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2014年11月25日11:34

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【バレエ】ボリショイ「白鳥の湖」(24日)

待望のボリショイ祭りが開幕した。

たび重なるキャスト変更に、
当初の配役は影もカタチもなくなってしまったが、
(ザハさんだけは寄越してくれ、
と泣きついたのだろうな。(笑))
かつての何が何でも観たい! どうしても観たい!!
絶対観たい!!! という巨星たちももういないことだし、
ここは誰が来てもそれなりに魅せてくれるから大丈夫、
と気にしていなかった。

しいて不安要素を挙げるなら、
本国の醜聞の余波と、
戦力を分散されてしまった派遣チーム、
そして「光藍社か!?」
とツッコミを入れたくなる公演スケジュールか。
...と思っていたら、
そのどれかが的中してしまったらしい。(苦笑)

新国の「眠り」の感想で、
ロシアのバレエ団は「良かった成分」が多いから、
満足感とともに帰宅できる、と記したが、
24日の公演は、もやもやの残る舞台だった。

もやもやのひとつがザハロワさん。
20日よりは良かったらしいが、
前回観た時よりも明らかに出来が良くない。

後半に向けて調子は戻していたし、
美貌とスタイルの良さはもちろん、
さすが! と思う部分も随所にあったが、
一例を挙げると、脚を後ろに伸ばす時が雑で、
動きが美しくないのだ。

ちなみにネットで話題になっている32フェッテはシングル。
入りの音あわせをダブルと勘違いした人がつぶやき、
それに尾ひれがついて、
トリプルにまでなっていたのには笑ってしまった。

それにしても、たしかに見せ場のひとつではあるが、
32フェッテに騒ぎすぎではないだろうか。
一流の踊り手なら、誰でも平然とやってのける技だし、
かつてマーフィーさんはトリプルなど簡単、
と言いつつ4回転していた。(笑)

王子役のロヂキンくんは、これからが楽しみ。
PDDでは気の毒なくらい姫のサポートに慎重で、
オディールの前ではしもべと化していたが、(笑)
ソロパートではのびのびと踊っていた。
急造ペアだから演劇性が希薄、
というのももやもやのひとつだが、
ふたりとも綺麗にはまとめていた。

しかし、ここまで媚びないオディールというのも、
潔くて面白い。(笑)

ロットバルトは、ラントラートフさんが体調不良で降板、
代役はアルテミー・ベリャコフさん。
身長はあるものの細身で経験もまだ少ないからか、
存在感、威圧感には乏しいが、
(キャシディさんはいるだけで怖い。(笑))
跳躍をはじめ、若々しい気持ちの良い踊りをする。
彼にも今後注目したい。

道化のメドヴェージェフさんは、
期待の若手筆頭株というので楽しみにしていたら、
岩田さんの名を出すまでもないどころか、
どこか具合が悪いのではと心配になるほど、
大したことがなかった。もやもや要因のひとつ。

 *彼は評判の若手ではなく、94年卒のベテランでした!

逆に良かったのが、王子の友人2人、
ニクーリナさんとクレトワさん。
中でも上手い方はニクーリナさんだろうか。

ここの儀典長は、あいかわらず無駄に格好いい。(笑)

各国の花嫁候補がキャラダンのリーダーを兼務する、
というのがグリゴロ版の特徴のひとつで、
振付の盛り上がりにやや欠けるものの、
この演出は上手いと思う。
(よそでも採用しているところがある)
一般的なルースカヤの振付ではないが、
ロシアの姫さまがいるのも嬉しい。

今回の5人が妖精をやってくれるのなら、
「眠り」も観てみたかった。
またスペインとポーランドの部下は男性で、
彼らが揃いも揃ってスタイルも良いイケメン揃い。(笑)

しかしお師匠さまいわく、
「私がお后だったら、スペインの姫だけはNG」
ポーランドもですね。(笑)

3羽の白鳥には180cm越えの人がいるらしく、
おそらく中央の彼女だろう。
手足も相応に長く、しかも大きな踊りをする人だから、
まさに大白鳥で迫力満点。(笑)
上手いだけに、組む相手がいなさそうなのが惜しい。

この3羽と4羽には、それぞれ一人だけ、
音の取り方がまったく違う人がいて、
それももやもや原因のひとつだった。
さらに3羽の方は、3人目もまた微妙に違うから、
ばらばら感が強い。4羽はなぜか覇気がないし。

7人とも個々の動きは悪いわけではないだけに、
もったいない。

群舞の足音が意外と大きく、
揃い具合もいまひとつなのも残念ポイント。
これまた個々の踊り手の動きは
さほど悪くないだけに釈然としない。

ボリショイ・オケは、マリ管のように、
バレエ公演にもクラファンが
わざわざ足を運ぶ管弦楽団だが、
にしてはミスが多かった。

それを補ってあまりある演奏ではあったが、
(中でもコンマスのソロが素晴らしかった!)
本来はこの程度ではないのに、と思うと、
やはりもやもや。

そして最大のもやもやは、グリゴロ演出。(笑)
あの救いようのないラストは、なんとも後味が悪い。
造り直せとまでは言わないから、
せめて日本で演る時は旧版にしてほしい。

20日の東京公演のあとは1日空けて22日に愛知、
23日びわ湖と移動日なしの連日だったから、
不調だったダンサーは、旅疲れが出てしまったと思いたい。

前回のマリインスキーも、
後半に向けて調子を上げていったし、
今回の初日は19日の栃木だから、
そろそろ時差も解消していることだろう。
貸し切り公演が入っていなければ、
今日25日と月初は休日となるはずだから、
次は本来のパフォーマンスを期待したい。
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