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2013年09月07日21:49

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あなたはだあれ?

もしかしたらきっかけは「けいおん」だったのかもしれない。
お気楽極楽なバンド・ライフを描いたこのマンガ(アニメ)で取り上げられたそうなのだ。それで今まで聴いたことがないような人たちがまでも注目するようになったということは確かにあるのかもしれない。
「けいおん」で取り上げられたのはザ・フーのドラマーのキース・ムーン。
SCANDALのドラマーRINAもキース・ムーンをネ申だと言っている。1970年のワイト島のライヴ映像をめっちゃ見ているそうだ。

なのでザ・フーがちょっとしたブームになっているようにほんのちょっと感じる。
知り合いのベース少女の高校生もジョン・エントウィッスルをネ申だと言っていた。

ビートルズやローリング・ストーンズと並び称されるほどのビッグネームでありながら日本での知名度は著しく低かった。それがここにきて解消されつつあるようなのは喜ばしい。

ロジャー・ダルトリー:ヴォーカル
ピート・タウンゼンド:ギター、ヴォーカル
ジョン・エントウィッスル:ベース、ヴォーカル
キース・ムーン:ドラムス

という布陣で哲学的な思想性とそれに相反するような暴力的で破壊的なパフォーマンスで名声を得た。後続のパンク・ロッカーたちからもリスペクトされた稀有な存在でもある。
通常のロック・バンドとは異なり、ギターはリズム・ギターに徹し、ベースとドラムが曲をリードするという非常に珍しいスタイル。(全員リード楽器という解釈もある)
しかし、78年にキースが世を去り、03年にはジョンも鬼籍に入ってしまった。
ロジャーとピートの二人だけが残ったザ・フーをザ・フーと呼べるのかどうか、そのことについては私の中で未だ結論は出ていない。

先に述べた1970年のワイト島ライヴは有名なワイト島フェスティバルでのパフォーマンスを収録(写真左)。伝説化されていただけに凄まじいパフォーマンスである。絶好調で叩きまくるキースの印象が強烈。残念なのはジョンがあまり映っていないことか。骸骨のスーツで見た目が強烈なのだが…。古い映像だが意外に綺麗。

1975年のテキサスでのライヴ映像はこの時期の映像が少ないだけに貴重(写真中央)。
映像はブートレッグ並みであまりよくない。定点カメラで撮ったようで、角度的にこれまたジョンがほとんど映っていない。とはいえ、絶頂期のパフォーマンスを見られるのは嬉しい。

ザ・フーのドキュメンタリーとして映画となったのが『アメイジング・ジャーニー』(写真右)。結成時から現在までを追った非常に見応えのある映画になっているらしい。DVD化の際に本編を補遺するものとしてエキストラ・ディスクが付加され、デラックス・エディションではさらに2枚のディスクが追加されている。
1枚はキースが亡くなる少し前、77年のキルバーンでのライヴ。それに名ライヴ盤『ライヴ・アット・リーズ』の映像がほんの僅か収録されているが、貴重ではあるもののこれはオマケだろう。
もう1枚は69年のロンドン・コロシアムでのライヴ。ロック・オペラの先駆的作品『トミー』の全曲演奏が話題。
当然ゲットするなら高くてもこちらだろう。
むしろ本編よりライヴ・ディスクの方が目的だったりする。実際本編はまだ見てないし…。

で、先日もつぶやいたとおり、キルバーンのライヴは凄い。
久々のライヴだったそうで、確かにもたつく場面もあったり、ロジャーがマイクを振り回すアクションでマイクを落としたり、ピートがジャンプの後で着地が決まらなかったり、粗があるのは確かである。それでもこの有無を言わさぬ迫力は凄い。キースのドラミングはやや精彩を欠くようにも思われるが、そのくらいでも常人の域を超えている。少なくともジョンのベースは絶好調。おそらくザ・フーでのリズム・キープの役割は彼が担っていたのだろうということがわかる。
映像も巷で言われているほど悪くない。

まだチラ見をしただけだが、ロンドン・コロシアムの方は確かに映像はかなり悪い。ステージ全体を捉えたショットだと顔がわからない。アップになればいくらかマシという程度だ。完全にマニア向けの映像だろう。しかし、それでも見るのが楽しみである。演奏自体はかなり期待できそうだ。

