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2017年03月27日15:49

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117に就活をしていた人間だからこそ見える企業側の本音

■「学生は電話に出ない」「SNS実名出てこないと不信」感覚にズレ?
(THE PAGE - 03月27日 13:42)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=177&from=diary&id=4497469

 SNSについてのズレはコーポレイトカルチャーの違いもあるかもしれない。この記事では飽く迄どの企業もSNSは実名が当たり前で、みんな積極的にやっているというのが前提らしい。しかし、企業によっては自社の悪口を書かれたくないという思惑から実名での参加は好ましくないというところも身近では何社も知っている。

 少子化の時代も相まって、今度は企業の人事担当者が四苦八苦しているのが窺えて興味深かった。

■「カネを撒けば、馬鹿が生える」を忠実に実践したバブル期の日本企業■

 ゆとり教育世代と言われる人達の親御さんたちは概ねバブル景気の世代だろう。彼らの世代もそうだった。兎角企業側が学生に媚を売っていた。内定辞退を防ぐために、パーティまで実施するようなことを一部上場企業は平気でやっていた。

 それゆえこの時代のOLさんたちは兎角横柄だった。銀行に行けば、同僚と談笑しながら、札束をチンタラと数え、客を並ばせても「お待たせいたしました」の「お」の字も無い。そんな窓口OLでも当時の年収で800万円も貰っていた。時給800円ではない。年収800万円だ。BMWを「六本木のカローラ」と言い、結婚は「条件闘争」。カネづるになりそうな男を見つけると

 「あの男(こ)は田園調布に住み、彼の親は一部上場企業の重役だから、結構ツカえると思う」
 
 と平気で嘯いた。

 ユダヤの諺に
 
 「カネを撒けば、馬鹿が生える」

 という言葉があるが、まさにそれを実践していたのが、当時の日本の一部上場企業だったと言えよう。

 ところが当然そんな愚かな時代も長く続くはずも無く、バブル崩壊。

 後は平成17、18年あたりを除き、ゆとり教育の世代の方たちが就活するまでの間の世代は大方就職氷河期世代の苦しみを味わった。

■117(阪神・淡路大震災)の年の就活事情■

 卑近なことだが、当方は阪神・淡路大震災の年に就職活動をしていた。人数も多くて、大震災、オウム、サリン、超円高の時代である。採用枠も極めて少ない。ネットの時代ではないから、

 DMは100枚返事を書き(女子学生は200枚が「普通」)、

 20社面接させて頂き

 1社内々定

 取れれば御の字、

 そういう時代だった。

 尤も自分は某市の市役所と地元の小売業の2つしか受けていない。両方も内々定だったから、無い知恵は使ったが、苦しまずに済んだ。

 電話がこの記事では問題らしいが、メールも今ほど発達していない時代、電話がメインのツールだった。採用は電話連絡した時点で既に始まっていた。

 「●●大学、××学部、▲学科、味区C 花子と申します・・・このたびは・・・」

 とスパッと言えなければその場で不採用。バッド(下向き矢印)

 相手の面接予約の際、相手がオファーした日が駄目なので、別の日を、と言おうものならば、

 「左様ですか。それでは追ってご連絡します」(しないで不採用バッド(下向き矢印)

 これが当たり前だった。だから電話に出ない学生なんぞは当然当時は不採用行き。その場で出られなくて後で電話した場合も不採用。バッド(下向き矢印)

 そうなっても困るので、当時は非通知拒否を解除した覚えがある。

 ところが今や電話に出てくれないよ〜と人事担当者がお嘆きなのだから、随分とハードルが甘くなったものである。

■採用活動の意義を再考すべき■

 企業側も学生側も時代によって両極端に振り子が揺れるのは相変わらずだなあと思わざるを得ない。企業側も学生を取りたい気持ちはよく分かるが、採用活動はルーティンではいけない。どんな新人でも使いものになるには最低でも5年、普通は10年、遅い人だともっと掛かる。つまり今採用した人は5年くらいは扶養家族同然で最初は使いものにならないのだ。ましてやゆとり教育の世代となれば就職氷河期世代と比較して、基礎学力では間違いなく劣っている(最盛期は「円周率は3」と教え、センター試験しか実施しない大学も多かったのだから)。

 ならばもっと中長期的な視野で採用活動は行わねばならない。景気によって採用活動が左右されている企業は未来の為の人材投資でもある採用活動をルーティンで行なっているのかと言わざるを得ない。

 未来の為の人材投資、と書いたが、簡単に言えば、「一緒に働いて成長したいと言える人材を捜している」どうか、と言うことだ。ならば企業側は変に学生に媚を売る必要はない。自社の社風や企業文化にこの人はそぐわないと思うならば、無理矢理採用する必要はないではないか。それで人員に穴が空いたとしたら、中途で補えば良い話。日本の企業側には未だに若者に対する期待がある。しかし未だにそんな国は日本だけになりつつある。なぜ人材についてもガラパゴス化が出来てしまっているのかといえば、戦前の多産多死の時代のやり方を踏襲してしまっているからだ。

 日本に次いで人材派遣会社が多い、と言われるアメリカ、そしてEUでも

 「年齢差別禁止法」

 という法律がある。これは企業の面接に訪れた人材で能力が同等だった場合、年齢で採用を差別してはならない、という法律である。日本はアメリカ、EU以上の高齢化社会になって来ているのだから、同様の動きは何時出て来てもおかしくないのが労働市場の現状である。ましてや基礎学力だけで見たら就職氷河期世代の方がゆとり教育世代よりも高いのだ。年齢差別禁止法が日本でも施行されれば、若者の基礎学力の無さで中高年も労働市場に押し寄せて来るのは目に見えており、若いことは全然アドバンスにならないどころか、却って基礎学力も経験も無いから、苦境に陥ることになる。そういう時代が迫っていることをよく認識し、企業も学生も就活に対峙すべきなのである。



 
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