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2018年06月18日08:53

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タマの日曜日


昨年は採集に出た日が極端に少ない年になった。家庭の事情など自由になり時間が細切れになったしまったことと、採集を予定していた日が天候に恵まれなかったのが主な原因。今年はそんな反省から多少の無理なら採集に出ることにした。たとえ数時間でも許す範囲の採集を心がけ、近場や身近な虫にも目を向けるように心がけている。

土曜日の朝タマタマ、タマ屋さんから電話があり、どこかへ連れていけと。しかし土曜日は仕事で一日抜けられず、日曜日日中は用事もあり、夕方からライトトラップに行く予定とお断りした。日曜日の朝、それでも再度アサヒナ採りたいんだけどと電話が入る。午前中はいろいろな家事、午後には息子の野球の試合の送迎がある。ましてアサヒナだと時期がすでに遅い気がするし、外した場合全く何も採れない場所なので丁寧にお断り。しばらくして多少の無理押しとやりくりで何とか時間が取れそうなことに思い至り、急遽昼前から採集に出ることにした。

近くの駅で待ち合わせると、タマ氏はなんと長竿持ってきてないというタマ屋とは思えない発言。
で、矢作川に行きたいとリクエストをいただく。副産物の期待できない炎天下の河川敷採集はつらいものがあったが、そういえば最近シロヘリさんやふさひげさんの日記にナランダひと山採集というのがあったのを思い出す。二番煎じどころか出がらしになりそうな雲行き。しかしもう一つ以前からずっと放置してきた課題を思い出し、ちょっと頑張ってみるかと気分を切り替えることにした。



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採集地はグランパスの本拠地豊田スタジアム近くの河川敷、市街地に沿った下流域で、90年代後半の調査で5年間通いつめた場所。ナランダ・oobayasiiはホストのオニグルミのある場所も分かっている。長竿をタマ氏に託し、私はビーティングネットで手の届く下枝を叩くと見事に一叩き目から落ちてきた。ひと山欲しいわけでもないのであとはタマ氏に託して河畔林の茂みを叩いて低地の虫を採集してお茶を濁す。


コブの無いヤハズ

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とてもひと山には届かない

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遅めの昼食の後は本日の本命クロケシタマ探し。以前の調査では4か所ほどから記録されているが、いずれも何もない堤防道路の草地。詳細な生態の解明が宿題として残っている。しかし頻繁に車が走り抜ける炎天下の堤防で、ひたすら下草のスイーピングを続けるのは結構つらい作業だ。

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2か所回っても全く採れる気がしない。3か所目は以前の調査で最も記録の多い場所。のり面のメリケンカルカヤからやっと1頭がネットに入る。付近で草刈りされたわずかな面積のノリ面を見つけ、ここが正念場と丁寧に掬い取っていくと、ネットの中に枯れ草の破片や草の実に混じっていくつかの黒いタマムシを見出すことができた。なんとか生態写真を撮ろうと地面に顔をつけるほど近づけて観察するが見つからない。少なくとも葉先には見当たらないので根際付近に潜んでいるようだ。一株ごと根際にネットを押し付けて手の平でビーティングすると、確かに根際付近から落ちてくる。それらしい食痕もあるが、とうとう成虫の姿を見つけることができなかった。一応採集方法はわかったものの、生態の解明は次回の課題としておこう。


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クロケシタマは草原性のムシで河川敷のように洪水で絶えずかく乱が起こる荒れ地環境が本来の生息地となる。近年はダムによって洪水はほとんどなくなり、河川敷は植生の遷移が無くなってしまった。それで絶えず草刈りの行わるような堤防道路が新たな生息地となっているようだ。


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