mixiユーザー(id:3696995)

2010年07月04日23:08

62 view

ミュシャ展@三鷹市美術ギャラリー

三鷹駅前のビルの中にある三鷹市美術ギャラリーで「ミュシャ展」観てきた。
会期ギリギリ、どころか今日が最終日。。。
アルフォンス・ミュシャ、アールヌーヴォーの画家として、美女を描いたポスター画で知られる。
かつてはクラシックのLPのジャケットによく使われていた。たぶんミュシャを初めて知ったのも何かのレコードのジャケットだったのではないかと思う。

確かにパリ時代のアールヌーヴォーの作品も好きだ。しかし、最近は故郷のチェコに戻ってからの土の香りのする油彩に惹かれている。ミュシャがいちばん描きたかったのは故郷の風景だったのではないかという気がするのだ。

『チェコの心』と題された作品が素晴らしかった。母と子の肖像なのだろう。しかし、男の子は痩せこけ、その子を抱く母は涙している。女性の髪を飾る花や袖口の装飾に、パリの寵児だったミュシャを感じさせるものはあるが、心に突き刺さるような作品になっている。
ミュシャがすごい画家だったと思うのはこの点だ。
晩年の作品は美しいだけでない何かがある。それは切なさであり、哀しさであり、それとは逆の力強さでもある。
もちろん一世を風靡したポスター画も素晴らしい。
それでも、ミュシャの本質を語るには晩年の作品に触れずにはいられないと思うのだ。

さらに、技術的な高さにも驚かされる。
優れた技巧の裏付けがあってこそのポスター画なのだと思う。

なかなか気合の入った企画展だったと思う。
ただ、展示スペースの割りに詰め込みすぎという感は否めない。まあ、贅沢な注文だが。
最終日ということもあったのか、ひどく混んでいた。ミュシャの人気は高いのだなと改めて感じる。
しかし、終盤のチェコに戻ってからの油彩画のスペースはガラッと空いていた。
残念ながら、まだまだアールヌーヴォーのポスター画家というふうにしか認識されていないのかもしれない。
ミュシャ再評価はまだまだ先ということか…。
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2010年07月>
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031