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2013年07月16日08:17

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【バレエ】英ロイヤル・バレエ「白鳥の湖」(12日)

「アリス」は好き嫌いが半々、
「白鳥」は辛口の感想が多いみたいだね、とお師匠さま。
前回は得意演目並べましたからねぇ。
それを期待してたんでしょうね。

「アリス」はテレビで観たからパスのつもりでいたら、
この日は都合がつかないからと、
お師匠さまがゲネプロのチケットをくださいました。
多くのダンサーがレッスン着姿の舞台でしたが、
英国らしいウィットに富んだこの作品、やはり楽しいですね。
私、「ぴーらび」も好きだし。(笑)

ヤノウスキーさんが全部もってっちゃいましたが、
アリスを演じたブルネルさんは将来が楽しみだし、
(後述のラムさんより伸びそう)
ワトソンさんとマクレーくんも期待どおり。

そういえば、「眠り」のパロディに
いちゃもんつけてる人がいるそうですが、
あれの何が気に入らないのだろう?

「白鳥」も、主役のドタバタがあったにもかかわらず、
言われているほど悪くはなかった。前回観た時より良くなってたし。
もっとも、最初から期待してなかった、というのはあるかな。


またまたコジョカルさんには振られてしまいました。
他のダンサーより振られ率が高いのは、
彼女が有名になりだした頃、まだ人気に実力が追いついてない、
あの風貌に騙されてるんだ! と言ってたからかな。(笑)

でも代役のマルケスさん、マクレーくんは好きだし、
白鳥ならぬ雀姫、もう少し大きな鳥になったかな、
と楽しみにしていたら、代役の代役、ラムさんに。

ラムさんは、あの細身が売りなのかもしれないけれど、
もっと太くなった方がいいと思う。
回転はキレがあるし、手足の使い方もなめらかだから、
どう動けば美しく見えるのか、わかっているのだろうな。
でも筋力が足りないから、つなぎがぎくしゃくしたり、
タメが足りず流されてしまったり。32フェッテも力尽きてた。

また綺麗に、無難にまとめてはいるけれど、叙情性に乏しく、
「白鳥」はこういう風に踊るんですよ、
とあらましを追った教材を見せられた気分。

逆にマクレーくんは熱かった。(笑)
躍動感に満ち満ちた動きはまさに感情の発露、
等身大のやんちゃ王子。
観ているうちに、別の物語が頭に浮かびました。

彼には出来の良いお兄さんがいて、
父親と一緒にどこかの戦場に赴いている。
2人にまかせておけば王国は安泰だけど、
世の中何があるかわからない。
お前もそろそろ結婚して子供をつくりなさい、
とお母さんにお尻を叩かれていそう。(笑)

「白鳥」の3幕はオディールから目が離せないはずなのに、
この日は気付けば王子を眺めていました。
まさに“マクレーくんの”「白鳥」。Kバレエみたいだ。(笑)

エイヴィスさんのロットバルトは、
衣装のせいか踊る場面がなくて物足りないけれど、
存在感いっぱいでした。

3幕のパンクなメイクは、
ロンドンの下町あたりでたむろしてそう。(笑)
2幕4幕のシルエットは梟だけと、ギリースーツみたいですね、
と言ったところ、お師匠さま、「なに? それ。」
・・・すみません、ググってみてください。

トロワはどうだった? の問いに、
「物足りない」と正直に答えたところ、
「ぱろは厳しいね」とお師匠さま苦笑い。

良いか悪いかの二択ならば「良かった」だけど、
おお、すげーっ! というほどでもなかったし、
これからがちょっと楽しみに思えたのは、
ヘイくんだけだったからなあ。

この役は、「眠り」の青い鳥/フロリナ姫のように、
将来主役を期待される若手のポジションで、
実際そういうダンサーをいろいろ観てきたから、
ただ良いだけじゃ物足りないんですよね。

ロイヤルらしいというか、
いい感じの1幕に対し、2幕はうーむでした。
以前より揃っていたし、
足音も静か(当社比)になってはいたけれど、
「白鳥の2幕」じゃないな。

白鳥の群舞たちも、キャラダンといえばキャラダンだけど、
3幕の連中とは方向性がちょっと違いますよね。
にもかかわらず、同じ匂いがする。
白鳥のかぶりもの、かな。あやかしではない。
お師匠さまは「静謐感がない」と語られていましたが、
まさにそんな感じ。舞台が生暖かい。

Kバレエのファンである私は、2幕を観た時、
ふっ、勝ったな、とほくそ笑んだものですが、(笑)
でも3幕は負けました。

ロシアのように、
くどいほどデフォルメされているわけではありませんが、
(それはそれで好きだけど)
イメージの特徴、エッセンスを必要な分のみ、
的確に抽出したかのような振付と踊りで、
拍手もいっぱいもらっていました。

3年前のダンチェンコ公演で驚いて以来、
気になっていた金子さん、あちこちに出ていましたが、
顕著だったのは6人の姫君の時。
良い動きをするダンサーがいるなー、
と思ってオペラグラスを手にすれば、彼女でした。
「スタイルも顔立ちも違うのに、一瞬、都さんの姿がかぶった」
とお師匠さま。都さんの先生に習っているのでしょうか。

なんか違う白鳥群舞でしたが、
少数ながら正統派の美しい白鳥もいて、
その一人が小林ひかるさんでした。

でも今の鍛錬法では、これ以上はもう伸びないかな、
プリンシパルは無理かな、という感じなのに対し、
「あの」フィーリンさんが誇らしげにガラに混ぜていた金子さんは、
まだ21歳。指導者に恵まれれば、
21世紀のロイヤル日本人プリンシパルが期待できそうです。

ダウエル版「白鳥」は、
基本の骨格を尊重しつつもあちこちに手が入っていて、
変更した部分の振付は少し簡単になっているようです。
改訂されたところでは無理なく踊るソリストや群舞たち、
見慣れたパが出てくると、とたんにあたふたしだす。

豪華で凝った舞台装置や衣装、
(ティースタンドみたいな装置もあります)
物語の整合性にこだわる演出は、
熊さんのルーツはやはりここなんだな、と改めて納得。

1幕では、王子の友人の一人、蔵さんが、

*平野さんの間違いでした。スミマセン。

しこたま飲んで酔っ払い、千鳥足で狩りに出かけるわけですが、
(さすがにクロスボウは持たせてくれない)
これが2幕のロットバルト登場場面にリンクしていて、
木立の陰で睨みをきかせるロットを目撃した彼は、
腰を抜かしながら仲間に魔物の存在を訴えるのですが、
酔っ払いのたわごとと誰も相手にしてくれない。(笑)

クロスボウも造形に凝っているだけでなく、
弦を引くときはちゃんと先端の金具に
つま先を掛けてやっている。

ただ、ラストはロットバルトに圧倒されるのではなく、
悪魔は二人の前で盛大にもがき苦しみ、
これなら棒で叩くか矢を射れば、
やっつけられるんじゃない? という場面で、
いきなりオデットが舞台下手奥へ駆け込み湖にダイブ。
驚いた王子も後を追い、あの世で2人は添い遂げる。

てっきりハッピー・エンドだと思っていたので唖然呆然。
もやもや感の残るエンディングでした。
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