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2022年12月17日22:07

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迷宮入り事件を解く鍵はあるのか【20年目となった長野カップル変死事件・判明した事実 その2】

■それぞれの複雑な関係■

被害男性周囲の黒い噂について述べる前に、2人はそれぞれ複雑な関係があった。桃井さんが当時住んでいたのは東京のアパートで、彼女には同居している男性がいた。なお、この男性は未だに事件について沈黙している。

一方、酒井さんも付き合っていた彼女と別れたばかりの状況の中、平成14(2002)年頃から交際が始まっていた。

■被害男性の周囲■

ここで中古車販売を手掛ける酒井さんについて。彼は電気工の見習いとして働いていたものの、平成13(2001)年頃から知り合いと中古車販売店のサイドビジネスを行なった。

彼の知り合いたちによると、実はアパートの隣人のA氏からマルチ商法を持ちかけられ、酒井さんは金策に走っていた。この間、酒井さんはA氏とその仲間とよく出歩く事が多くなったという。事件の数か月前に80万円を貸し、9月末に完済する予定としているが(つまり、事件発生の10日程前)、借用書に記された名前の人物は聞き覚えの無い男性の名前だっただけでなく、酒井さんの死後に調べたところでも、存在しない名前だったらしい。

なお、このA氏だが、知人とアパートで同居していたという情報もある。

また不可解なメモが見つかった。ほぼ正三角形で、それぞれの角に、サ、車、客と書かれていた。サはサイドビジネスと書かれていた。更にこのA氏と借用書の筆跡が一致したのである。

無理心中と塩尻署は強調していたが、それなりに容疑者を追っていた。塩尻署によれば、A氏の仲間で1人、事件発生後に忽然と姿を消した人物がいた。この人物は表向き大手メーカー勤務となっていたが、現実には無職同然であり、腕に刺青をしていたという。但し決定的な証拠がなく、突っ込んだ捜査には至らなかった。

また酒井さんが居酒屋で顔見知りになった知り合いから「桃井さんとやらせろ」と頻りにせがまれていたらしい。この男は10月11日にも酒井さんに電話していた事が分かっている。桃井さんは

「わたしの東京にいる知り合いにはもっと怖い男の人が多いからと言えば良いわ。」

と酒井さんに伝え、桃井さんがこう言っていると、男は電話を切ったという。

そして翌日、事件が起きた・・・。

時は流れ、平成22(2010)年。

事件捜査系テレビ番組がA氏への単独インタビューに成功した。
A氏は80万円の借用書を書いたのも、不可解なメモを書いたのも自分で、更に事件発生日、彼はアリバイの偽装工作をある人物に頼んでいたと番組内で述べた。21時ごろ一緒に出掛けた事にしてくれ、という内容だった。アリバイ偽装の理由について当時は妻子がいたので、風俗店に行っていた事を知られると体裁が悪いので、頼んだのであって、事件への関与ではないと述べている。

なお同番組では塩尻署に本件の捜査はどうなっているのかと問いかけると、18人体制で捜査は継続中だという返答があった。

■蓋然性の追及■

事件発生後、様々な事が出て来たが、最も疑わしいのは矢張りA氏ではないかと考えられる。アリバイ工作を頼んだ人物とは同居していた知人だったのかもしれない。そして本当に風俗に行ったのか。勿論県警、塩尻署はA氏に事情聴取を3回も行なっている。しかし2人の変死に直接的な関与はないので、逮捕出来なかったのだろう。とはいえ、間接的な関与はあった可能性は否定出来ず、何か知っているのではないか。

そもそも酒井さんの知り合いの話では、酒井さんの中古車販売業自体、正規のルートではないとしている。このあたりにもA氏のような人物につけ入る隙を与えてしまったのかもしれない。事件が20年目となり、更に塩尻署も漸く問い詰めて答えたほどなので、なかなか表に出てこない情報もまだありそうだ。

そこで限られた情報から蓋然性の追及を試みると、矢張り無理心中に見せかけた、計画的な殺人だったと考えざるを得ない。殺害状況はこのような感じだ。

▼A氏と酒井さんは金銭絡みでトラブルとなった。

▼A氏は話合いでは解決出来ないと判断した。

▼桃井さんは酒井さんとA氏が何をもめているか、かなりの程度知っていた。

▼警察に桃井さんから色々と喋られると厄介なので、解決は無理だと悟ったA氏は2人が一緒にいるところを襲い、無理心中に見せかけて殺害をして来いと仲間に命じた。

▼2人は酒井さんの住んでいるアパートで殺害された。→殺害現場がアパートだからこそサッシに花束が置かれていた。

▼実行犯は彼のクルマに2人の遺体を乗せ、無理心中に見せかけた。

後はご想像にお任せしたい。

このようなところではないだろうか。なぜ2人とも殺害され、あのような無残な遺体の状況でなければならなかったのか。酒井さんだけ、桃井さんだけであれば、2人いるところを襲う必要は全くない。寧ろリスクが高過ぎだ。にも拘らず、2人とも亡くなった。この疑問は2人でなければならなかったからではないか。そう考えると、あの事件の日、恐らくA氏は風俗に行っていない。A氏は矢張り事件に関与した可能性が濃厚だ。

アパートが殺害現場であれば、直ぐに分かるだろうと誰もが考えがちだ。幾ら何でも警察はそこまで手抜かりをするだろうかと。

では次の事例はどうか。

実際、以前も採り上げた大阪府西成区で経済的に困窮した、路上生活者のケアをしていた看護師の矢島 祥子さんが木津川河口付近で水死体で発見された事件。彼女が生前独り暮らしをしていたアパートをご両親が訪れると、別段何も荒らされたものも無く、盗られたものも無いが、決定的に不可解な、あることに気づいた。

埃が何一つ無かったのである。

テレビ、パソコンだけでなく、本棚の上、鴨居の上・・・何一つ埃が無いのだ。幾ら祥子さんが几帳面な性格だったとしても、このようなことはあり得ない。

更に後の警察の現場検証でも指紋は全く検出されなかったという。勿論祥子さんの指紋もだ。このような事は暴力団関係者であれば、十分可能である。

話を二人の変死事件に戻そう。

驚くべき話だが、酒井さんの遺族が田中康夫長野県知事に署名を提出する際、力を貸した弁護士によれば、事件後1か月も経って漸く酒井さんのアパートの実況見分を軽くやっただけだったという。今更の話ではあるが、ここを最初から調べていれば、間違いなく結果は違ったはずである。実行犯に暴力団関係者が一人でもいれば、鍵師がいて、その人間を使ってアパートを開けさせ、血痕、指紋等を隠滅することはそれほど難しい話ではない。現に矢島祥子さん変死事件でもそれは明らかである。

何しろ隣の部屋はA氏なのだ。

とは申せ、塩尻署も無理心中という見解を発表しつつも、実際のところは捜査してくれていたのである。その特別番組から10年になるが、今も継続しているのではないかと地元の方から情報を頂いた。

20年にもなろうというのに、未だに全貌が見えて来ない・・・。

一日も早く真相解明される事を期待している。

このような不気味な事件は二度と起きて欲しくないという共通の願いに近づくために。

最後まで御覧頂きまして、ありがとうございました。

(了)

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