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2010年01月18日16:02

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【バレエ】マールイ(レニングラード)「眠りの森の美女」(17日)

衛星放送の番組表を眺めていると、
ベルリン・フィルのジルベスター・コンサート(2009)が。
演目に「くるみ割り人形」とあったので、
ちょっと期待して録画予約をかけました。

残念ながら、ダンサーの姿は映っていませんでしたが、
図らずも2幕すべてと1幕「雪のワルツ」の素晴らしい演奏を
入手できました。

でも、先日のマリ管やこういう演奏を聴くと、
アニハさんの抜けた穴の大きさを実感してしまいます。
現在のマールイ管、迫力はあるものの、
調和や奏者の力量バランスに、
やはり物足りなさを感じてしまうからです。

       *     *     *

そのオケの17日の様子はというと、
気になるところは相変わらずありますが、
それでも国内オケより安定しています。
特に今年のチーム(マールイ・オケは2班が交互に来日)の
コンマスさんの間奏曲は絶品なんですよ〜。

       *     *     *

基本構成は同じですが、
この演目も舞台装置や衣装、振付すべてに手が入っていました。
すっきりしたところもあれば、違和感を感じるところも。
また16日と17日でカラボスの演技などが異なっていたそうですが、
そのあたりはダンサーたちのアドリブなのでしょう。

       *     *     *

前日16日の舞台をご覧になったお師匠さまから、
短信が届きました。

「やっぱりマールイの『眠り』は良いねぇ。(^^)

最盛期に比べたら、妖精たちは戦力が半減してる感じだけど、
来年はもっと見応えがあるようになっているはず。
エリマコワさんもチーカちゃんもクズメンコさんも、
健闘してるけど踊り込みが足りない感じだからね。

キャスト表は直されていなかったけど、
今日こそ顔と名前が一致するはずと思っていた、
元気の精ドミトリエンコさんと勇気の精クラシュークさんが、
舞台上ではヤパーロワさんとステパノワさんに変更。
結局二人のダンサーは覚えられなかったけど、
おかげで妖精たちの半分弱は見応えがあったので嬉しい。(^^)

ボルチェンコさんは、妖精たちの女王というか、男前な姐さん風リラの精。
踊り出すと優雅だけど、あの存在感と風格は王様さえ威圧する。(^o^)

王様はシェミウノフ君で、どこか朗らかな優しい国王だからねぇ。
王妃様はもちろん、美しく高貴なマルチナさん。(^^)

カラボスはポドショーノフさんで、とても元気に動き回り、
本当にセリフが聞こえるような迫力ある大熱演。
もちろんボルチェンコ@リラには好敵手だけど、
コリパエフ君に倒せるのか、不安だ…。(^^;)

式典長はツァルさん、従者はアパシキンさんからマラーホフさんに変更かな?
二人とも美形なのに勿体無いけど、上手くて面白いんだよね〜。

カラボスとリラの対決は面白かったよ〜。
カラボスも迫力あるけど、リラがコワイの。あれには逆らえないわ。(^o^)
カラボスが退場する時なんかは、『おとといおいで!』と背中が言ってたよ。」

       *     *     *

週末に配役が発表になった時、ボルチェンコさんのリラ精、
私もすご〜く気になったんですよね〜。
彼女、巷間「笑顔がない」「クールビューティ」と言われてますが、
よ〜く観ると、実はちゃんと笑顔を浮かべてるんですよ。

雰囲気も昔のペレンちゃんのようなクールビューティとも違う。
人の良い温かさではないし、うっとうしい熱さでもありませんが、
体温は感じられるんです。面白い人だなあ。


17日の配役は、
オーロラがシェスタコワさん、デジレがヤフニューク君、
リラ精がペレンちゃん、カラボスがオマールさん。

ペレンちゃんのリラ精は、前回観た時も良かったのですが、
優しい感じが増し、技術も今季さらに向上しているので、
ますます良くなっていました。舞台メイクも演技もナチュラルな感じだし。
一転カラボスに対する時はにこりともせず、毅然とした様子。
クールビューテイーの「利点」を上手く使い分けているのですね。

