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日記一覧

アルベマス
2020年12月27日09:38

フィリップ・K・ディック先に読み直した[最後から二番目の真実]でディックづいたのでもう一冊。95年の再刊行以来の再読。本書がヴァリス三部作の一角という記憶は間違いだった。三部作とは[ヴァリス][聖なる侵入][ティモシー・アーチャーの転生]で、本作はヴ

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ジョン・ポーキングホーン2001年に購入、ブルーバックスとしては例外的なジャンル。著者はポール・ディラックに直接指導を受けた英国の理論物理学者で、引退のちに国教会の司祭に転じた人物。邦訳の書名は最終章のタイトルから引用されたもので、本旨は科学者

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宇宙のスカイラーク
2020年12月13日13:59

E.E.スミス衒いのないSFからは距離ができてしまったようなので原点回帰を図ってみた。1970年の第10版で、古書として入手したがどうも読んでいなかったらしい。スペオペでは他にハミルトンとバローズを読んでいる。なんというか、素朴。美男美女、金持ちと科学

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金子隆一思い出して再読。冒頭、宇宙生物学とは何かの紹介から始まり、過去の事例の紹介、アレシボメッセージあたりまでは事実を淡々と記述しているのだがら問題はないが、そのあと近未来から遠未来までの予測はどうにもSFだ、それもあまり出来の良くないタイ

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1994年 米タランティーノの脚本でオリバー・ストーンが撮ったという暴力映画。それぞれ育ちに理由はあるものの、生まれついての殺人者たるミッキーとマロリーが三日で50名ほど、特に理由もなく殺していく。TV生中継が追随することで全米のダークヒーローとな

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ロスト・バケーション
2020年11月22日08:12

2016年 米サーフィンを楽しんでいた主人公の女性がサメの接近に気づき、浅瀬の岩場に取り残される。助けは来ない。大怪我をしながらもどうにかサメを撃退し生還する。こんなまともなサメ映画が成立するんだと感心した。サメ映画といえば(詳しくはないが)、サ

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女子高校生による競技麻雀のインターハイ。なんだそりゃ。麻雀漫画誌とAKBとかなんとか坂のアイドルが結びつかない。アクション書道とか競技かるたならまだしも、競技麻雀。飛躍が大きすぎやしないか。いったい需要は奈辺にありや、麻雀愛好家なのかアイドル

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日日是好日
2020年11月08日09:17

2018年 大森立嗣女子大生が二人、茶道の先生に入門して四季の移り変わりや人との出会いと別れを通して成長していくというお話。原作は茶道家のエッセイ。リリカルだが特段のカタルシスもなく主演の黒木華の古典的な美しさをぼんやり眺める映画。それでは多部

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ねじれた家
2020年11月01日10:19

2017年 英・米クリスティ原作ののミステリー。その家の当主を殺したのは大叔母で、動機は長男次男夫婦、後妻に財産を渡すことなく、聡明な孫娘に相続させるため、と見ていたら、まさかあの子が犯人だったなんて。やられた。その家の誰もが容疑者と考えられる

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最後から二番目の真実
2020年10月25日09:20

P.K.ディック創元から再版された07年以来の再読。ヒューゴー賞受賞なるも明らかに詰め込みすぎ。核戦争後の地球、庶民は地下に暮らし戦闘ロボットの製造に追われている。地上の支配者層は西側と東側で結託し、戦争はまだ続いていると英雄のシミュラクラに語ら

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沈黙 - サイレンス
2020年10月18日08:41

2016年 米遠藤周作の原作をマーティン・スコセッシが映画化したもの。江戸時代初期、キリシタン弾圧の中に置かれたポルトガル人司教を通じて神と信仰の意義を命題としたそうだ。沈黙とは神の沈黙。虐げられ拷問され棄教を迫られる人々になぜ神は何も語りかけ

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NHK Eテレで放送されたものを見た。視聴はそれなりに楽しかったが、当時から原作には興味を持てなかった理由も確認できた。基本構成は歴史小説なのだな、戦国武将だったり維新の志士だったりをテーマにした。そういう小説は歴史から教訓を引き出すのが大好き

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豊田有恒NHKの番組で豊田有恒氏の最近の姿を見たので思い出して取り出した。原著は79年、文庫版は86年の出版で、私は高三の秋に買ったようだ。SF作家になりたかったわけではない。その頃読んでいた平井和正のエッセイか何かで豊田有恒の名前を知ったのだろう

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竹内薫ようやく物理の基礎にたどり着いた。物理学の最初にニュートン力学を学ぶのは、物理に必要な微積分の手ほどきになるからだと聞いたことがある。高校レベルの力学ならまだ私にもわかるはず。意気込んだが空振り、本書では数式の解説よりもむしろ読み物に

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闇の左手
2020年09月20日09:52

U.K.ル・グィン97年に古書として入手したものだがどうやら未読だった。諦めたル・グィンだったが古本屋で見かけたし名作と聞いているし安いしということだったのだろう。この表紙だし読むことを忘れていた。ああこれでル・グィンがSFの女王と呼ばれていた理由

