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日記一覧

寒ゆるみ地主の爺さん徘徊すポケットでバイブレーション電話に憑かれ黄色い雪が積もったよ銀杏遅く散って人がゐて人がゐなくて寂しさよ目を閉じて歩き世界を確かめる灰色の冬の日陰の洗濯物や

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氷点下公園の時計凍って止まるメッシュヘアのブ男ふやけて師走間近保育園の傘立てにパラソルチョコのカラフル神社の公孫樹急に色づき烏葉散らす野良猫さん 僕が鳥なら なんの鳥?傘立ての傘の傾きが幾月も変わらない

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昼間の半月が心に刺さった桜の葉色づき始めふと春を思う半袖の園児の手を引くコートのママ切り株が猫になり人になり逢魔が時ホームレスの置き去りの自転車消えて霜月灰色の雨に彩なす山茶花紅く

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人のいない保育園の庭で雀跳ねる跳ねる人のいないブランコが永遠みたいに揺れている商店街のその一角はネパールにタワーマンションの洗濯物を数えてみる秋深し 唇 紅葉 女子高生暮れなずみ休日の校舎廃墟めく

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台風がノストラダムス呼び覚ますハロウィーンの朱いカボチャに笑われて歩いて数十分の町だけで生きる人の面白さ闇道の角を曲がれば金木犀老人と笑顔あふれる健康食品店家を出て二百歩で雨戻るか否か

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目を閉じれば夏の音から秋の音雨を見る 世界が消える 自分も消えるビルの間にクレーン聳えて秋の空コオロギや公衆便所でミニライブこれ以上ないほどに日焼けしたジョギングの人きょうも亡き人の好みし曲をスーパーで

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ラーメンの行列 タピオカの行列蝉しぐれの公園 音だらけの静寂制服の女子高生の日傘かな草刈のおばちゃんの腰に蚊取り線香セセリチョウ ピンクの花に茶の映えて校舎の窓から横顔見えてセプテンバーヌーン

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雲入道が強すぎて怯むこうべを上げる 夾竹桃が紅い盂蘭盆やあなたはあちらの方ですか物音がキレなく濁って残暑かな蝉しぐれキチキチバッタが音もなく音痴ゼミ歌い続けて上手くなり

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残酷暑お見舞い
2019年08月19日11:22

ミンミンとジージーハモらずセミの歌おっさんも日傘でさすべえ酷暑なり自転車に空き缶山盛り哲学者猫を抱いた女のいた部屋今は空き家美しい女が美しくない顔で歩いている風強し怒って叫ぶ風鈴や

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やかましき夏
2019年08月09日10:13

幽霊がはっと驚く白い人梅雨晴れと勝手に言うなと雨降らす歩く人走る人いて夏盛るミンミンに負けじとやかまし男子高校生唐揚げ屋から揚げ色のカップルが光に影か影に光か光と光と影か

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短冊に7月7日は晴れますように50cmの間近に雀僕を見るどの草も雫まとって雨上がりイトトンボが細すぎて笑ったツベルクリン反応陽転の夏の匂いかな雲湿り口紅赤き女子高生

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信号待ちのおばさんあくび ねえさんもそのことは紫陽花だけが知っている白昼の光に紛れて人魂が走り去る水たまり避ける日の僕避けない日の僕街娼の媚態で半枯れ立葵いつもならカーテンの窓に老人の顔

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雨音よ俺の幻聴消しとくれ線路際に白十十十どくだみの花マナーモードのスマホふるえるわれもふるえる60度に尖ったビルの突き刺さる真昼時あの人のいたマンションにその人の部屋明かり妊婦の群れや羊水の匂い甦る

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駅前で今もお元気亀屋万年堂ドクダミや高校男子らのだみ声暗い目の男やもめが女性と 梅雨間近ノースリーブのおばちゃん嫣然庭を掃く歌いながら雨中自転車高校男子深海魚の顔してあくび傘の下

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音光り色歌う狂い咲きの真夏日幼子の泣き声ばかりの児童公園ロン毛だったロックおやじが七三で水撒き雀語が日ごとわかって朝まだき女子高生の口紅赤く4時校門前群衆のあたまたまたまたま歩く

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タチアオイに背丈抜かれて八十九夜色づき始めた紫陽花の下 野良と世間話保育園からへたくそピアノでめだかのがっこう小学校の運動会は米津玄師枇杷たわわ黄帽子の子ら走り抜け古家の屋根で黒猫が死神の笑いを笑った

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塩らーめん味噌らーめん看板だけが残る店蟻穴や口内炎を舌で舐め曇り空傘は日傘か雨傘か公園に人なくあっちでもこっちでも鳩交尾立葵日々伸び影は日々縮むバレエスタジオから弾き出る団子頭たち※句とは何の関係もありませんが、写真は五つ葉のクローバー

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午後2時を過ぎなお行列 いつものラーメン屋2階の窓から裸の目 独り者の老人中学校の広い広いグラウンドに鳩2羽父の好きだった僕の嫌いだった躑躅満開驟雨来て誰かの二階の干し布団ハルジオンとヒナゲシの群れに監視され

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さくらすみれさつき花の名で思う同じ名の人ポメラニアンと散歩するポメラニアンなレディ大あくびしながら自転車 推定29歳女子モッコウバラ優しい黄色で住む人偲ばれ赤ちゃんの目と猫の目は欺けない古本屋がコンビニに花屋がデイケアに

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失礼ですがおいくつですかと桜に問う枯れすすききのうもきょうも枯れすすきゲスな感じで笑うオレンジ色のヒナゲシ風うねり飛んで流れて桜散るさくらさくらぼくらまっくら上から読んでも下から読んでも桜の落差

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冬色と春色の絵の具混ざり合い白き汚れと落つれば化するハクモクレンいつもの場所が違って見える吉か狂か春風に呼ばれて思わず返事する蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻おかえりなさい桜ぽつり花見一番雀かな

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雪の結晶がもっと大きかったら君の耳たぶにつけるのにひとがみなわれより人に見ゆる日よ青すぎる空が白梅には似合わない黄帽子にランドセルの少年笑えば大人声なぜ生きる?中二の自分にまた出逢う枝桜雨の雫を鈴なりに

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窓だけで判るじいさんの独り住まい雲ひとつないから空が落ちてきそう築何十年のマンションから築何十年のおじいちゃん蛸を敬う蛸は全身が脳だと知って人住まぬ生家の時計の螺子を巻くこの猫と出逢った所あの人と別れた所

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閑かさやただ元旦というだけで雪女がフェイクファー来て初詣小鳥鳴く赤子泣く恙無く派手な老婆地味な少女並んで冬日浴び葬儀屋だったバレエ教室からお団子頭の子ら鴨に餌嬉しげに蒔く老人哀し

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人なくてひときわ冬の道野良ねこがあの野良びとめと睨んでるランドセルに黄帽の少年声変わりくねった道まっすぐな道くねったほうを選ぶ行列のラーメン屋に人無く年の暮れ青空が青すぎて重くて下を見る

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