すごい作品だった。
人が世の中が「怖い」と「怖くない」と認識する境界が(これがはっきりしてないところがすごく怖いのだが)はっきりと浮かび上がった。
これは怖い。
しかし表現としてそこに踏み込めているところがすごい。
健常人でもいつその落とし穴に落ちるかと感じてしまい、足元がおろそかになる。
ネットで他人から突然、失礼だ、と指摘される感じ、と書くと少しは伝わるだろうか。
健常人、と書いたのは明らかに彼らが病的だからなのだが、それが赤裸々に描けていた。
僕はヒッキーだったわけではないが、僕の場合、世の中に楽しいものがあふれているからそこに落ち込まずに済んだ。
その象徴が、その頃観た、タランティーノだ。
タランティーノ、ありがとう(記憶が定かではないが、たぶん、「パルプ・フィクション」だ。
なんで彼らはそこまで対人関係で完璧さを求めてしまうのか。
そうしないと、世の中を恥ずかしくて、相手から攻撃されそうで、渡っていけないと思ってしまうのだろう。
それだけ他人が何を考えているかがわからなくて怖い。
そしてそうできない自分を落伍者として認識してしまうんだろう。
自分がいつそこの落とし穴にはまってしまうかを考えると、とても他人事とは思えない。
怖いね。
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