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2019年01月23日00:54

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古語辞典を読んでみる

 午前中、近所の病院へ定期的な薬の処方目的で通院。胃潰瘍の防止薬と睡眠薬。
 その足で、というか自転車で寒風吹きすさぶなか、ブックオフへ行く。韓国の旅行ガイドとかトルストイの文庫など4冊を買った。昨日は昨日で、堆肥をもらいにリサイクルセンターへクルマで行き、帰りにブックオフに立ち寄ったので、2日連続になってしまった。
 高校の恩師から今月号の歌誌が先週末に届き、すぐに感想文を書こうと思ったのだが、3日が経ってしまった。新年の歌会で先生が「文語で新仮名、口語で旧仮名のような、ちゃらんぽらんな人は否定しないけど勝手にやって下さい」と挨拶して、先生の辛辣さは今年も健在、という報告が載っていた。先生は私が在校していた45年前も厳しい性格だったが、ますます怖くなっていそう。
 昼ごはんを食べたあと、『例解古語辞典』(三省堂)の巻末付録にある「和歌の表現と解釈」という解説を読んだ。古語辞典にはたいてい勉学意欲のある読者を対象に古典入門というべき解説が付いていて、世評高い『例解古語辞典』なんてそれが100ページも載っている。ページあたりの字数が多いので、これだけで一般的な学習書1冊の分量だ。この辞書は6名の執筆者が執筆されているのだが、中の一人森野宗明さんは高校時代「大学受験ラジオ講座」で毎週1回講義をされていて、私は2年半にわたって毎週、聴講していたので、一方的な片想いに似た親しみがある。
 話が脱線してしまった。小松英雄氏による「和歌の表現と解釈」を読んで、頭に少し栄養分を補給できた。小松氏は編著者主幹者として辞書の冒頭の「序」も執筆されているのだが、その中で古典がただの口語訳解釈になってしまい、作品固有の解釈から離れている、という厳しい指摘をされている。誰もが知っている「枕草子」を例に、「冬はつとめて」というくだりを引いて、つとめて=早朝、と現代語に等価して「冬は早朝(が素晴らしい)」などと解釈する口語万能主義を批判している。
「つとめて」という古語の定訳は早朝であるが、早朝は早朝でも人びとが起き出して日常生活を開始する短い時間帯を指し示す言葉であって、動的レヴェルの理解に基づく表現の解釈をしない限り歪曲した理解になってしまう、と厳しい説教を辞書の冒頭で説諭している。古語辞典を使うのは高校生が多いはずだが、こういう苦言はビビるだろうな。
 古語辞典を1時間くらい読んでから、ネットでニュースを見たら、Wikipedia等からの転載が話題の右翼作家を擁護する幻冬舎のシャチョーさんが話題になっていた。
<そもそも、Wikipediaそのものが多くの文献や資料、説や伝聞をまとめたもの。いわば事典のようなものですよね。歴史的作品を書く人は意識的にせよ、無意識的にせよ、参考にするでしょう。そういうことや知識を得るためにWikipediaはあるんじゃないの?>
 10分前まで読んでいた辞書の編著者と大きく違っている。ウィキペディアやヤフー知恵袋から何十箇所も引用する著者を擁護したいわけだろうが、こういう執筆がまかり通るし、売れる時代というのは、少なくとも私にとっては地獄だ。悪い意味でのパラダイムシフトで、疎外感さえ覚えてしまう。しかし、「時代と寝る」のが上手いビジネスパーソンが世の中を制する。世の哀しい理だ。

 テレビ中継でバーレン対韓国戦を見た。日本がもし決勝まで勝ち進めば、あちらとトーナメントは韓国だろうな。圧倒的な強さはないのだが、実力はアジアで最強だと見た。
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