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2020年04月02日02:30

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40男の風疹検査をする理由

 ひょっとしてあまり知られていないかも知れないけれども、公的事業として「40歳代の男性の風疹抗体価を調べて、抗体がなかった場合には予防接種をうつ」という制度がある。もちろん検査費用も接種費用も地方自治体が負担してくれる。
 で、もちろんうちでもこれを委嘱されてやっているのだけれども、やってくる男性は「なんで?」と思っている人が多い。昨日も「なんで注射しなければならないのか?」と聞いてきた男性がいた。
 そもそも風疹は三日ばしかという異名があるとおり、三日だけ発疹(赤いぶつぶつ)が出来てちょっと熱が出て目が赤っぽくなるだけでそれほどしんどい病気ではない。
 なのになぜ、中学二年生の女子に予防接種をしていたかというと、「妊婦さんが風疹に罹ると子供に先天性の疾患が起こる」からなのだ。妊婦さんが妊娠中に麻疹(はしか)、おたふくかぜ、水痘(水ぼうそう)に罹ってもしんどいだけでそれが原因で子供に先天性の疾患が起こることはない。
 でも、風疹だけはそれが起こるのだ。そして「中学二年生ならまあ、妊娠はしていないだろう」ということで中学校で集団接種をしていたのだ。
 ちなみに、現在はMRワクチンといって麻疹と風疹の混合ワクチンを1歳と6歳のときにするから多くの子供から青年は基本的にこれらの抗体を持っている。
 で、なんで男性だけなのかというと、実は十数年ほど前までは「中学二年生の女子だけに風疹単独ワクチンを接種していた」からなのだ。だから40台の男性は風疹の予防接種を受ける機会がほとんどなかったのだ。
 でも40歳代というと、子供ももう大きいだろうし、奥さんもそれくらいだろうから今更、と思う人が多い。
 違うのだ。問題はあんたの家族だけではないのだ。もしもあんたが風疹に罹ってあまり気にせずに電車に乗って隣の席に妊婦さんがいたらどうするのだ?現在のコロナ騒ぎもそうだけれども、いつの間にか加害者になっているのだ。
 僕はこれを中学生の頃から知っていた。いや、医学知識からではなくとあるミステリからなのだ。ネタバレを避けるために題名は言わないけれども、ある作品で有名女優の開催したパーティーで老婦人が殺される。ところがどんなに調べてもその善良な婦人には敵もいなければ彼女を殺すような動機がある人間もいない。ではなぜ誰が?ということになって意外な犯人と動機が判るのだけれども、当時はかなりショッキングだった。
 40歳代の抗体検査も予防接種もしていない男性たち全員に映画化されたこの作品を見せてやりたいものだ。



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