今週突然行くことになった、というか今週になるまで知らなかったのだが、タワレコ渋谷のインストア・イベントに行ってきた。
下御領瑶(しもごりょう・よう)という若手ヴァイオリニスト。
タワレコ先行発売のデビュー・アルバム『エミスフェール』を何度か聴いたが、かなり非凡なものを持っていると見た。なによりその音色がいい。弦を弓でこすっているという、ヴァイオリン本来の音がしているように思う。こういう音はいい。ヴァイオリンの場合あまりにもクリアーすぎるとかえって無機的に響いてしまうように思うのだ。
ピアノはCDの丹千尋(たん・ちひろ)さんではなく、若い男性。(失礼、お名前を失念してしまった)
01.ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ニ短調
02.サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン
まさかイベントでブラームスのソナタを4楽章全曲やるとは思わなかった。リハーサルで通しで演奏していたので、もしやと思ったのだが、ホントにやるとは…。いくらCDに収録しているとはいえ、その気概に感心した。
私はブラームスの3番が大好きなので、これだけで肩入れしてしまう。
それだけでイベント的には十分だろうが、ツィゴイネルワイゼンのおまけ付き。これで完全に30分越え。
やはりいい音だ。清潔感のある音で瑞々しい。
演奏自体には瑕がないとは言わない。しかし、まだ若いのだ。細かいことをとやかく言うつもりは全くない。今は彼女自身の音でしっかり音楽を奏でていることに拍手を送りたい。
なよっとしていなくて、凛としているので、一部の男性のウケはよくないのかもしれないけどね。
ブラームスはかなりいいぞ。
ツィゴイネルワイゼンも快演。
CDの意匠はジャケットに顔が使われているが、アイドル的なヴィジュアル強調という作りではない。モノクロで、アングル的にもアートっぽい感じがする。
もしかしたら、ルックスに難あり? なんて失礼なことを思ってしまったが、全くそんなことはないではないか。ちょっとキツめの整った顔立ちをしている。芯の強そうないい面構えだ。悪戯っ子のような笑顔がいい。
たぬ〜も好印象を持ったようだ。
これから留学するのだそうだが、道を誤らなければいい奏者になるのではないか。
終演後に訊いたら、行先はパリとのこと。じっくり勉強して帰っておいで。
ちょくちょく戻ってきてコンサートをやりたい、と言っていたから楽しみにしていよう。
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