いよいよ閉館前の円形劇場ラスト公演。ケラさん演出なら、行くしかないでしょう
と意気込んでチケット取り。座席選択で端の席をゲット
体制を変えたりする時に片側に空間があると、お隣に触れて気を逸らせたりする心配がないので、楽なんだよねぇ。特に間に仕切りのない席の場合はこれ重要。
檻から逃げた動物が、毎晩人を噛むという街
通りかかったセールスマンは、人々のコトバの愉快とコトバの不快に翻弄される
ルールはあるのか? それともないのか?
ずれているのはあっちか? こっちか? どちらもか?
人を噛むのはライオン?虎?熊?それとも…何?
作 別役実
演出 ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演 仲村トオル マギー 山崎一 奥菜恵 緒川たまき 池谷のぶえ 犬山イヌコ
いわゆる不条理劇で序盤はちょっと私には難解かしら
なんて身構えていた。でも、状況は突飛ながら登場人物がそれぞれ口にすることはごく普通なんだよね。だけど、会話をすればするほど噛み合わなくなって、モヤモヤ。そして、主人公のセールスマンはどんどん追い込まれていき、悲惨な結末を迎える。じわりじわりと悪意が周りを取り囲んでいき、気づけば身動きが取れなくなる感覚。
初生の仲村さん。いやぁ〜かっこよかったね
背もめっちゃ高くてスマートで、思わずプロフィール調べちゃったよ。身長185cmで今年49歳だって
ぜんっぜん見えない。スーツ姿が素敵すぎて、最前列だったから真ん前に来られてこちらに向いてセリフを言う場面はドギマギしちゃったよ
マギーさん、山崎さん、犬山さんといった盤石の布陣に綺麗どころの奥菜さん、緒川さん。もちろん、綺麗なだけじゃなくて芝居もバッチリよ。そして、なんと言っても池谷さんの怪演
前半に出てこなかったから、どんな役なんだろ
と思っていたら、"ライオン"役。""を付けているのには理由があって、本当はライオンじゃなくて人間なんだよね。で、袋詰めされた状態でのお芝居があって、出てきたら白髪に髭の初老の紳士のような出で立ちなんだけど、違和感なし。その引き付ける力が半端ないっ。何本が出演舞台も観て、毎回すごいなぁと思っていたけど、今回は恐れ入りました、という感じ。
全体としてはブラックで悲劇なんだけど、笑いどころも散りばめられていて、主人公同様、観客も徐々に圧迫されていくという展開にやられた〜。不思議な余韻を残しつつ、いいもの観たなぁという充足感で足取り軽く、寒空も忘れて帰りましたとさ
円形劇場はその名のとおり、舞台を360度ぐるりと囲む客席なので、どこからでも至近距離で観ることができるし、他の劇場にはない空気感と独特の緊張感があったので、なくなってしまうのは本当に残念
と、さも長年通ってるように言ったけれど、観劇リストで確認したら、10本だけだった。初めて行ったのが2010年というのが悔やまれる。渋谷に15年以上もいながら、なぜもっと早く行かなかったんだ
笑
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