殴り合いをする夢を見た。いや、正確には一方的にボコリまくられるという厭な夢だった。そしてその相手の男というのが、驚いたことに若いころの自分だったのだ。異様なほど赤くギラついた眼をしたその男を前に、僕は防戦一方どころか滅多打ちにされてしまった。・・・それはリング上での殴り合いの夢なんかではなく、ストリート上での殴り合いの夢だった。
なんとか、せめて一発だけでも得意のアッパーカットを浴びせて形勢逆転を図ろうとした僕だったが、逆に顎を抉るようなアッパーカットを見舞われ、僕は堪らず路上に崩れ堕ちた。
その若いころの僕とそっくりの “狂犬”が、去り際に、吐き捨てるような感じで僕に言葉を浴びせかけた。
「この俺を、そんなにだらしないお前にしゃがって、このカスが!」と。
・・・本当につらい夢だった。
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