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幻想的短篇に3篇追加いたしました。今回は前回みたいに中篇の長さにならずとりあえずほっとします。
順に簡単に解説を書いておこうと思います。
”青灰色の門をこえて”は、人の記憶の保存が、時系列ではなく感情の強弱によって配列される事から思い立ち、それを独裁者の死亡の事件や、ガルシア＝マルケスが独裁者を描いた「族長の秋」などのエッセンスを入れつつ、一つの幻想譚にしてみました。
書いてるのとほぼ同時に、某独裁者の消息不明ニュースが流れてたのはちょっとした偶然ですが（後に杖を突いて登場した）、本作の様な陰謀劇やＳＦを想像してニュースを見るのも、なかなか面白いものでした。
”月色のバハムート”は、アルバート･アインシュタインを吟遊詩人アルベルトとして、再び描いてみた短篇です。
晩年には相対性理論の未解決部分と、実際の観測結果との誤差に思い悩んだアインシュタインですが、数学や物理と言った理系の学生が最初に習うような、
「数式や理論は一つの事象を一つの切り口で抽象化してるだけなので、物体や現象そのものじゃない」
という、あまりにも単純で当たり前の事を思い出してれば、気持ちはもっと楽だったろうと言うのがこれを書いた動機の一つにあったりします。
彼に対する哀歌や挽歌の様な、そんな位置づけなのですが、読まれた皆様はどんな感じがしたでしょうか。
”夢魔の残滓”は、また夢をテーマにした作品で、引用のジョージ･マクドナルド「リリス」「ファンタステス」あと、フリオ・コルタサルの「開かれたドア」、映画の「インセプション」の様に、夢と現実の交錯、あるいは他人同士の夢の結合みたいなものを一つ書いてみようかと思いました。
今回は男の死の直前の一瞬の間を、夢魔（あるいは夢を共有してる女）からの主観で描いてみました。
中ほどにある王子と女王の話はローマ時代のウェルギリウスの「アイネイアース」の、女王ディドの物語になります。
今回は全体的に短く、短くという事で書いてみて、大分説明の無い所も多い短篇になってしまいましたが、余白を自分で補完して貰ったり、あとは直接どういう意味か私に聞いてもらってＯＫです、次回の参考にもなりますので！
ではではー（・ω・）ﾉｼ
by 拓也 ◆mOrYeBoQbw
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