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2022年06月01日21:15

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5/30 スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち@東京都美術館

特別鑑賞会に当選して、行ってきました。

https://www.tobikan.jp/exhibition/2022_scotland.html
https://greats2022.jp/
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スコットランド国立美術館は、上質で幅広い、世界でも指折りの西洋絵画コレクションを有する美の殿堂です。1859年の開館以来、購入や地元名士たちの寄贈や寄託などによってコレクションの拡充を続け、世界最高峰の美術館の一つとなりました。本展は、そのようなスコットランドが誇る至宝の中から、ラファエロ、エル・グレコ、ベラスケス、レンブラント、ブーシェ、スーラ、ルノワールなど、ルネサンス期から19世紀後半までの西洋絵画史を彩る巨匠たちの作品を展示します。さらに、同館を特徴づけるゲインズバラ、レノルズ、ターナー、ミレイといったイングランド出身の画家に加え、日本ではなかなか見ることのできないレイバーン、ラムジー、グラントなどスコットランド出身の代表的な画家たちの名品も多数出品。油彩画・水彩画・素描約90点を通じ、西洋美術の流れとともに、ヨーロッパ大陸と英国との文化交流から、英国美術がはぐくまれた様子を紹介する機会にもなることでしょう。
美術史に輝く巨匠(THE GREATS)たちの競演をお楽しみください。


プロローグースコットランド国立美術館

1 ルネサンス
パルミジャーノ《聖母子》画像なし
素描なれど精緻で美しい。聖母子の身体が美しいS字曲線を描く。

ボルドーネ《化粧をするヴェネツィア女性たち》
1510年に高級娼婦を描いた絵が爆発的に流行したらしい。鏡と櫛はヴィーナスの象徴、香油はマグダラのマリアを示唆。
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コレッジョ(アントニオ・アッレーグリ)《美徳の寓意(未完)》
見事に中心部だけ抜けたようになっている未完の作品。こういう工程で描かれるのか、という興味ももちろん、完成した姿を想像する楽しみも。
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エル・グレコ《祝福するキリスト(「世界の救い主」)》
真正面でキリストと目が合う。左手を当てているのは、世界を示す水晶玉。白のハイライトが揺らめく照明効果。やはりエル・グレコは他に類を見ない。
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2バロック
エルスハイマー《聖ステパルの石打ち》
すごく小さい絵に精緻に描き込み。すごい!とうなる。病気持ちなのにこんな時間がかかる制作を続けたがために、貧しいまま32歳で没。この展覧会で一番印象的だった作品。
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ベラスケス《卵を料理する老婆》
こうした厨房画のことを「ボデゴン」という。油に落とした卵の白身、調理用具、老婆の被るスカーフ…それぞれの質感の描き分けの見事さ、18〜19歳で描いたというベラスケスの天才ぶりが遺憾なく発揮されている絵で、展覧会のメインビジュアルとなっている。でも、私は↑のエルスハイマーの方がいい。
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グイド・レーニ《モーセとファラオの冠》
油彩だけれど、彩度を落としたパステル調のやわらかな色合いがかえって新鮮。
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レンブラント《ベッドの中の女性》
聖書の中にある話だそうだが…過去7度も結婚初夜に夫を悪魔に殺されているサラだが8人目の夫が悪魔を追い払う。絵は、その様子をサラが見守っている場面。驚愕の物語だわ!
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ルーベンス《頭部習作(聖アンブロジウス)》
やっぱり上手い!頭髪の感じ、こめかみのあたり、これが習作だなんて。
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このほかにも、グエルチーノ、ヤン・ステーン、ヴァン・ダイク、クロード・ロランなど巨匠たちの作品が続く。

3 グランド・ツアーの時代
ヴァトー《ツバメの巣泥棒》
恋人たちが囁く甘〜い絵だと思ったが、男は燕の巣を取ってきて恋人に見せている。「ほら、雛が口開けて鳴いてるよ」恋人も「燕の赤ちゃん、かわいいー」って。なんと残酷で罪深き若者よ!雛があまりにもかわいそう。

プーシェ 《田園の風景》
もともと独立した作品だったのが、ひと揃いとして、パリのとある邸宅に飾られていた。とても大きな作品、一体どんだけの豪邸?!いかにもロココ調のラブリーな絵。
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右「眠る女庭師」では黒白猫を抱いている。
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ゲインズバラ《ノーマン・コートのセリーナ・シスルウェイトの肖像》
素早い筆致なのに質感を見事に描き分けている。背景が森の中。
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レノルズ《ウォルドグレイヴ家の貴婦人たち》
刺繍をするセレブ姉妹。三美神にたとえて描く。
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4 19世紀の開拓者たち
グラント《アン・エミリー・ソフィア・グラント(“デイジー”・グラント)》
結婚直前の愛娘を描いたもの。聡明で美しい自慢の娘。
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ウィルキー《結婚式の日に身支度をする花嫁》
「家政婦は見た」がいる…風俗画って面白い
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マーティン《マクベス》
荒れ狂う空と山々が渦を巻くように、マクベスとバンクォーへと視線を誘導する。魔女3人の奇妙な格好。壮大な風景、ドラマティック。
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ここで、コンスタブル《デダムの谷》とターナー《トンブリッジ、ソマー・ヒル》がドンと並ぶのは圧巻の演出。「コンスタブル展」を思い出す。

ミレイ《「古来比類なき甘美な瞳」》
プロモデルを使ったそうだが、裕福とは言えない身なりの少女、摘んだのはすみれの花、タイトルがやや不釣り合いな…。
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モリゾ《庭にいる女性と子ども》
やはり印象派にたどり着くとホッとする。母子の何気ない日常、仕草、緑が美しい。
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モネ《エプト川沿のポプラ並木》
ポプラ並木のシリーズの中でもいい作品だ。
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エピローグ
フレデリック・エドウィン・チャーチ《アメリカ側から見たナイアガラの滝》
大きな作品。左の崖の展望台から眺める人の大きさからナイアガラの滝の壮大さがわかる。
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これは、つましいスコットランド人がアメリカで成功し母国への感謝の気持ちを込めて美術館へ寄贈した絵として、本展のエピローグを飾っている。
スコットランド国立美術館は、地元名士たちの寄贈や寄託を多く受けているという。最後のビデオでは、カラムという大富豪が、愛犬の絵を永久展示してくれることと、自分の没後犬の面倒を見ることを条件として、莫大な寄付をしたと紹介していた。

7月3日まで

こうして、コロナ禍にありながらも今年前半には、メトロポリタン美術館展(西洋絵画の500年)、ドレスデン国立古典絵画館展(フェルメールと17世紀オランダ絵画)とこのスコットランド国立美術館展(美の巨人たち)を見ることができたのはなんとも有難いことでした。
個人的には、メトロポリタン美術館展がダントツによかった。
7月には、2年延長になったボストン美術館展が控えているので、これも楽しみです。





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