4月9日火曜日。午前中は大嵐、午後から雨があがる。
頚椎症性神経根症になって1カ月半になる。毎日毎晩、痛みで身体も顏も歪み、寝ていても痛さで起きてしまうくらいにきつい。
1年前にこの症状が出た際、整形外科でクスリ(強力な鎮痛剤)を処方してもらい、2カ月弱でなんとか痛みが治まった。その時のクスリが10錠ほど残っていたので、あまりに痛みが強い時に限って服用し、今日まで騙し騙し暮らしてきた。
月1で胃薬&睡眠薬を処方してもらいに病院へ通っている。その担当医は火曜日のみの診療だ。ここから先はちょっと医事法に触れそうなことなんだけど……、彼に頼んで抗生物質だとかバファリンを出してもらうことがある。
午後、雨があがったので病院に行って、担当医にお願いした。
「1カ月あまり激痛を抱えながらなんとかしのいで来たんだけど、もう限界。鎮痛剤もなくなってしまったので、先生、2週間分でいいので処方してください」と。
先生はいつもどおり、親身になって同情してくださり、強力鎮痛剤を私の要望どおり2週間分、処方してくれた。胃薬&睡眠薬と一緒に。
お礼を言って退室しようとした時、旧知の看護師さんが「先生、本日の整形外科はA先生が午後診をやってますけど……」と言葉を掛け、医師も「そうだった、なんなら彼に診療してもらうほうがいいかもしれないよ」と勧められたので、整形外科で再診察を受けることに。
A医師の診察室へ行って症状を話すと、念のためにレントゲンを撮っておきましょう、と言われ、そのとおりにする。
で、再診察。
あまりに痛みが強いようだったら注射で痛みを散らしましょうか、と言われたとき、地獄に仏の心境となり、その言葉をA医師に発したら、笑われた。
15分後、痛みは8割減になった。これで晩ごはん後に鎮痛剤を服用したら、今晩は安眠できるかな。
両医師とも優しい。
その優しさは私にとって励ましである。
今朝の朝刊の社会面に以下のような記事があった。
<仏教系の進学校として知られる私立清風高校(大阪市天王寺区)の男子生徒(当時17)が試験でカンニング後に自殺したのは、教師の不適切な指導が原因だとして、両親が8日、運営法人「清風学園」に計約1億円の賠償を求めて大阪地裁に提訴した>
<訴状によると、男子生徒は2年生だった2021年12月、期末試験でカンニングをして試験監督に見つかった。別室で事情を聴かれた際、教師からカンニングはひきょう者がやることだと叱責(しっせき)された上、「全科目0点」「自宅謹慎8日」「写経80巻」「反省文作成」などの処分を受けた。生徒は2日後、自宅近くで死亡しているのが見つかった>
カンニングをやる人間、イコール卑怯者という決めつけ方は、それが正しいか正しくないかは置いといて、厳し過ぎる。また、全科目0点とか写経80巻という処分は、およそ教育機関とは言えない。家庭裁判所クラスでさえ、ここまでの厳罰主義ではないはずだ。
私が出た大学で、ちょいとお馬鹿なクラブの後輩がいた。
よくこの大学に入れたな、と部員みんなが冷やかし、お馬鹿はマジな顏で「両隣の受験生と前列の受験生のテスト用紙をカンニングした」と応えていた。
私はあっぱれだ、と思った。彼は群馬県下で最も優秀とされている高校の卒業生なので、カンニング云々は8割くらいウソだろう。
その後、彼は大学5年の時に公認会計士の試験を一発合格した。
カンニングは彼だけではない。
教養課程の前期後期フランス語試験では、教師が堂々と「おまえたちはたいていが馬鹿だから、試験問題はそうやすやすと解けまい。だから辞書を使うなりしてカンニングも許す、私はこれから退出し、試験終了時間までいないので、頑張って試験に臨め」と、カンニングを勧めていた。のちにファーブル全集をたった一人で全訳した奥本大三郎先生だ。
なんとおおらかな時代だったのだろう。
高校大学とも、生徒・学生に対して優しかった。
当たり前だ、知識や勉学意欲を伸ばすのが教育機関の役目だから。
本日のmixiにもこんなニュースが載っていた。
<ミスした生徒に丸刈り教養>
https://news.mixi.jp/view_news.pl?from=home_news_pickup&id=7819008&media_id=266&utm_source=pocket_saves
犬のしつけは、とにかくおだてておだててルールを覚えさせるのが最良だという。この学説はしっかりしたエビデンスがある。
人間だってそれは同じで、子どもであろうがおとなであろうが、まずは相手の意思を尊重してやるのがいい。つまり優し過ぎるほうが厳し過ぎるよりなんぼかマシなのである。
いまの社会はダメな人間と規範から逸脱した行為に対して厳しい。
時代は逆行している。
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