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竹内薫前回の同シリーズ「量子力学と相対性理論を中心として」とは異なりファインマン物理学の本体がなくても読める気がする。少なくともル・グィンよりはとっつきやすい。とはいえ私の電磁気学は高校レベルで止まっている、いやそこからあれこれ忘れているか

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イエスタデイ
2020年09月06日10:13

2019年 英もしこの世界でビートルズの楽曲を知っているのがアマチュアギタリストの自分だけだったら、どうする、どうなる。そういう荒唐無稽な設定で起こりうるハートフルなコメディ。まずそういう仮定を思いつかない。仮にそれを思いついてもバカ話で終わる

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オルシニア国物語
2020年08月30日14:10

U.K.ル・グィン「所有せざる人々」がわからなかったのでル・グィンをもう一冊読み返してみた。記憶では架空のオルシニア国に関する物語ではなくSFともファンタジーとも言えない連作集で、評価に困る作品集だった。どうやら東欧あたりにあるオルシニアという国

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2017年 中国・香港経営危機に陥ったホテルの建て直しに入った男性と、そのホテルのシェフの女性のわかりやすいラブコメディ。異常なグルメの経営者にホテルの売りになると考えさせる料理を作る、正体を見せないシェフの女性。ストーリーはドタバタして先を見

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所有せざる人々
2020年08月16日09:21

U.K.ル・グゥインむかし読んだときにはよくわからなかった。アナレスとウラスの二重惑星、分断された世界を横断する物理学理論、一種のユートピア小説、云々。奇妙な世界を描く実験的な作品なのか。ダブルクラウン受賞の理由はさっぱりわからなかった。今回読

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闇の聖母
2020年08月09日10:27

フリッツ・ライバー初読。中学生のころ読んだ[小松左京のSFセミナー]で、代表作として[闇よつどえ]が紹介されていたため作家の名前だけは知っていた。本作は先作よりも四半世紀あとの出版。ハヤカワによる翻訳が79年、挟まっていたレシートから推して古本とし

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レディ・プレイヤー1
2020年08月02日08:33

2018年 米放送で見た。どうやらガンダムが出てくるらしいとの事前知識があったが、監督がスピルバーグであることは知らなかった。そもそもほとんど関心がなかったのでガンダムがどう使われているのか確かめてみるくらいのつもりで見た。おそらくはサイバーパ

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ニューロマンサー
2020年07月26日10:21

ウィリアム・ギブスン"港の空の色は、空きチャンネルに合わせたTVの色だった。"、この空の色が快晴の青であるとするという解釈が存在するらしい。空きチャンネルのブルーバックは受像機側が作り出しているだけだぞ、アナログ放送の実態は砂嵐だろうよ、なんて

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さびしんぼう
2020年07月19日10:09

1985年 大林宣彦初見。やはり大林文学とは合わないなあと確認するのみだった。ただ当時のアイドル富田靖子を白塗りの道化で使うという大胆さには敬服する。さてNHK-BSで「映画で世界を変えようよ〜大林宣彦から4人の監督へメッセージ」という番組を見た。死

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ULTRAMAN
2020年07月12日08:17

Netflix, 円谷プロ、Production I.G.フルCGアニメでウルトラマンをどう再構築するのかという興味で見てた。同時期に制作されたと思しきフルCGアニメの攻殻機動隊、草薙素子の造形がビミョウだっただけに。悪くない。初代ウルトラマン後、市井に宇宙人が普通に

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完全な真空
2020年07月05日09:36

スタニスワフ・レム本作は存在しない本の書評集という体裁をとっている。それぞれの書評に評者の記名はないから全てレムによる評と考えていいだろう。そのうえ巻頭は「完全な真空」そのものの書評というメタ構造。レムは他に「ソラリスの陽のもとに」「砂漠の

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2019年 クエンティン・タランティーノ60年代末のハリウッドの闇を描いたはずなのに、タランティーノ作品のはずなのに、2時間40分もかけた散漫な映画。落ち目の俳優とそのスタント。共演した少女に励まされ、マカロニ・ウェスタンで再起を図ってとりあえず成

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スポンサーから一言
2020年06月21日14:35

フレドリック・ブラウンアルコールが切れて眠れない夜に読み返した。文庫を入手したのは中学生の頃だったはず、それから何度か読み返している。安心できるというか、故郷のようなSF作品。グレッグ・イーガンやテッド・チャンだって読むけれど、自身のSF観の原

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時間衝突
2020年06月14日08:24

バリントン・J・ベイリー昨年の今頃は北海道への往復にベイリー「カエアンの聖衣」を持ち出してたよなとか思い出しながら手にとった。89年刊、実に30年ぶりの再読。いいねえ、時間の経過は宇宙の局所的な現象で、たまたま地球上に方向の違う時間流が出現した

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易経・上
2020年06月07日08:58

儒教思想の中核をなす四書五経の一つ。別に東洋哲学の源泉を辿ろうというつもりではなく、ディックの読者なら易経くらい読んでおかないとねと古本屋で入手したものだ。上巻しかなかった。表紙にかかるパラフィン紙が既に茶色くなっていた。四書五経のうち"論

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