葉山と逗子を歩く

　5月6日土曜日。
　朝イチで車検予約の大型ガソリンスタンドに電話を入れた。明日入庫予定なのだが、今夜から明日にかけては雨の予報なので、今日に変更したい。GSは辺鄙なロケーションで、逗子か東逗子駅からバス便はあるのだが、地図で見ると東逗子まで歩いて行けそうだ。代車は既に断っている。予約変更、OK!となった。
　本日も鎌倉図書館へ。戦前のプロレタリア作家を今、追っかけていて、県内の図書館に目的の本があれば借り出せるので、昨夜、リストアップしておいた。図書館は社会教育と知の共有を目的とした公共機関なので、在野にとってはたいへんありがたい。来週中ごろには読めそうだ。
　昼食後、クルマで葉山の大型GSへ。逗子から葉山一帯は結構クルマが走っていた。たぶん今日がゴールデンウィーク最後の賑わいとなるのだろう。
　GSの受付で簡単な手続き後、クルマを預けて歩いて出た。向かいには（私は知らなかったのだが）有名な「道の駅」がある。入ってみたら、観光客でごった返していた。有名な牧場ソフトクリームや絶品プリン、葉山の高級パン、そして地元の野菜etc.皆さん、目が血走っているような状態で、狭い通路なのに家族が群れていたり、はしゃいでいたり。なんとなくシラけた気分だが、せっかく来たのだからといういじましい考えから、美味しそうなパンと、ロールケーキの切れ端をパック詰めにしたものを買った。
　さあ、これから歩いて東逗子駅だ。Googleマップを昨夜印刷し、徒歩経路を赤ペンで塗りつぶしておいた。
　が、Googleマップは基本、高低差が書かれていない。いったん山を登り、登り切ったら今度は下るようだ。念のため、道半ばで地元住民らしき人に駅までの道順を尋ねた。経路図は合っているようだ。
　バス道を通らず、桜山公園とは名ばかりの丘陵地の獣道を一歩一歩、下った。イノシシ注意の立て看があったが、草ぼうぼうの登山道を見るとマムシが出てきそう。
　誰ひとりとして歩いていない。地元民はわざわざこんな悪路を散歩しないだろうし、観光客が来るとも到底思えない。マスコミやネットの美味しいもの情報を頼りとした消費行動が観光であるのだから。
　意外と東逗子駅までは近かった。道の駅を出て正味35分くらい。イノシシも蛇も会わなかった。が、野鳥が結構飛び回っていて、このような快晴の休日に鳥の囀りを聞けるシチュエーションっていいもんだ、と思った。我が家の裏は野鳥のサンクチュアリだけど、普段は身近過ぎてあまり意識しない。
　いつまで歩くのが苦にならないのだろう？
　いつまでクルマの運転ができるのだろう？
　ともあれ今年は充実したゴールデンウィークになった。