mixiユーザー(id:6666326)

日記一覧

捨てられた胡蝶蘭の脇たたずむ女烏飛ぶ高く高く高く高くなぜ紅き葉の桜と知りて戸惑へり長髪のロックおじさん髪減りぬ猫のいた窓に熊のぬいぐるみたち遅れて色づいた銀杏 待ち人はまだ

続きを読む

同じ年の生まれなのと少女老犬撫でて嫌いだった黄色の嫌いだった菊の花しゃがみこんで靴紐結べば猫目線カレンダーの隣で変わらぬ猫の遺影閉じたままの店 開店したのは夏だった顔に夏 背中に初冬 昼を行く

続きを読む

アスペルガーではなさそうだがこの生きづらさ透明になりたい透明なそよ風に赤とんぼは人見知りじゃない僕の手によたよたと独り歩めり地主の翁傍らの女は故人銀杏踏むはや日暮れ泣いて笑って保育園

続きを読む

川流れ流れぬ鴨の凛としてツァラトゥストラはかく語りきと乱れ雲曼殊沙華ここは彼岸の何丁目カネタタキ小さな声がよく通る透明な傘を滑る雫眺め続ける虹の橋渡った猫の命日の虹

続きを読む

蝉しぐれタイムトラベルの発車音つくつくや夏の終わりのト短調目の前で鳴くセミ目の中におしっこ打ち水や人が魚であった頃カーテンの爪とぎ痕は亡き猫の天変地異アゲハで遊ぶ猫のよう

続きを読む

なんでこんな目に合うのかと蜘蛛に問うてみるムクドリらぴょぴょんと俺をからかうか目ん玉が目玉焼きになる灼熱日母からのメールに絵文字秋立ちぬ炎天下囚人護送車止まり行き蝉しぐれ飛び入りドラムに雷様

続きを読む

ブタクサやどこにも豚の顔はなし靴底の下から夏の灼熱全力で駆け抜けた高校生と風別れても好きな人別れたら好きな人幼子の顔で笑って老人の顔で怒る人炎天下カラオケスナックから演歌

続きを読む

誰死なん名も知らぬ実の弾け落ちヒメジョオン誰にも見られず乱れ咲き植物が天下を取りそう夏間近幸せな時は幸せなんて言わない幸せだなきのう見つけた野草きょうは刈られて蜘蛛の巣の風にはためき我も酔う

続きを読む

老犬が老婆を散歩させている人も無き商店街に亡き人の好きな歌暗い路地からこちらを見ている病気っぽい猫雨上がり雨の上がるの見えるよう色褪せた総理のポスター梅雨晴れ間花々の風に揺れるを眺め酔う

続きを読む

血まぶれて生きているのを確かめる鳥の目で蟻を瞰る蛞蝓にねめつけられて怯む雨降って地固まらずすっころぶこれがわたしの生きる道だと隙間の花知らぬ間に立現れたり立葵

続きを読む

花筏ハクセキレイと眺めをりウグイスのボイストレーニングきょうもまたふと見れば人より花の多き中ハナミズキあっちもこっちも外人顔水ぬるみ烏の行水丹念に水滴の技に見とれて潦

続きを読む

イヌフグリふぐりふぐりと青小花首を垂れれば道に花いっぱい半端な都会の半端な夜に泣いている花恋しくていつもの花屋見ればもう無し花を見ていると花しか見ていない花筏目で追ううちに競争してた

続きを読む

アスリートには敵わぬと空を見て俯く五円玉の穴から見た写生を叱られた幼少期薄着の女子が顔に春を張り付けて歩いている見上げれば雲海みたいな春の空子供が烏の烏が子供の鳴き真似をしている光は春 風はまだ冬 梅散りぬ

続きを読む

オリオン座こいぬ座ふたご座インフルエンザ人類後地球を征すはウイルスかよろよろと前行く老人意外に早足解体の騒音つかの間廃墟出ず建つ家と壊す家のあわいに梅の花夕刊配りいつもの一服配達員

続きを読む

せわしさと静けさ交わる暮れの街一線の飛行機雲行く1月1日息をするように言葉を吐く人のきょうの沈黙凛と冴えて冬風鈴駐車場に片方手袋宙掴み背中から冬日ジャコメッティの影を見る

続きを読む

クリスマスソングの百均で喪中葉書買う老婆変わらない人と変わった人いて駅前商店街外気より脳内の気の方が冷たい日カラス鳴き振り仰げば昼の三日月クリスマスどこへ行ったか26日温度差に驚く師走の陰日向

続きを読む