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2009年08月24日07:05

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【バレエ】小林紀子バレエ・シアター「第94回公演」(20日)

都議選が始まる前、マスコミが行った世論調査によると、
名前を連呼する選挙カー、大多数の人が「うざい」と思っているとか。
おそらくその結果を受けてのことだと思いますが、
都議選では選挙カー、減ったような気がします。

今回も、うちの近所では、同じ人ひとりしか巡ってきません。
しっかり名前も覚えたことだし、コイツにだけは投じないことにしよう。(^m^)
状況判断の悪いヤツに、大事な都政はまかせられませんからね。

       *     *     *

表題の公演、今回はトリプルビルです。
前回記したように、今年はマクミランの生誕80周年ということで、
第1部にロイヤル芸監の前任者であるアシュトンの小品を置き、
第2部、第3部でマクミラン作品という構成でした。

★「レ・ランデブー」
プリンシパル・ガール:小野絢子
プリンシパル・ボーイ:中村 誠

幕が上がると、装飾を施した白い柵があり、正面に入り口。
舞台は公園という設定で、入り口から、あるいは舞台袖から、
同じく白い衣装に身を包んだダンサーたちが三々五々登場し、
挨拶を交わすとまた捌けて行きます。

顔見せが終わると、
ペア、トロワ、カトル、群舞と人数を変え、
オーベールの軽快な曲にのり、
クラシカルで優雅な踊りを次々と披露。

中心となる7組のペアは、
社交界デビューを控えた若者という設定で、
終盤、ひとりまたひとりと公園を去って行き、
最後は女性4人がポーズをとって幕。
時間にして20〜30分くらいでしょうか、
愛らしい、古典好きには手頃な前菜でした。(^^)

さすがにバレエ・フェスを観た後では、
一部の人を除くと物足りなさを感じますが、
相変わらず足音も静かで、質の高い踊り手たちです。

新国や東バにも、もちろんうまい人はいますが、
ダンサーの力量差が割と目立ちます。
その点、ここは平均レベルが高いのが特長といえるでしょう。
また、その中で一際輝いていたのが小野さんでした。(^^)

残念なのは、男性ダンサーの多くが客演で、
それも女性ダンサーと比べると見劣りのする人が多いこと。
もう少し質の高い人を集められないのかなぁ。

前にも書いたことですが、
こことKバのコラボを観てみたいです。(^^)


★「The Invitation」
少女:島添亮子
少年:後藤和雄
母:大森結城
姉妹:小野絢子、萱嶋みゆき
家庭教師:楠元郁子
妻:大和雅美
夫:ロバート・テューズリー

マクミラン31歳(1960年)の時の作品で、
日本では「招待」と訳されることもありますが、
誘惑とか魅力、挑発の方が合っているような気がします。
夜会への招待にかけていたり、大人の世界へようこそ、
というブラックな意味がこめられているのなら別ですが。

解説には思春期の少年少女がどうの、2人の未来がこうのとありますが、
異性を意識し始めた少女が、ロリコンおやじにレイプされるという、
マクミランらしいといえばらしい、ミもフタもない話。
中学生くらいのバレエ少女たちが何人も親子連れで来場していましたが、
筋書きをわかって来ていたのかな。(UU;)

第1部では、小野さん上手いなぁ、と思いましたが、
島添さんはバレエ・フェス級。格が違います。
安定した技術はもちろん、表現力がまた秀逸でした。

登場した時の初々しい仕草に始まり、大人の男の視線におや?
と思う様子、恥じらい、喜び、そして恐怖と悲しみ。
次々と変化する少女の感情が、表情だけでなく、
踊りそのものが言葉となって、観る者の心に迫ります。

そして島添さんの演技をしっかり受け止めるテューズリーさん。
彼は、キャシディさん、コルプさんとともに、
大好きな男性ダンサーのひとりです。(^^)

綺麗な妻がいるにもかかわらず、年端もいかない少女に魅力を感じる自分、
そんな自分の感覚に戸惑いつつも、少女から視線をはずせない男。
夜会場での邂逅、悪戯めいた少女の誘いに我を忘れ、歓喜と続く後悔。
そして妻に支えられながら袖に去っていく途中、
すっと背筋がのび、偽りの仮面を被る様は、
狂気から我にかえるコルプさんの演技を思い出しました。

ふたりのネガ(この場合はポジ?)として描かれるのが、
少年と妻ですが、島添さん、テューズリーさんと比べてしまうと、
後藤さん、大和さんは、頑張ってはいたけれど印象が薄い。

特にこれまでは抜擢される割には見劣りのした大和さん、
今回は踊りが丁寧になり、少しずつではあるけれど、
進化しているんだな、と好印象を得ただけに、
演技面ではちょっと残念でした。

不満だったのは、唐突に現れる余興(?)のニワトリたち。
雌鳥役の高畑きずなさんは、第3部でも期待どおりの踊りでしたが、
雄鳥役の冨川兄弟が揃って情けない。

普段はキャラクター・ダンスなどほとんどやってないのだろうけれど、
ちょっとキャラダン、なめてんじゃないの? という出来。
都さんの爪の垢でも煎じて飲みなさい。(UU)

贔屓のふたりは、いい味出してました。(^^)
なぜかこのテの衣装が似合うんだなぁ。


★「エリート・シンコペーションズ」

「The Invitation」から14年後の作品。
ジョップリンのピアノラグにちなむ、ミュージカルのような作品。
舞台奥、一段高くなったところにはバンドが居て生演奏。
ダンサーたちは全員アメリカンな配色のカラフルな衣装を着ており、
あたかもピエロの集団のよう。

曲はもちろん、ジョップリンをはじめとするラグタイム・ミュージック。
入れ替わり立ち替わり、ソロで、ペアで、トロワで踊る様子は、
第1部の「レ・ランデブー」のようですが、
音楽もパもまったく異なり、たとえるなら祭りのフィナーレ。
島添さん、テューズリーさんを除き、ダンサーも総出演のようで、
トリプルビルのラストを飾るにふさわしい、楽しい作品です。(^^)

...「The Invitation」で終わったのでは、
目覚めが悪そうですからね。(^^;)

途中、背の高い女性ダンサーと背の低い男性ダンサーが演じる、
コミカルなパートがありますが、20日は大森さんと八幡さんが好演。
グランディーバの舞台を観ているようで、客席のあちこちから笑い声。
ちなみに師匠によると、楠元さんはさらに上手なのだとか。

       *     *     *

以前は上品な舞台とは裏腹に下品な客席でしたが、
観覧マナーもお教室で教えるようになったのでしょうか、
観覧環境も良くなりました。(^^)
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