

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言いたい放題のクルマレヴュー・【トヨタ・カローラスポーツ・その2】

■先祖返り■

 今年の6月26日、トヨタ・カローラが新型となり、先ずハッチバックから販売を開始。事前から話題性はあり、ネーミングもオーリス、カローラiM、カローラハッチバック、ランクスなど色々と噂はあったものの、結局どれでも無く、カローラ・スポーツという名になった。

 なお、欧州では引き続きオーリスという名で販売が継続される。日本とアメリカ仕様ではカローラスポーツという名前が与えられた。

 トヨタとしては、年々高齢化するカローラユーザーの若返りを狙いたいようだ。アクシオ(セダン)のユーザーは70歳以上、フィールダー(ステーションワゴン)すらキムタクをCMに動員しているにも拘らず、60歳以上なのだ。20〜30代に、と考えているようだが、せめて半分ぐらいに落とせれば・・・と思っているらしい。

 エンジンはプリウスに搭載される1.8Lのハイブリッド(システム出力122馬力)、CH−R、オーリス120Tに搭載される1.2Lのダウンサイジングターボエンジン(116馬力)、後から新型のハイブリッド(システム出力180馬力)、来年末までにGTと称する250馬力の3気筒ターボエンジンが出ると噂されている。

 雑誌はどこも1.8Lのハイブリッドばかりに注目が集まっているので、注目したのは1.2Lのターボ(CVT)と1.2Lのターボ6MT。どちらもお借りすることが出来た。

 その1はコチラ左斜め下

 http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1967225166&owner_id=58808945

■グラマラスなカローラ■

 ラグビーボールをモチーフとしたというフォルムは塊感があり、従来の淡泊なカローラとは対照的である。まあ、現実には今までだって、欧州仕様はデザイン的には頑張って来たのだが、日本国内仕様のカローラにそのようなイメージがあったので、驚かれた方が多いだろう。

 フロントグリルのデザインはCH−Rほど「飛んでいる」訳でもない。マークXのように鉤爪のような堀の深いエッジが効いている。最近のトレンドを取り入れつつも深入りはしていない。このあたりオーソドックスなカローラの性格に合っているかもしれない。

 このクルマはCH−Rと同様、新プラットフォームのTNGAが採り入れられている。今までの日本仕様のカローラと比較して重厚なドアを開けてみると、結構重心が低い。以前オーリス120Tに乗ってみたが、オーリスよりも30mmぐらい低くなっているように感じる。囲まれ感があるのは車幅もワイドになっていることも大きいだろう。日本のカローラは5ナンバーサイズ(1695mm)だったのが、これは1790mmとなっている。

 TNGAの恩恵か、ステアリングシャフトの傾斜が抑えられている感じがする。足もやや投げ出し気味にして置けるのはスポーツカーのようと云う積りは無いが、まるでスポーツセダンようなポジションである。

 それではエンジンに火を入れてみよう。

■運転が下手になりかねないほど楽なMT、万人受けしそうな10段CVT■

 トヨタの1.2Lダウンサイジングターボ車としては初の6MTが搭載されたカローラ・スポーツ。乗った限りでは、久方ぶりにMTに乗る人でも発進にまごつくことはない。

 何とエンスト防止機能がついている。

 また、シフトチェンジの際、回転が合わず、リカバリーしようとして、クラッチを切ると変速ショックが来るものだが、それも合わせてくれる。

 意地悪く業とアクセルを踏まずにクラッチだけでブレーキから足を離すと、900〜1100rpmで静かに発進した。これならばエンストする人の方が少ないのではないかという気がする。

 今後このMTが主流になっていく可能性がある。


 勿論ベースモデルのオーリス120Tにもあったヒルホールドアシストシステムも搭載されているため、坂道発進の際に下がる人もそう多くない気がした。

 同乗者から「この人、MT車ヘッタクソーあっかんべー。」と指摘されることは先ず無いだろう。

 尤も、都市部では要領の良いそのMTは黒子に徹する。これまたオーリス120Tと同じようにジェントルのひとこと。

 折角なので東京都の五日市方面〜奥多摩周遊を走ってみた。

 MTの操作感はスズキ・アルトワークスのように機械的なカチカチ感は余りないが、節度があり、フィールは良好。

 ブリッピング機能がどの程度か試す為、エンジンがレッドゾーンすれすれになった際に、故意にトップからセカンドに叩きこむが、音こそ盛大。しかし回転を合わせてくれたため、ショックが少ない。
 
 これがiMTと称する新しいMTの提案のようである。

 しかしながら、それだけにもっとクロスしてくれていればなあと思ってしまった。

 感心したのは足回りの良さである。路面はところどころ荒れていて、突き上げは避けられないものと考えていたが、とてもしなやかにいなして、平滑な路面のごとく進んで行く。ジェントルなのは都市部だけではなかった。ツイスティな山道はそれほど得意そうではない感じだったが、ワインディングロードではしなやかさが際だった。シャシ性能の良さも当然貢献しているはずだ。

