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日記一覧

セーラー服と機関銃
2020年05月31日14:11

1981年 相米慎二時をかける少女(81年、大林宣彦)に比べ、いわゆるアイドルにはまれなかった私にもこちらの方が見ていられる。原作の赤川次郎は三毛猫ホームズを一冊だけ借りて読んだが全く面白くなかったにもかかわらず。どちらも角川映画で両監督ともアイド

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野火
2020年05月24日07:59

2015年 塚本晋也大岡昇平の戦争文学。59年に市川崑の手によって映画化されているが、そのリメイクというわけでもない。原作は小学生の頃に読んだろうか、大岡の戦争体験に基づく陰惨な作品だったという印象だけ覚えている。ましてやカニバリズムへの言及があ

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ソクラテスの弁明
2020年05月17日10:40

プラトンこちらも古本で手に入れて長く寝かしてあったもの。最初に読んだのは小学生の頃だったろうか、中学に上がってからはもっぱらSFを中心に読んでいたので。おそらくはまんが世界の偉人伝とかいうのでソクラテスと無知の知について知り、それで興味を持っ

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パッセンジャー
2020年05月10日09:48

2016年 米恒星間移民船の冷凍睡眠装置が誤動作し、到着より90年も前に目覚めさせられた乗客の男。孤独と絶望の中で一年ほど過ごして、ついに一人の女性を手動で目覚めさせる。そして...、というお話。二人は助からないが一応ハッピーエンドということに。意

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テンタクルズ
2020年05月03日10:02

1977年 伊タコによる海洋パニック映画。公開当時のわたしはまだ小学生だったが、サメはともかく今度はタコかよと小馬鹿にしていた記憶がある。お寿司の上に乗ってるじゃんと。その頃には西欧人にとってタコは悪魔の魚であるという教養はまだなかった。で今回

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チェンジリング
2020年04月26日11:47

2008年 米誘拐された息子を探す母親をLA市警察が替え玉の少年で騙そうとし、納得しない母親を精神病棟に放り込むが、別件を機会に誘拐殺人犯は逮捕され捜査官は免職、市長も再選を断念したという1920年代の実話に基づく。市民からの大規模な抗議を受けたLA市

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時をかける少女
2020年04月19日09:45

1983年 大林宣彦最初に見てから何年経ったろう、「見るに耐えない」という初見からの印象は変わっていない。これは、時代にフィットしすぎたため普遍性を失っているのか、わたしに思い入れがないからか。エンディングで原田知世が歌うための壮大なミュージッ

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ダニエル・カーネマンここのところのウィルス禍に伴うデマ、風評被害、マスクの高額転売、日用品のパニック買いはプロスペクト理論で説明できるのでは再び手にとった。目に見えることが全てだと判断しがちな利用可能性バイアス。可能性の効果が低い確率の事象

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復活の日
2020年04月05日09:08

小松左京あの年の3月11日には日本沈没を読み直したものだ。だから今年はこれを読み直した。覚悟を決める手助けになるだろうか。読んでみると主人公である南極観測隊の吉住が登場するシーンがとても少ない。映画では彼がワシントンから南米大陸の南端まで歩い

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カウボーイ&エイリアン
2020年03月29日14:16

2011年 米いわゆるエイリアンに開拓時代のカウボーイが挑む。手にするのは馬と投げ縄、ショットガンと拳銃とダイナマイト。それで撃退する。SFではないのでエイリアンの狙いは金、ゴールドである以上の説明はない。圧倒的なクズ映画、ダニエル・クレイグとハ

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リングワールド
2020年03月22日14:35

ラリイ・ニーブンかなり前に入手していて既読だと思っていたが、読んでみて今回が初読だと気づいた。そりゃあ面白いさ、小松左京の[虚無回廊]に似ているなとは思ったものの。原著の発表は70年だから似ているとすれば小松の方だ。どうやら借りて読んだらしい虚

