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2020年06月09日02:25

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映画『ポップスター』作品レビュー

※【ネタバレ有り】未鑑賞の方は、鑑賞後にお読みください。

 2ヶ月ぶりの封切り作品です。それにしてはTOHOシネマズ日比谷は、人が少なかったですね。

 本作は、パート1〜2とエピローグの3部仕立て。壮絶なトラウマを抱えるポップスターの光と闇を描いた衝撃作として、銃乱射事件から生き延びて人気歌手としてのチャンスを掴んだ主人公の感動的なサクセスストーリーを期待していました・けれども、感動の要素は皆無。人気歌手として成功を掴んだ後の主人公のタカビーな裏面ばかり見せつけられて、何を見せたかったのかさっぱりわからないまま、あ〜あという感じで、映画館を去ることになった次第です(^^ゞ『ジュディ 虹の彼方に』や『アリー/ スター誕生』とはえらい違いでした。

 物語は2000年のある日。セレステ(ナタリー・ポートマン)と姉のエレノア(ステイシー・マーティン)という2人の姉妹が通う学校でクラスメートが銃乱射事件を起こしたのです。2人は辛うじて難を逃れることができたが、重傷を負ったセレステの心には、その凄惨な光景はトラウマを残すこととなったのです。

 その後の犠牲者の追悼式典でエレノアが作った追悼曲を、2人で歌を披露したところ、その素晴らしさに聴衆は感動。傷ついた人々の心に一時の平安をもたらしたのでした。
2人のパフォーマンスは全米の注目を集め、セレステは敏腕プロデューサー(ジュード・ロウ)に認められ新進スターへと上り詰めることに。セレステよりも音楽の才能があったのに、姉のエレノアは、何故かセレステをサポートする側に廻り、作曲から身の回りの世話をするなどふたりの生き様が大きく違っていくところまでが、パート1の内容でした。

 そしてパート2ではそれから18年の時が流れていました。31歳になったセレステはスターとして健在でしたが、スキャンダルとゴシップの絶えない生活を送っており、彼女の精神状態はボロボロになっていたのです。いつの間にか一児の母となっていて、その娘のアルベルティーネ(ラフィー・キャシディ・10代の頃のセレステと二役)との関係も悪化の一途を辿っていました。しかし、セレステはスターであり続けることに固執しており、生まれ故郷でのスペシャルライブとニューアルバムの製作に力を注いでいたのでした。

 そんな折、クロアチアで銃乱射事件が発生したとのニュースが飛び込んできました。犯人はセレステのヒット曲のMVで使用された覆面を着用していたのだというのです。そのニュースはセレステのトラウマを呼び覚ますには十分なものでした。

 最後のエピローグでは、スペシャルライブを中心にセレステのパフォーマンスを見せつけられます。ここだけ見るなら感動するでしょうけれど、その直前のパート2では、彼女の醜い裏面を見せつけられていたので、その輝くばかりのパフォーマンスに全く共感できませんでした。何しろ、追いかけてくるハパラッチやマスコミには悪態をつくし、自分に尽くしてきて、娘の養育まで任せてきた姉のエレノアには、感謝の言葉もなく罵倒するばかりだし、それなのに娘には、いっちょ前に母親らしく、口うるさく指図し、男を近づけまいと説教するのです。自分の男性関係での失敗を棚に上げて。トドメは、スペシャルライブの直前にプロデューサーに頼んで麻薬に手を出し、へべれけになってしまっていたことです。

 そんな彼女の裏目が何もなかったかのように、ステージに上がると別人と化して、ポップスタートして役割を演じきってしまう虚像には、嫌悪感しか抱けませんでした。
 けれどもそれが演出上の狙いであったら、ナタリー・ポートマンの演技は、やっぱり凄かったのだろうと思います。
https://gaga.ne.jp/popstar/
※2020年6月5日(金)公開


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