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2010年01月07日12:56

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【バレエ】マールイ(レニングラード)「バヤデルカ」(初日)

下手(L側)の2階バルコニー席に、
ひときわ賑やかな「ブラボーマン」がいましたが、
その正体はマラト・シェミウノフ君です。(^O^)

彼の偉いところは、ペレンちゃんだけでなく、
シェスタコワさんにもブラボーを贈っていること。
素晴らしいものは素晴らしい。贔屓とは関係ありません。(^^)

       *     *     *

オケのノリがいまひとつでした。

指揮のパブージンさん、
普段は、もう少しダンサー見てよ〜、
というくらいテンポが速い人なんですが、
なんだか抑えている感じ。

振付も、具体的にどこがどうとは指摘できないのですが、
従来の版とは微妙に異なるように思えます。
気のせいかなぁ。(^^;)

でも、ラストのトランペットと、
コンマスさんのソロが素晴らしかったからいいや。(^o^)

       *     *     *

ニキヤとソロル、そしてガムザの三角関係、
さらに大僧正を加えた四角関係を描いたこの作品は、役作りの幅が広いため、
ダンサーたちがどのようなキャラクターを演じてくるか、いつも楽しみです。(^^)

「今回が最後!」と言われるルジマトフさんは、歳相応の中年戦士でした。
常に威厳を損なわず、なにかあっても動揺を表に出すことなく沈思黙考。

...ラジャに「わしの娘をやろう」と言われた時、
3秒くらいフリーズする演技には、つい笑ってしまいましたが。(^O^)

暗殺シーンの解釈には、
ソロルの行動に違和感を覚えることが少なくありませんが、
今回はとても納得の舞台でした。

思うに、ニキヤとソロル、2人の馴れ初めは、
ニキヤの片想いからスタートしたのでしょう。
ストレートに自分の気持ちをぶつけてくるニキヤに、
ソロルも次第に心を動かされていったものの、
基本は彼からのアプローチではありませんから、
ラジャの申し出を熟考した結果、ガムザを選んだのです。

そこには自分の将来という計算もあったでしょうが、
逆らえば自分どころかニキヤの命すら危うくなる。
実際、そうだったわけで、誤算は大僧正の横やりでした。

...と考えると、いろいろ辻褄があってきます。

まず冒頭の逢瀬では、笑顔いっぱいのペレンちゃんに対し、
嬉しそうではあるけれど、あまり笑顔を見せないルジさん。
タコさん&コルプさんの「熱愛」を前回観たので、
最初は「おや?」と思ったのですが、
歳の離れた娘に惚れられた中年戦士の態度としては、
正しいと言えるでしょう。(^m^)

続く宮殿でのニキヤのヴァリ場面では、
終始胸の前に腕を組み困り顔。彼女が近づくと顔をそむけます。
この時はまだ困惑しているだけなのでしょうが、
迷いを感じている自分が情けなく、彼女を正視できないのでしょうね。

ガムザの婚約式。
ニキヤが踊っていると、彼女に見せつけるため、
たいていガムザの方からソロルにモーションを掛けますが、
昨夜はソロルの方からガムザの手をとっていました。
この瞬間に決断したのか、それとも式場に赴く前に
気持ちの整理がついていたのかは定かではありませんが、
それが彼の意思表示だったのでしょう。

そしてニキヤが倒れた時、一瞬躊躇するも顔をそらしたのは、
心配だけれど、ここは我慢の時、
大丈夫、大僧正の薬を飲めば彼女は助かるから、
と自分に言い訳していたのでしょうね。

けれど彼女は彼の態度に絶望し、息絶えるのでした。
そこでようやく彼は自分の判断の過ちに気付き、
彼女の遺体にすがる...。


では、相方のペレンちゃんはというと...。

冒頭の大僧正との遣り取りや、続くソロルとの逢瀬における笑顔を観て、
あの氷姫がここまで成長したか〜、と嬉しくなりました。(^^)

彼女が描くニキヤは、常に感情が顔や行動に出る若い娘。
将来のこととか何も考えてないのが珠に瑕ですが、(^^;)
(なんのためらいもなくナイフをかざす仕草にそれが象徴されています)
裏表はなさそうで、あの輝くような笑顔で言い寄られたら、
ソロルでなくとも気持ちは揺らぐことでしょう。(^O^)

今回は、ルジさんの解釈が大人だったので、
それと対比することで彼女の解釈が生きました。
次の課題は、タコさんやロパ様のように人間像の掘り下げかな。(^^)

踊りについても、
以前に比べ柔らかさが増し、鍛えているのもわかりますが、
まだアスリート系の振りまわしや、つなぎのぎこちなさが目立ち、
流れるようなルジさんの踊りと十分シンクロしているとは言えませんでした。
そこを乗り越えれば、一流の仲間入り。もう一山だ、頑張れ〜!(^o^)/


そして3人目の主役、ガムザッティ@タコさん。

男女主役の登場場面で拍手を贈るのが、
バレエ公演の慣習となっていますが、
彼女もまた拍手をたくさん貰っていました。
みなさん、わかってらっしゃる。(^^)

師匠情報によると、
ルジさんは彼女のガムザを絶賛しているそうですね。
私はバッセルさんの名演が、ずっと脳内に蘇っていましたが、
それと比べても彼女の踊りはまったく遜色ありませんでした。(*^^*)

登場直後の様子は、ほんとにもう育ちの良い上品なお嬢様。
婚約を父に告げられ、ソロルの肖像画を見せられると、
はにかむような仕草がたまりません。(^O^)
ペレンちゃんとはまたタイプの違う可愛いさです。

父親と大僧正の密談を聞いてしまったあと、
召使いをニキヤの元へ遣り、彼女がやってくるまでの間、
ソロルの肖像画の前での演技がまた秀逸で、
「どうしよう、どうしたらいい?」
「やはりあの人には好きな人がいたんだ」
という彼女の逡巡や不安、悲しみが手に取るようにわかり、
言葉が聞こえてくるかのようでした。

そして殺されそうになって動転していた気持ちがゆっくりと収まり、
次第に表われる怒りの感情。幕前のほんの10数秒の演技ですが、
最後の殺意を秘めた目つきに変わるまでの様子は、
まさに彼女ならではの迫力でした。

2幕PDDでは、
ルジさんやお付きの者との呼吸が合わず、
2度もよろけてしまいましたが、
あれは彼女のせいではないからね〜、
と敢えて強調したいと思います。(^m^)

...完璧主義の彼女のこと、ちょっと機嫌が悪くなったのでしょう、
心の乱れが続く踊りに出ていました。若いな〜。(^O^)
でも、そこがまた可愛いかったりして。(^^)

そんなアクシデントもありましたが、
ルジさんとの踊りのシンクロ具合は、
彼女の方が一枚も二枚も上でした。


このほか良くも悪くも印象に残った事柄は...。

まず大僧正のドルグーシンさん。
先日拝見したとおりの方で、
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1369411916&owner_id=3210641
ゆうべもベタで面白い演技でした。
ちょっとおねえ系入ってるし。(^o^)

マグダヴィアのクズネツォフさん、太鼓の踊りのトルマチョフさん、
彼らの道化を観てみたいなあ。
(本国で上演されている新版「白鳥」には道化が登場するようです)

前シーズンにブレイクしたプローム君の黄金の仏像、
実はひそかに期待していたのですが、
昨夜は調子がいまひとつだったようです。
最近の彼らしい迫力がありませんでした。

調子といえば、
群舞の足音が「白鳥」の時よりも目立つようになっていました。
そろそろ疲れがたまってきたのかな...?
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