キース在籍(存命)時の映像で手元にあるのはこれくらい。
60〜70年代のザ・フーの歴史を辿ったアンソロジー『キッズ・アー・オールライト』という名作もあるが、VHSで持っていたのだがDVDでは手元にない。これを持っていないとファンの風上にも置けないと言われそうなのでゲットしておかないと。ま、入手困難なものではないんだけどね。
ベース少女に借りるという手もあるが、持ってないとは言えんなあ。。。

さて、キース夭折後はケニー・ジョーンズというドラマーを迎えて立て直しを図る。
キースのいないザ・フーなんてという思いは確かにあるが、これが私としては意外に悪くなかった。ハチャメチャで個性の塊のようなキースに比べ、ケニーのドラミングは正確無比。精密機械のようなタイム感覚で、それだけにジョンのベースが暴れられるというふうだった。
ただ、80年代という時代の流れか、カラフルではあるがコンパクトなサウンドにまとまってしまい、破天荒な魅力は影を潜めた。それはそれで悪くなかったのだが、アルバム2枚を残して解散。
ケニー時代の映像も欲しいなあ。
この頃のカンボジア難民救済コンサートの映像は当時頻繁にTVなどで流れていたのだが、カッコ良かったよ。ケニーのドラミング・スタイルは確かにザ・フーには合わなかったのかもしれないが、それはそれで一風変わった魅力があったと思うのだ。

その後、80年代末から再編と休止を繰り返す。

『トミー』とそれに続く2枚組の大作『四重人格』の完全再現をカップリングしたライヴ映像がある。『トミー』が89年、『四重人格』が96〜97年の収録。当然キースはいない。ドラマー以外にも多数のゲストを招いてのライヴとなっている。
『トミー』の再現は古くから行なわれているので、映像も音源も残っているのだが、『四重人格』は初めてではないだろうか。そういう点でもレアである。
ピートはほとんどアコースティック・ギターばかりで、風車弾きもジャンプもない。ロジャーは相変わらずマッチョ。ジョンも変わらぬリード・ベースでバリバリ弾きまくる。『5時15分』でのベース・ソロはイマジネーション豊かでテクニカルで素晴らしい。ベース少女に見せてやりたい。
ドラムはリンゴ・スターの息子ザック・スターキーで、よく叩いている。ブラス・セクションも加わり、ゴージャスな出来である。音だけなら素晴らしい。
ただ、映像作品としてはどうよ、と思う部分がある。ストーリーをイメージした映像が曲間に挿入されるのはまだいいとして、演奏中にも流されることがあり、さらには写真がスライドショーのように流れる部分もある。インストゥルメンタル曲は全てそうだ。この間は演奏風景が全く見られないわけで、この作りは大いに疑問。演奏が素晴らしいだけに残念。
あと、映像サイズがスタンダード4:3なのはいいとしても(理想はビスタ16:9)、上下がカットされているので、小さなビスタサイズを見ているようでガッカリ。たまにこういうのがあるんだよね。
ちなみに『トミー』の方はまだ見ていない。こちらもヴォーカル陣に豪華なゲストを招いている。『四重人格』よりも登場人物が多いので華やかなステージかもしれない。こちらは普通にスタンダード・サイズで余計な映像もそんなにないようだ。

その後02年にジョンがツアー直前に急死。
ザ・フーの四人の中で最も常識人のように思われていた彼だが、実は最もロックンロール・ライフに染まっていたと言われるような死に方だった。ハチャメチャなキースとはやはりいいコンビだったのかもしれない。

ザ・フーはその後も活動を続けている。
私はキースのいないザ・フーを受け入れることはできた。しかし、ジョンのいないザ・フーを受け入れられないでいる。ピートとロジャーに敬意を表しつつも、二人になってしまったザ・フーを聴いてはいないのだ。
いずれ聴いてみようという気になるだろうか。最近になって私の心境に変化が訪れている。どんな形であれ、ジジイがバンドを継続していくということは凄いことだ、と。
ピートとロジャーが元気で活動していることがキースとジョンの供養になるのだろう。
だとすれば、古いファンだからこそ見届ける義務があるのではないか、そんなふうに思うようになってきたのだ。

なんだかんだ言いつつ、やっぱりザ・フーは好きだなあ。
ビートルズよりもストーンズよりも、やっぱりザ・フーなんだよ。
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