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2019年01月12日02:21

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水滸伝 読中感想文

 はなから読破するつもりはない。主役108人、全5巻の長編である。
 図書館で本を探して、どうにも面白そうな本が見つからず、たまたま手に取った本書を開いた場所の漢詩がいたく気に入った。

在世為人保七旬
何労日夜弄精神
世事到頭終有尽
浮花過眼総非真
貧窮富貴天之命
事業功名隙裏塵
得便宣処休歓喜
遠在児孫近在身

世に在りて人と為り 七旬を保つ
何ぞ労せん 日夜に精神を弄するを
世事 到頭 終に尽くる有り
浮花 眼を過ぐるがごとく 総べて真に非ず
貧窮冨貴は天の命にして
事業功名は隙裏の塵なり
便宣を得る処も 歓喜する休かれ
遠くは児孫に在り 近くは身に在り

この世に生まれて70歳、日夜あくせく ああバカらしい。いつか終わるさ この世のことは。あっというまに すべてパー。貧富の定めは 天のお指図、どえらい手柄も 一瞬の塵。いい目にあっても 喜ぶでない、遅くても子孫 早ければわが身(にきっちり報い)

この訳文は悪くない。


 水滸伝は歌川国芳の展覧会で観ており興味はあった。ここはひとつ触ってみようか。

 中文古文である。大先生にしか訳せない。幸いなのは訳者が女性であることだ。一昨年挫折したドン・キホーテより断然読み易い。外国語古書は売り手相場である。現代外国語の訳者はそれなりの文章力がなければ採用されないが外国語古書はそうではない。

 へんてこりんな訳文が目につく、ドン・キホーテの大先生よりはマシだが老婆先生はカタカナがナウいと思っていらっしゃる。
 詩と詞は原文と書き下し文が併記され、美文といわれる部分は書き下し文が併記されている。訳文は出来る限り斜め読み、あるいは読まずに済む事が望ましい。さもないと水滸伝世界が損なわれる。
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