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2007年12月30日05:43

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【バレエ】モスクワ音楽劇場バレエ「白鳥の湖」(29日)

主役はタチヤナ・チェルノブロフキナさんと、
スタニスラフ・スミレフスキさん。

...のはずでしたが、スミレフスキさん、
プハラエフさんに、いつの間にか変わってました。 (−”−)

でもまあ仕方ないか。
踊るなら旦那と一緒の方がいいよね、クラビーヴィナさん。

       *     *     *

指揮者はジェムチュージンさん。
舞台をちゃんと観ている人です。

オケ奏者の印象は「くるみ」の時と同じでしたが、
後半になっても崩れることなく、安心して舞台に集中できました。

ここの「白鳥」は、前宣伝でしきりに連呼されていたように、
ブルメイステル版です。
最近はプロローグ付きを観る機会も増えてきているので、
なにをいまさら、と思った方もいるかもしれませんが、
ブルメイステル版が1953年に初演されたのはモスクワ音楽劇場、
つまりここのがオリジナルなんです。

始まる前は、またポップな舞台装置なのかな〜、
と思ったりもしましたが、シックで立体感のある「普通の」デザイン。
衣装も華美すぎず、素敵でした。(^^)

構成は4幕で、幕間にはきっちり休憩が入ります。
15分、20分、20分。だもんで1230時に始まっても、
終演は1600時。えーっ、3時間半!?
うそー、あっというまだったよ!

年末の忙しいときだというのに、1階席はほぼ埋まってました。
「くるみ」に続き観客のマナーは良く、快適な鑑賞環境。
よかったよかった。(^^)

       *     *     *

下手から「人間」のオデット登場。
チェルノブロフキナさん、綺麗というよりは可愛い感じです。
たしかもう40近いんじゃなかったかなぁ。意外だ〜。

花を摘みながら、上手奥の岩山に登っていくオデット。
すると、そのさらに上の段にいるロットバルトが、
長〜い腕で彼女を隠します。
岩壁に仕掛けがあって彼女の姿はなくなり、
代わりに背景の湖に白鳥が1羽。

再び幕が開くと、そこは森の中の庭園。
王子は最初から上手奥の東屋のようなところに座っています。
友人2ペア(トロワではなくカトルなんですね)、
男性ダンサーに比べ、女性群舞の衣装が村人風なので、
おや? と思ったら、本当に村娘たちでした。

女官たちは王妃様が連れてくるのですが、その数なんと14名!
王妃様を先頭に一列になり、
上手奥から下手奥、下手手前へと、舞台をほぼ一周します。
このバレエ団、美人度が高いので、
ファッションショーよりも見応えあるかも。(^O^)

1幕には王子のソロとPDDがありますが、
相手(役柄をちょっと忘れました。f(^^;))を務めた
オクサーナ・カルダシュさんと、
カトルの女性のひとり(ユリア・ベローワさん)が良かったです。

カトルの男性たちはボウガンを持って踊るのですが、
傍目にも踊りにくそうで、振り回すボウガンが、
周囲の人に当たるのではないかと、観ていてひやひやします。
これはないほうがいいかも。

道化は「くるみ」の道化と同じ人。師匠情報によると、
どうやらもうひとり、もっと上手な道化がいるようなので、
そちらで観たかったなぁ。

       *     *     *

2幕、群舞の数は18名+。
舞台の大きさに合わせたのでしょうか。

いやー、ここの群舞はいいです!
BGM代わりにマリインスキーの白夜祭の映像を流しながら
これを書いてますが、見劣りしないもんな〜。(^^)
「くるみ」の時もソリストより群舞の方が印象良かったのですが、
大したもんです。

大白鳥は3羽で、1羽は東洋を踊ったセメニャーチェンコさん。
予想どおり、のびやかな良い踊り手でしたが、
もう1羽のオリガ・シズフィさん(たぶん)、気に入ってしまいました。
動きが他の2人よりも、さらに良いのです!
音のとり方、腕のしならせ方、手・足・首の傾け方などが絶妙。

