心学「仁」
仁は大きく捉え難い心であるが、この仁によって世の中は安寧になる。仁が欠ければ争いは絶えない。全ての悪事はこの仁が欠けることから始まる。悪を憎むことも仁、ただし、悪を憎むがその本人の心を憎むことはない。その人間の本性を重んじることも仁である。仁とは人を思いやり敬う心。
仁とは一切を包容する分け隔てない心である。 仁であってはじめて是を是とし、非を非とできる。 ただし、是非どちらであろうがその根本は心の包容である。
是を是とし、非を非とした上で全てを受け入れて包容するのである。 これは単に全てを許すこととは大きく異なる。 受け入れるというのは自分が非と判断したものを単に許すということではない。
非とするからにはその対象を変えずにはいられないのは当然のことである。 受け入れるからこそ自分が非とするものと徹底的に戦うことができる。
この是非が明らかになってはじめて人に進歩向上がなる。 四書五経「大学」には「唯仁人のみ能く人を愛し、能く人を悪むと為す」とあり、 孔子は「己に克ち、礼に復るを仁と為す」という。 儒学における修身は仁によって成る。
王陽明の提唱する良知心学もまた仁である。 医は「仁術の仁」もこの仁をいう。医学の仁は無料にすることではなく、患者への思いやりが中心であり、経営や利益を考えることではない。
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円 純庵オフィシャルブログ「心を円やかに」
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