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2013年03月20日21:37

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綿矢りさサイン会@紀伊國屋書店新宿本店

春分の日だね〜。

今日は新宿にていろいろ買い物。
知人の就職祝いを探すのが目的。目星を付けているのがあってね。
なんにしても女性に対するプレゼントは難しい。

レディのお姉さんには無事に卒業&入学祝いを渡せた。

あ、にょっきの進級祝いも考えないと、ってかあ。。。
どんだけ甘いんだよ。。。

さて、もうひとつの目的は紀伊國屋での綿矢りさのサイン会。
先日、何気なく新刊を買ったら、参加券をもらえたのだ。最後の1枚とのことだった。
帰ってネットで見てみたら、3月8日の10時から先着100名とあった。残がある場合のみ、翌日の電話予約を受け付けるとのこと。買ったのは9日の午後。残っていたのは奇跡だったのか。番号が120だったから、20枚増やしたのかな。

綺麗なお方でした。

作家であることを鼻にかけた様子もなく、笑顔を絶やさずに、好感度高いね〜。
「よろしくお願いします」「ありがとうございました」を元気よく言い続けていた。会話を楽しんでいるという感じで、とにかく対応がとっても丁寧だった。
さらに、握手付き。華奢で柔らかな手だった。
彼女、左利きなんだね。
おそらく読者の生の声を聞けるいい機会なのだろう。
アットホームな雰囲気でほんわかするようなサイン会だった。

私はこの作家の書く文章が好きである。

サラッとしているようで何か引っかかるような言葉遣い。
抒情的で饒舌な情景描写。
柔らかなリズム感。

昔ながらの美文ではないけれど、読みやすいような読みにくいような、不思議な感覚がおもしろい。

新刊『憤死』のあと、『かわいそうだね?』と『ひらいて』を立て続けに読み、昨日のコンサートの待ち時間で『しょうがの味は熱い』を読み終わった。

高校生の奇妙な三角関係を描いた『ひらいて』がなかなか良い。
このなんだか息苦しいような感じは辻村深月の『オーダーメイド殺人クラブ』に似ている。純文学とミステリーとの違いがあるとはいえ。
読み終わったとき、全てが割り切れて収まりがいいのがミステリー、割り切れずにもやもやするのが純文学、という気がする。あまりにも乱暴な喩えではあるが。
それはそれとして、今どきの高校生は肉体と精神それぞれの成長度の乖離がひどいんだな、と主人公の女の子を見て思った。高校生も大変である。
さらにこの小説はちょっとエロい。直截的な表現を避けようとしているだけに余計にエロなのである。エロではあるがいやらしくはない。文学におけるエロティシズムとはこういうものか、という難しいことも考えたくなる。
さすがに本人を前にして「りさたん、かわゆい顔してエッチでちゅねぇ」などと言えるわけはない。
ちなみに、三角関係の一角を占める男子の名前が西村。まるで作中で自分が呼ばれているような奇妙な感覚である。そしてその彼女が美雪(みゆき)。

コミカルな『かわいそうだね?』もおもしろい。もう一編の『亜美ちゃんは美人』が最高。長編を書けるだけのテーマだろうが、軽めに仕上げているので読後感が気持ちいい。

『しょうがの味は熱い』は同棲カップルが結婚を前に揺れるすれ違いを描いてる。賛否両論なのだろうな、という気がする。わかる部分とわからない部分、共感できる部分とできない部分が入り混じっている。そこを狙ったのかなという気もする。
なのでこれは、こういうカップルもいるのかも、と自分の経験と照らし合わせて見るのが正しいのかも。わりと自分は深く考えずに結婚してしまったので、へえそうなのか、と思いながら読んだ。

というわけで、綿矢りさ読み尽くしプロジェクト進行中なのである。
感じ悪いオンナだったら、本全部捨ててやろうと思ったけど、大事に取っておきます。
どうせだから全てハードカバーで揃えたいと思う。やはりハードカバーでこそ本という感じがするのだ。読書好きという以前に本自体が好きなのだ。しかし、文庫化されたものには書き下ろしの短編が収録されていたりする。
悩ましい。。。
あ、そうか、両方買えばいいんだ。な〜んだ。
そんでもってまた物が増える。
大丈夫、彼女の本は薄いから。

(写真右は紀伊國屋で使われていたもの)
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