その見応えある群舞たちの中にあって、
なおかつ見失うことのない存在感をかもすのが、
チェルノブロフキナさんの凄いところ。
丁寧でやわらかく、音楽ととともに舞ってました。
オデットというと孤高の白鳥姫のイメージが強く、
クリスタルに演じる人はよく見かけますが、
彼女のオデットは暖かな血の通ったお嬢さん。

冒頭のおびえた様子が次第に安堵へと変わっていき、
やがて王子への信頼が芽生えていく様子はなんとも愛らしく、
なんとしてもこの人を助けるんだぞ、ジーク!
彼女を裏切ったりしたら、タダじゃおかないからな〜!
と、尻を叩きたくなります。(^O^)

...なんか頼りないんですよね、プハラエフ王子。
演技なのかなぁ。(-.-)

       *     *     *

おおむね幸せな気分でワインを傾けた後は、
黒の場、3幕へ。

道化が5名に繁殖。みな長身で、カッコイイ道化です。
増えた4名は、花嫁候補たちのエスコートを兼ねます。

ご存知のとおりこの版では、
キャラクター・ダンサーたちはみなロットバルトの手下です。
それぞれ中心となる女性ダンサーがオディールと時々入れ替わるため、
全員で王子を誘惑しまくります。(^O^)

しかも勢いというか、雰囲気づくりが上手い。
キャラクテールはこうでなくちゃ! というノリ。
難度Dの技をばんばん繰り出すわけではないのに、
場の盛り上げ方のツボを押えてます。
新国のダンサーたちも観に来ているのかなぁ。
勉強になると思うのだけど...。

ロットバルトはドロッセルマイヤーを演じたドマショーフさん。
この人、やはりいい味だしてます。(^o^)
唯一の不満は2幕、4幕も含めて踊る場面の少ないこと。

王子は...見かけは王子様っぽく、
意外と力持ちでオディールを平然とリフトしますし、
サポートも下手というわけではないのですが、
自身の踊りが...。あー、あまり上手くありません。

このバレエ団、筋肉質で背が高く、
しかもハンサムな男性が多いんですよ。
ほかに誰かいなかったのでしょうか。

そしてオディール。
...ちょっと地味目でした。(^^;)
けれどロットバルトと王子へ向ける視線と表情は、
上手に切り替えていたので、意図的だったのかもしれません。
これなら白黒間違えなさそうだし。

ただ、32回転のフェッテ、前半乱れていました。
どこか調子が悪いのかな。

       *     *     *

4幕、再び群舞登場。
東京公演も終盤、疲れがたまっている頃のはずなのに、
足音も小さく、ヨレるようなこともありません。
あ、黒や灰色のヒナは登場しませんでした。

嘆き悲しむオデットを中心に、
群舞たちが放射線状に並ぶシーンがあるのですが、
私の席からだと、1本のラインの延長上にオデットがいて、
白亜の彫像群でも眺めているかのような神々しい構図に。
思わず写真を撮りたくなりました!

結局、ロットバルトは最後まで崖の上にいて、
王子は波に飲まれそうになりつつも、
崖上のオデットをリフトします。
すると地面から炎と煙が上がり、
ロットバルトは身を焼き焦がされて果てるのでした。

王子が頭上にオデットをリフトしたまま舞台は暗転、
再び明るくなると、チュチュ姿のオデットは、
プロローグの時の衣装に。
おー、今の、どうやったんだ???

       *     *     *

群舞も早々に袖へ刷けてしまい、
王子とロットバルトの直接対決もないため、
終盤の説得力に乏しいのがブルメイステル版の弱点。

それ故セルゲエフ版やグリゴロ版に
プロローグを付けたような演出が、
あちこちでなされているのでしょうね。

とはいえ、満足度のとても高い公演でした。(^^)
今日、30日が最終日です。
次に来日するのはいつになるのかわからないので、
最後のチャンス、いかがですか。
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