 一方、既にヴィッツGRにも搭載されている10速CVT車はステップ機能があり、変速ショックを意図的に感じさせる作りとなっている。別の日に同じコースに行き、奥多摩でMT機能を使ってみた。既にヴィッツGRに乗っていたので、変速の切れ味は体感済みで、カローラもスパスパと気持良く決まる。引っ張ると意外とこれが伸びる。M1〜M10まであるが、M1でも時速70kmまで伸びた。ただM2にしてしまうと5500rpmから一気に3750rpm程度に落ちてしまうのはATゆえ致し方ないことか。

 しかしカローラ「スポーツ」と言いつつ、所詮1.3トンの車重にたかが116馬カ、トルク18.9キロだから、ゼロヨンでも18秒前半に収まるだろう。そう思うとトヨタは最初からスポーティカー、スポーツセダンのような加速性能を誇るカローラを作った訳ではない。飽く迄「雰囲気」である。ならば、走りの気持良さを優先しましたというアピールは成功していると言えるだろう。

■iMTのアピールの成功が、ダウンサイジングターボ普及に貢献するかも■

 日本にはなぜダウンサイジングターボ車が少ないのだろうか。

 最大の理由は都市部ではMTは面倒くさいからだろう。それならば最初から効率の良いところをつまみ食いして発進出来るCVTの方が運転もイージーという訳だ。これが下道の巡航速度では先進国で最も速いフランスではMTの需要は大きい。巡航速度が速いということは、信号も少ないか効率よく出来ているからであり、停止時にいちいちロー、セカンドに入れる必要も無い。しかし日本は大都市に行けば行くほど信号だらけ。ということで日本ではダウンサイジングターボが思ったほど売れず、逆にハイブリッド+CVT車が売れている要因になっているのではないだろうか。

 そこでトヨタとしては「これならばどう?」とiMTと称するMT車を出した。しかもMT車なんて面倒くさいと思っている人が感じているネガを悉く潰している。発進時にエンストしない、坂道で下がらない、変速ショックは最小限。

 もしこのMTならば乗れると多くの人が感じるようになれば、ダウンサイジングターボが普及する潜在需要は大いにある。ただ実験するにはカローラは少々高価だ。最廉価モデルでも220万円弱。平均的な2、30代が優に買える金額ではない。

 来年の今頃には出ているヴィッツ(ヤリスに名称が変更されている可能性大)にiMTが積まれるとしたらヤリスはカローラよりも廉価なのは間違いないので、面白いことになるかもしれない。

■Cセグメント車の戦いが日本でも再燃するか■

 Cセグメント(アッパーコンパクト)車は振り向けば、

 トヨタ・カローラスポーツ

 スバル・インプレッサ

 マツダ・アクセラ

そして近年カムバックしてきた、ホンダ・シビックとフェードアウトするにはちょっと惜しい、三菱・ギャランフォルティススポーツバックだけである。

 最早ここにはニッサン・パルサーもなく(豪州、欧州では好評)、三菱ミラージュは別のセグメントに行ってしまった。

 売れていない理由はその下のBセグメントが格段に良くなって来ていること、軽自動車の躍進が大きいこと、そして何と言っても、Cセグメントを買える人はもう少し我慢して、FFハッチバックの「帝王」こと、VWゴルフに行ってしまうことがあると思う。ゴルフはガイシャでありながら、社会的に安全である。田舎のお堅いところにアルファロメオで駐車していれば、「あの派手なガイシャのヤロウか」と思われるだろうが、ゴルフは「クルマ好きなのだろう」と思われる程度で済んでしまう。

 私が子どもの頃、多くの青年たちは普通免許を取ると、おカネを貯めてボロでも無理してCセグメント車を買ったものだが、今は軽自動車、リッターカー、果てはレンタカーに行ってしまう。

 ということは、このセグメントは出来が良いだけではダメで、独自の個性を持つことも必要である。この5台の日本のCセグメント車も個性が出て来たかなという感じがする。

 水平対向という世界的にも独自のエンジンと高い安全性能を持つインプレッサ、ディーゼルエンジンという選択肢を揃え、スタイリッシュなアクセラ、嘗てのヤンチャさを彷彿とさせるハイパワーエンジンを積むシビック、ランサー譲りのワイルド感を醸し出すギャラン、そしてトヨタらしい安定を感じられる新星カローラ・スポーツ。個性に好感を持ったならば、どれを選んでも間違いではないだろう。そろそろ役者が揃いつつあるようだ。

■下位モデルにも期待を感じさせる出来■

 1.2Lターボで感じたのは少々アンダーパワーだということ。勿論都市部ではそのような感じは受けないのだが、ワインディングだとかなり引っ張らないとヴィッツGRほど速く走れない感じだった。と書いたが、良く走ったからこそ、期待の気持ちを込めて言っているのである。

 TNGAの恩恵でシャシ性能が格段にアップしたので、もっと大きい排気量でも十分ではという気がした。欧州仕様は200cc刻みらしい。日本のように1.3、1.5、1.6、1.8ではないので、合わせたという話を聞いた。大きい排気量になれば、シャシとのバランスも相まってもっと活発に走れるだろう。

 逆にこの1.2Lターボエンジンはいっそのこと、4代目ヴィッツこと、ヤリスに積んだらきっと面白いだろう。総合的に見て、それだけの期待を感じさせる出来映えだった。ちなみにヤリスもBセグメントのTNGAで作られることが決まっている。

 最後まで言いたい放題のレヴューをご覧頂き、ありがとうございました。

もくじはコチラ左斜め下

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