雨はやんだが

2日目　朝方まで降った雨はなんとか止んだものの、山の上は濃いガスに閉ざされている。森の材が乾くまでしばし海岸付近の低地で採集。前回は時期が遅く間に合わなかったKトラカミキリの発生地へ出かけてみたが、マルバニッケイの花はつぼみのまま。海からの風が強いので慌てて出てきたKトラでも落ちないかと風裏をビーティングするが、落ちてきたのはよく似たヤツばかり。しょうがなく少しだけ材を伐って持ち帰ることにした（よく似たヤツばかり出て来たらどうしよう）。
午後から山に入るが、どうしたことか虫の姿は少ない。予想を裏切ってわずかな成虫越冬組は手足の欠けたボロ個体、初夏に出てくるはずのムシたちはまだ出そろっていない。ここはもう夜戦に一縷の望みを託すほかない。日が落ちて森の底に闇が忍び寄る頃、灯火屋台をセットし森の底深く潜り込む。さすがに昼間と違って虫たちの姿は多いのだが、目新しいものはごくわずか。かろうじて倒木の下面を寝転がるように探索していくつか面白そうな甲虫たちをつまむ。裸眼ではさっぱりわからないので帰ってからビノ覗くのが楽しみである。