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2023年12月06日17:08

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老いも怖いけど、古びていく自分はもっと怖い

 昨日12月5日火曜日。
 昼イチで7歳年上の畏友と戸塚のカフェで女子会ならぬジジ会。ガンの闘病中ゆえ話題がどうしたって病気のことになりがちだ。化学療法による副作用が重かったために半年近く治療を控えていたが、今月末の検査しだいで来年1月から再開するとのこと。前向きな姿勢に敬服する。果たして私は彼と同じように戦っていけるのだろうか? たぶん無理だ。
 畏友は博識で聡明であるが、寄る年波のせいなのか、熱く語られる映画が数十年前の黒澤明だったり(ex,「七人の侍」)、あるいは映画好きとしての原点(ex.「人間の条件」)だったりで、過去に主軸を置いている。ブンガクについても然りで、それは私が常日頃恐れている「昔はよかった」が口癖の好々爺だ。
 ブックオフで本を買う際、たとえば2冊の購入であれば、1冊は3年以内に出た本とする、という自己ルールを設けている。図書館でも同じ原則を敷いている。そうじゃないと、本を買うことも読むこともしていないくせに偉そうな口調で「書店に行っても面白い本がない!」という傲慢系分子に陥ってしまうから。そのみっともなさを少しでも回避したくて、まったくジャンルが異なる音楽でも、ちょっと無理して最近の曲を聴くよう努めているし、電子デバイスなんかでも最新よりリーズナブルな一機種遅れくらいのまあまあ新しい製品を買っては古い物を処分する。
 畏友の勧めで山本周五郎の『さぶ』を私も再読しようと思ったし、彼がNHKBSで観て感動した『ドライビング・MISS・デイジー 』も帰宅してアマプラで調べたら300円であったので観る気になった。これはこれで友だちの務めだ。
 我思う、「昔の作品は今と違ってよかった!」というのは結局のところ、「昔の自分は今と違ってよかった!」ってことじゃないのかな。
 昨日はホント寒かった。電車待ちで駅のホームにいたら、10分間で体調が狂ってしまった。帰宅後、何もする気が起こらず、YouTubeでだらだらと短編映画だとか欲しいクルマの試乗動画とかアラビック音楽を聞いて、沈没した。ウツ状態で、かつ寝たきりの半病人みたい。ビーズクッションは快適なポジションと柔らかさがある。クッションに包まれてぐったりしていると、人間、怠惰になります。

 8時間半の爆睡で目が覚めた12月6日。起きたとき、一瞬自分がどこにいるのか、わからなかった(自室のロフトベッドに決まっとる)。まだ18歳の童貞時代、「夜も遅くなったので泊まっていけば?」と女性から言われて投宿し、目が覚めて「ここはどこ?」と一瞬焦ったことを思い出す(笑)。
 昼イチ、図書館へ本を返却をしに家を出た。これで最低目標歩数5千歩は確保できる。
 歩いていたら、近所の知り合いのお婆さんに遇った。一時期腰を傷めてそれこそ寝たきり状態だったのに、杖はついているもののしっかり歩いていらっしゃる。よかった!
 というのも打算があって、かれこれ2年前、お墓の話題で立ち話をした際、彼女の同級生が光則寺(わたし的には名刹だと思う)のご住職ということを聞き及び、「よかったらご住職を紹介願えないか」と頼んだのだった。
 光則寺には瀟洒な共同墓碑が建っている。少しの骨を埋葬するようだが、基本的には亡くなった人間の名前が石碑に彫られるだけで、あとは親戚が来ようか来まいがなにもしなくてよし、といういたって簡素な墓だ。
 私がそうお願いすると、彼女も「実は私もあの墓でいいと思っていて権利を買っておきたい」と。
 本日、せっかくここで出会えたのだから、とその話を彼女に振った。
「一緒に相談しに行こう」ということになった。
 光則寺は代々の飼い猫3匹と犬2頭も眠っている。私も死後にここでお世話になる、というのは案外と自然な流れのような気がする。
 散骨とか樹木葬とかも後腐れはないし、それはそれで自分にふさわしい。が、友人やら新聞のチラシなどから費用が20〜40万円くらいかかるそうで、死者ビジネスっぽい。共同石碑でも同じくらいだろうが、永代供養になるのでいいか、と。
 半分口から出任せだったが、「生きている間に自分が入るお墓が決まったら、逆に頑張れそうな気がするんです」と彼女に言ったら、そうね同感、と言われた。こうやって自分の考えをひとに話していると、自分の知らない一面が見え隠れして面白い。
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