さすがノイマイヤー!という出来だった。一幕目が少々冗長だったけど。
プレトークではミシェル・ルグランから電話がかかってきて今回のコラボが実現したとか話してたけど、主人公の子供を息子(原作では娘らしい)にしたのは大ヒット!
息子になることで主人公の人生の悲哀、そして喜び、そしてまだ16歳の息子の悩み苦しみ、さらには母親との愛、主人公の妻への愛が凝縮され、感動的なシーンを作っていた。
もう、第二幕は感情と物語が驀進していた。
そして前々からノイマイヤーの作品は狂っていると思っていたが(いい意味で)、その正体は微熱を帯びながら見るおとぎ話のような作品作りにあると思った。
主観から主観へと紡がれる作品作り、まるで古き良き時代のハリウッド映画や、やはり古い時代の美しいディズニー映画など、それが連想されるのは、彼がアメリカ人なのも偶然じゃないだろう。
そこでやはり重要なのは、「微熱を帯びている」というところで、その部分が僕には狂気に見えるのだ。そこがまるでマジック!しかし僕にはまだ正体がつかめない。
そして主観から主観へ紡ぎながら進んでいくストーリーは、どこかでバランスを崩せば破綻する。しかしそれが感情的に観客の目に映る。
さて、来週の「真夏の夜の夢」で、またマジックを見せてもらえるのか。そしてそのマジックの理由を少しは僕も掴むことができるのか。
作品を作る立場のものとしては、無視することができない作劇方法だった。
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