河瀬直美監督の最新作で初の原作もの。樹木希林×永瀬正敏という組合せにもワクワク
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希林さんの実孫である伽羅ちゃんも重要な役柄らしいし。さらに、希林さんの親友役で市原悦子さんも登場
町の小さなどら焼き屋"どら春"で雇われ店長をしているワケありの中年男、千太郎(永瀬正敏)。単調な毎日を送る彼の前に、ある日、求人募集の張り紙を見て働かせてほしいと申し出る老女、徳江(樹木希林)が現われる。彼女の粒あんが絶品だったことから雇ってみたところ、たちまち評判となり、店はみるみる繁盛していくが…。
これは河瀬監督作の中で一番わかりやすく、ビッグネームの起用も手伝ってか商業的にも最も成功しているはず
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と、今作を入れて4本しか観ていないのにおこがましいが、私にはとても響いたし、自分なりの解釈だけどメッセージを受け取ることができたと思う。
それはやっぱり、原作
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ありきというのが大きいと思う。ドリアン助川さんの同名小説が原作なんだけれど、正直、そのインパクトで名前と顔は知っていたものの、彼の音楽
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やラジオなど全く通ってきていないので、こんな小説を書くんだぁ〜と意外だったし驚いた。これはぜひぜひ原作も読みたい
希林さんはファーストシーン、登場してきただけでもうすっかり心を奪われてしまう唯一無二のお方
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何を言うんだろう?どんな表情をするんだろう?と期待感がムクムク湧いて、それを決して裏切らない。空に舞う桜の花びらのようにふわりと現れた優しげな気のいいおばあちゃんに見えた徳江。柔和な表情の裏にはハンセン病患者として、隔離され差別を受け、自由を奪われ続けた過去があったと知って、涙涙。。
対する永瀬さん。ほぼ映画のみで活躍を続けているベテランだけど、そのキャリアに裏付けされたどっしりとした佇まいは圧巻的
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黙々とどら焼きの皮を焼く姿だけで、千太郎という人物が透けて見える。希林さんも永瀬さんもあてがきのようなハマり具合でほんとに感心した。
ワカナ役の伽羅ちゃんもよかったなぁ。4年前の是枝監督作「奇跡」では初々しい美少女って感じだったけど、今作ではもちろん役の違いもあるけど、一味違う。あの歳であの存在感はなかなか。さすが、内田裕也×樹木希林が祖父母、本木雅弘が父という強力なDNAを受け継ぐだけある
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とか言われると本人は不本意かもしれないけど、やっぱりちょっと頭をよぎっちゃう。女優の道に進むのかはわからないけど、また観たいなぁ〜と思わせてくれた
徳江は過酷な人生を送ってきたけれど、決して諦めてはいなかった。他人には到底わからない辛さを抱えてもなお、置かれた状況は不自由でも心は自由で。あん作りの腕のお陰でお客さんを呼び心を和ませることを知り、徳江自身も喜びを得る。そして、徳江と出会ったことで千太郎やワカナも変わっていく。そんな機微をしっかりと感じることのできる素敵な作品だった
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