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着想の技術
2020年03月15日12:42

ドラマ版「ガラスの仮面」の再放送を見ている。20年以上前に放送されたものだ。野際陽子が演じる月影千草がコミックスそのまんまで感心した記憶がある。姫川亜弓役の松本恵はこのあと干されて引退に追い込まれたんだよなとか速水真澄の婚約者の紫織さんがやや

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ソシュール
2020年03月08日10:57

かつて本書を読んだことで記号論について理解した気になっていたが、あくまで"そのつもり"レベルだったので、改めて読み返してみた。判ったのは本書はソシュールの「一般言語学講義」の手引書ではなかったということ。晩年の怪しげなアナグラムに関する研究も

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カジュアリティーズ
2020年03月01日10:42

1989年 米ベトナム戦争中に米兵の戦争犯罪を告発した退役兵士の回想。倫理観を貫き通すことの苦しさを描く。原題はCasualties of Warで、カジュアリティーズが映画公開当時には存在しなかったPTSDの概念を包含していることが窺える。主演はマイケル・J・フォ

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ターミナル
2020年02月23日14:11

2004年 米出国後の移動中に母国でクーデターが発生し政府が倒され、パスポートが無効になった男がJFK空港の入国ゲート前で待たされること数ヶ月、というお話。最終的に男は1日だけ不法入国し、ニューヨークへ来た目的を果たす。ありえないフィクションに見え

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グリーンブック
2020年02月16日14:04

2018年 米人種差別の残る60年代の米国、ディープ・サウスと呼ばれる地域を黒人のピアニストとイタリア系米国人ドライバーが演奏旅行に出る。グリーンブックは当時の南部を旅行する黒人が宿泊できる宿をリストしたもの。彼らは先々で演奏家として歓迎されるも

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キング・コング 2005年版
2020年02月09日20:44

2005年 米30年代に制作されたオリジナル作品をたどったストーリーに、監督がロード・オブ・ザ・リングで培った特撮技術を活用、だそうだ。ストップモーションアニメに比べれば滑らかで緻密なCGには隔世の感がある。だがなんだろう、コングの動きに重さを感じ

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冷たい方程式
2020年02月02日09:45

トム・ゴドウィン他伊藤典夫翻訳の短編集で旧版と共通するのは2編のみ。伊藤氏の翻訳作品だけでまとめられている。「ボロゴーヴはミムジイ」「最初の接触」は本書に続くものと位置付けられるそうだ。前掲書のあとがきで触れられていたので再読した。高尚な文

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最初の接触
2020年01月26日10:34

伊藤典夫翻訳SF傑作選先週の続巻で氏の翻訳作品から宇宙テーマに絞ったもの。各話にそれぞれオチがついているのが古典的で良い。しかし帯にあるように「SF基礎力養成講座!」というのはどうか。基礎力が必要な若い人はイマドキ本を読まないだろ。いや、基礎力

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ボロゴーヴはミムジイ
2020年01月19日09:45

伊藤典夫翻訳SF傑作選40年代50年代に書かれたSFを若き日の伊藤典夫が60年代70年代に翻訳したものから、編者の高橋良平が時間・次元テーマでまとめた短編集。さすがに現代的な香りはしないが、どの作品もすごく濃く読み応えがある。しかも収録されているどの作

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フェミニズム殺人事件
2020年01月12日08:48

筒井康隆父の遺品を整理していた際に見つけたもの。ブックオフの値札が貼り付けられているが、筒井など読まなかった父がどのような経緯で入手したのかはわからない。それはともかく。普段から推理小説を読まないのでわからないのだが、密室殺人の謎解きを読者

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竹内 薫わたしは『ファインマン物理学』を使った講義を受けていない。学部レベルではそこまで必要でなかったからだ。劣等生ではあるがそれでも理系の端くれ、量子力学についてほとんど無知でいいのか。そこでブルーバックスを久しぶりに買ってみた。本書は教

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