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日記一覧

吉の字の人から訃報吉日に落ち葉駆ける道を独りごちながら歩く女半端な紅葉でも空が美しくする東北弁と中国語と未知の言葉の年末商店街枯葉からからからからら駆けっくら白雲千載白鷺悠悠

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風切り光切り自転車で群青色女子はだしの足裏にぬくもり猫がいたか銀杏舞う小学生らの黄の帽子昼の月ついてくるくる寂しいかレファレファレファレファ枯葉散るジーンズの店が薬屋になって凩

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草むらに片方だけの靴だれがなぜ影長く命の蝋燭短き日ワルキューレの騎行を耳に夜を彷徨う色褪せた写真の中で笑う自分よ何を夜闇の中に立つ地球から落ちそうになる鷺憩う抜き足差し足通り過ぎ

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きょうも雨 鰓と水掻き生えてくる一生懸命生きようとしていた猫だった医大病院の吐き出す暗い顔明るい顔蟷螂の斧を開きて行倒れ黄昏てちろりちろりと黄の小菊老人が少年の顔で笑み返し

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愛猫逝く笑っちゃうほど快晴の秋の日猫が死ぬと残るのはその好物ばかり高校の明かりぽつぽつ秋の夕暮れ公園の便所で蟋蟀ソロライブそこにいない人のためにそこはある冷たい雨みんな笑顔だ選挙ポスター

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壊れそうなマンションからこぼれ出た壊れそうな女秋風やツクツクボウシが天下取り曼殊沙華あの日のあの子のあの眸ハスキーなツクツクボウシのブルース哀しボロアパート消えて恥ずかし剥きだし隣家神無月まで頑張るかツクツクボウシ

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蝉しぐれの中をそろそろ目を閉じて歌を忘れたカナリヤには忘れるほどの歌があった赤とんぼ同じ赤でも違ってる小鳥店の前で思い出すバードストライクのニュース廃業した花屋をひららモンキチョウ小さくとも耳には大きくカネタタキ

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傷を眺めるのに耐えかねて掻き毟る保育所の壁塗り変わって軒風鈴黒蝶に導かれゆく墓参り挨拶の一分後に故人だったと気づくとぼとぼと屠場に向かうかワイシャツで風鈴のやけくそに鳴るビル風や

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じめついて髪あげ目立つ下膨れ蝉神社盆踊りあの夏物語蝉しぐれ耳を澄ませば遠い日の花火風鈴は微動だにせずゼリーの気パンチパーマの店主顔出すパーマ専科雨降っても地固まらず夏ふたり

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恋人は鳥になったと老婆空見る猫じゃらし寄ってたかって人じゃらし道はさみ風鈴とセミ鳴き競うやらなくても忖度しても咎められ汗と格闘 関取みたいなお巡りさん校庭の真ん中で人類最後のひとり

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再開発の谷間の小さな鳥屋さんモンキチョウのダンスに誘われどぶに落ちヒアリだと?ありえないよとアリ歩く炎天下地主の爺さま草むしりタチアオイ刈られてヒマワリこんにちはお母さんになりおばさんになり八百屋の娘

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風景のジグソーパズルから消えたホームレスホルマリン漬けの人たちが歩いている夏至間近幾たびも祈りし社や人のため猫のためホームレス消え神隠しとも人攫いともご近所のにこにこ奥様DVと知る梅雨晴れ間世の縮図か萌芽か園児罵り合う

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くものすのきょうのえものはたましずく降り続き増えたり付いたり潦空梅雨の日向に紫陽花笑い泣きヒマワリに追いつき追い越しタチアオイ四葉のクローバーを探して転び傷四つ飛び立ちて白鷺光の中に溶け

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真昼間の静寂 犬・猫・嚏ぽてぽての乙女風切る自転車で紫陽花や救急車また救急車分け入っても分け入っても人の中猫の目と化したかぼんやりモノトーン一度だけ行った山村祐靜堂鍼灸院

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いつの間に黄色の似合う君となり世界の中心みたいに高校生の群タチアオイそちこち街娼めいて立ちよく来たなまあ座れやと野草呼ぶ大空の雲の消しゴム消せ俺を人波に揉まれて溶けて人でなくなり

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ブランコに並んで親子の揺れ合わず人も風もない公園のブランコゆらら使われない電話ボックスで猫雨宿り誰そ彼はと近づけば立葵行く手には鰯の大群学生服ビルの窓に映って去りゆく電車も世も

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藤色の顔で女は藤棚の下親しい顔の歳月に驚き鏡を見る葉桜やここがピンクであった頃躑躅色の見えない血を流しつつ歩いている青すぎる空が重くて目をつぶる張りぼての街と気づいた裏通り

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小さな傘でよかったと少し傾ける三日前建築中だった家にもう人がいる木々の影が人に化けたる逢魔が時鳩ぽっぽいっしょに歩けば人ぽっぽぽつぽつとオレンジ灯る宵のコクリコスーパーの制服でない彼女が陽を浴びる道

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昼の月監視カメラの顔をして蟻になるまじない唱えて花筏「冷たい」と風に言ったら「お前もな」千年来の友よと寄り来る白鶺鴒ジョギングのおやじを少女が歩いて追い抜く桜舞う負けじと踊る紋白蝶

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ゆきやなぎこぼれるえみやそつえんしきつくしんぼ誰が年長か年少か最後の頁を破り捨てて始めるふたりの物語縁側猫聴き耳立てる「涙そうそう」猫の破った障子の穴から大宇宙朝刊の文字が蟲蟲春曙

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めざめるとざわざわうたたねのおと野の花と植えた花とが手を取って保育所のピアノが急かすもしもしかめよ椿の花が落ちて痛いと叫んだ同じ色が違って見えるきのうきょうそのおっさんもそのえらいさんも年下と知り

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真紅の唇がナイフに見える夜だった青いとは透明の色と知る冬の空出家とは家出の反対かとふと思う泥沼の臭いの遥かにかの面影クリオネかクラゲか踊る2月の光人がみな我より偉く見ゆる日ばかり

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ゆく年くる年ゆく猫くる猫雨が冷たい 人見知りの猫寄ってくる独り者店主の万屋にシクラメンの鉢ばあちゃんが腰叩きながら覗く保育園「寒いね」と話しかければ猫「なあ」と頷く用水路の白すぎるコサギに落書きしたい

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明けぬ夜はないというけど日が暮れるきょうはどんな顔をしようかと空が言い空が高いという時の空はどこからか枯れ落葉256分音符で滑り跳び風の便り聞きたしと思えど北風耳に痛し葉が落ちればただの樹公孫樹も桜も

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