オマールさんのかつら、すっごく違和感があります。
しかもどこかで見たことのあるデザイン。
なんだろー、と思いながら眺めていると...。
あ! わかった! ヤンキーのソリコミだ。

いったんそう見えてしまうと、彼(彼女)が暴れれば暴れるほど、
その取り巻きともども暴走族に思えてしまい、
つい吹き出しそうになりました。

ヤフニューク君、
ヴァリエーションは上手ですが、PDDになるとちょっと辛そう。
サポートに入ると顔がおもいっきり素になり、真剣そのもの。
タコさん、こわいみたいですからねえ。

身長的にも、彼にはヤパーロワちゃん級の
小柄なダンサーの方が合っているようです。
でも、カテコでのタコさんの笑顔から察するに、
とりあえずは及第点だったのでしょう。

とはいえ本音を言うなら、
ここはやはりプハチョフさんかシヴァコフ君で観たかったなあ。
すべての公演を観ているわけではないので、
もしかしたら本当に休みの番だったのかもしれませんが、
今季、ベテラン勢の出番が少ないのでは?
とファンの間では囁かれています。

この「眠り」を例にとるなら、
リラ精のペレンちゃんと青い鳥のコリッパーは前日の主役。
ペレンちゃんを観られたのは嬉しいけれど、
コシェレワさんやプローム君でもよかったのではないでしょうか。
シヴァコフ君なんか、トロワで観ただけ。

一方、群舞たちはだいぶ疲れが溜まってきているようです。
正月明け、あれほど静かだった足音が、かなり大きくなっていました。
それでも上手な人たちは、途中で修正し消音してきます。

また群舞としての調和がさらにとれてきて、
踊りの質はそのままに、揃い具合が良くなっていました。
大したものです。プロだなあ。(uu)

       *     *     *

タコさん、そんなわけでPDDに関しては、
彼女の実力を発揮するまでには至りませんでしたが、
ヴァリエーションや役作りに関しては、
今回もまた実に素晴らしい出来でした。

1幕でオーロラはカラボスから網棒を貰うと、
「これはなに?」と両親に見せに来ますよね。
父王が心配そうに「こちらに渡しなさい」と手を伸ばすと、
「だ〜め。これは私の♪」と嬉しそうにひっこめる場面の笑顔と仕草、
も〜おダメです。私の胸にQPの矢が100本くらい突き刺さりました。

今回のシェミウノフ王、
例によって子煩悩を絵に描いたような父でしたが、
こんなに可愛い娘がいたら、
彼でなくともアポテオーズで大仰に嘆き悲しむことでしょう。

世界には、素晴らしいダンサーたちがたくさんいます。
それぞれに得意とする分野があって、タイプはまちまちですが、
皆、超一流であることにはかわりありません。

タコさんは、
観る者の目と耳と心を幸せにしてくれるダンサーです。

彼女が舞台に立てば、架空の世界の人物に命が吹き込まれ、
彼女が踊ると、きらきら光る音の粒が周囲にふりまかれるようです。
指先が描く軌跡はあくまでも滑らかで淀みがありません。
これほど深い解釈、心地良い踊りを魅せてくれるのは、
都さんをはじめとする、超一流のダンサーしかいません。

このフレーズ、これまで何度書いては消したことでしょう。
彼女は贔屓のダンサーですから、
知らぬうちに色眼鏡をかけてしまっているかもしれないと、
自重し続けてきました。

でも、今季の舞台を観て確信しました。
彼女もまた、世界級のダンサーのひとりであると。

       *     *     *

今年の夏、マールイはロンドン公演を行なうとのことで、
どうやら日本にはやってこないようです。

これまでは半年に1度、その舞台を観ていたのに、
再び彼女彼らに会えるのは1年後になってしまいました。
ファンとしては寂しい限りですが、仕方ありません。
みなの元気と無事を祈りつつ、さらに進化した姿を期待して、
次の冬を待つことにします。
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