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2022年08月02日14:55

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鋼鉄の叫び@読書感想文

 職場の先輩からお薦めいただいた書を読了。太平洋戦争の特攻の話が核になっている。
 死んだ父が言っていた。
「日本はまた戦争をして再び負けるだろう」
 父は正しく、今やそれが現実となっている。今のそれが経済戦争ならば再び日本が負けている。

 日本は開闢以来負け知らずは嘘だが、維新後は負け知らずで先の戦争で初めて負けた。アメリカも負け知らずだったがベトナム戦争で初めて負けた。これで日米両国が同じ土俵に立ったのかと思われたが違った。負けに対する反省の度合いが違う。
 アメリカは負けた事に対し組織論やら何やら細部にわたって分析している。日本は未だに精神論が立つ。精神で勝てるのならば先の大戦では負けなかった。

 ちなみに今、職場にベトナム人が大勢いる。ベトナムはかつて日本が勝とうとしていた方向で勝った。大戦時の日本の軍部は戦争が長引けばアメリカの国内世論は嫌戦し講和に応じるだろうと。ベトナム戦争はアメリカ国内世論の嫌戦が大きい。
 ベトナムは建国の父ホーチミンが凄く良い人だから、とても良い国だという印象な人も多かろう。だが民主度は最低ランクだ。日本も民主度は低かろうと思ったら最高ランクである。この民主度を測る指標は当たり前の事を計測しているに過ぎない。つまりベトナムでは当たり前の事が実施されていない。
 昔、アフリカのそんな土地を旅した事がある。警官がワイロを求める。武装しているから逆らえない。貧乏なフリをして値切る事しかできない。ベトナムもそんなんだろう。そういう情報もある。

 そういう土地での合理的行動としては罰せられないならばなんでもやる、罰せられるならやらない、というものだ。善意とかをさしはさむ余裕はない。とはいえ職場のベトナム人を見ると善意はある。これは人間の本能的なもので政府がどうのという話ではないのだ。
 ところで企業はどうだ?企業内に民主主義はなく封建主義が蔓延っている。これは洋の東西を問わないようでアメリカのデヴィッドグレーバー氏が指摘している。

 話は戻って太平洋戦争時の日米のパイロットの運用だが、日本は月月火水木金金で挙げ句の果てに特攻だが、アメリカは3日の航空勤務に1日の休日が義務付けられていた。
 孫子の兵法の「敵を知り己を知れば百戦危うからず」は誰でも知っているだろう。米軍は正に真珠湾攻撃の直後から日本研究を開始した。日本は逆に開戦前からたとえば山本五十六元帥はアメリカに勝てない事を知っていた。開戦後思考停止した。このような致命的な誤りが何故発生するのか?日本人はもう少し己を知らなければならない。

 日本人の善意を基点にした性善説に基づく社会は海外からも賞賛されているのは事実だろう。だとしたらこれは護りたい事象だ。これを維持した上で現代資本主義の合理的な攻撃にどう対処するのか?
 本書が結論づけているのは闘いではない。相手の立場も慮れば自ずから解答が得られる。というハッピーエンドだが、これは誰にでも難しいところだろう。なにしろ現代の状況は複雑怪奇である。だが解答は必ずある!そう信じなければならない。それは専門家に任せちゃいけない。我々ひとりひとりがその解答を追い求めねばならない。

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