勢いのある若手が勢揃いのこの舞台
めちゃくちゃ楽しみで、張り切ってM&Oplaysの先行でチケット取ったら、最前列のほぼ真ん中
土曜のお昼の回、近すぎてちょっと緊張しつつ
千葉県流山市。東京にもほど近い地方都市。この町の半径3キロ圏内でくすぶっている4人の若者。東京へ出ていく気力もなく、町を抜け出そうにも抜け出せない、「ダメな」4人と、彼らを取り巻くろくでもない大人たちの青春群像劇。それぞれに鬱屈をかかえた人々の、やるせない日々と、その中に垣間見える一縷の希望を描く。
作・演出 赤堀雅秋
出演 賀来賢人、太賀、柄本時生、若葉竜也、小野ゆり子、宮下今日子、駒木根隆介、
赤堀雅秋、平田敦子、皆川猿時
地方都市を舞台に若者4人とその周りの人々を描いた群像劇。なんとも言えない閉塞感、蔓延している退屈、日々気力なく惰性で生きている空気がもの凄くリアルで、東京近郊の地方出身者としてはとても身近で切実な作品だった。
太賀くんが一番のお目当て
だったわけだけど、思いがけず歌も聴けた
賀来、太賀、若葉の同級生3人が久々に集まってスナックで酒を呑むシーン。カラオケでレミオロメンの「粉雪」。また別の日に同じスナックで湘南乃風の「純恋歌」。大熱唱しているが、誰も聴いておらず大声で話してるという状況。私はばっちり太賀くんの歌に集中しておりました。「南瓜とマヨネーズ」
でのミュージシャン役でその歌声に魅せられたが、まさか生歌が聴けるとは嬉しすぎた
これだけでも十分行った甲斐があったわ。演技についてはいまさら言うまでもなく、素晴らしかった。終盤の号泣しながらの長セリフにやられた。
賀来くんは皆川さんと兄弟で実家の魚屋を継いでいる。太賀は早くに結婚してマイホームも持ち、小野さんが奥さん。若葉くんは役者を目指し上京するも芽が出ずバイトの日々で久々の帰省だが、実家には帰りたくないと賀来くん家にお泊り。平田さんは魚屋の隣人。柄本くん&駒木根さんは知り合ったばかりの謎の2人組。宮下さんはスナックのママで赤堀さんはその旦那。
賀来くんが一見まともなようで、ラブホで会ってるのがなんと太賀の奥さん。柄本くんは町を徘徊しつつ、舌打ちされただ、ジロジロ見られただと誰彼かまわず因縁つける危ない奴。みんな狭い世界で不満を心の中に沸々とさせているのが観ていて苦しくて。冴えないダメな登場人物たちと距離があると思いつつ、延長線上には確実に自分がいると身につまされたり、ちょっと怖くなったり。
派手なことは何も起こらない日常の描写が淡々と描かれるが、その積み重ねがじわじわ効いてくる。皆川さんのシリアス演技が新鮮で、独身中年の悲哀半端なし。弟の賀来くんと台所で向かい合って話すラストシーンで胸が熱くなった。
これは本気でもう1回観に行っちゃおう
とテンションが上がったが、すでに東京公演は完売。地方はまだチケット残ってるとこもあるみたいなので、迷ってる方はぜひぜひ
ログインしてコメントを確認・投稿する