先月青森の奥入瀬に行った。11月の奥入瀬は寒い。そう聞いていたからその日、家を出る時に手袋をダウンのポケットに突っ込んで出た。そして乗り物を待っている間、手首にファーがついたその手袋を取り出してみたら、驚いたことに指先の部分の皮が剥けているで
人は誰しもコンプレックスの1つや2つはある。3つも4つもある私は、だからコンプレックスのある人間の方に親近感を覚える。そして私が好きなのは、そのコンプレックスを克服して乗り越えた人間だ。そういう人間はコンプレックスのない人間より、思いやりと
劇場に着いたら開演前にすること。それはラックにあるチラシに目を通すこと。どこの劇場で何をやるかの情報が欲しい私は一枚一枚に目を通し、取捨選択する。その日シアター・クリエで上演されると言う「貴婦人の訪問」のチラシが目に留まった。あら、確かこれ
夏、クルージングで北海道を周遊した。その時、サハリンのコルサコフや青森港にも寄った。青森では奥入瀬に行くオプションがあったが「奥入瀬は紅葉の時にもっとゆっくり行きたい」という主人の一言で見送った。そして今月の8日から奥入瀬に来てみれば、もう
ニワトリは三歩歩くと忘れる、と言う。私は3つボタンをはめたら忘れた。先月銀座までお出かけした日の朝のこと。後ろにボタンのついたブラウスを着て背中に手を回したが、自分で留められたのは三つまで。二階にいた長男に助けを求めに上がったのに、目に入っ
国際結婚なんて私には無縁だった。残念ながら…と言うのも若い時、憧れたことがあったのだ。憧れたのは白人の恋人にではなく、ハーフの赤ん坊を生むことに、だ。私が独身の頃活躍したタレントにゴールデン・ハーフとか山本リンダ、朝比奈マリアたちがいたが、
電話が鳴った。どうせセールスに決まっている。そうは思うものの無視できない。二階の掃除をしていたにもかかわらず、階段を駆け下りて受話器をとったら「フジテレビです」と言う。セールスだったら即、受話器を置くつもりだったが、フジテレビですと?テレビ
商業演劇その定義は主役に集客力のあるスターを配置し、内容よりスターを見るために集まる観客をアテにしている舞台だとのこと。主に松竹や東宝が主催する芝居を指すとかで、新劇や我が息子が関わる小劇団などはその対立軸にある。だから新劇に携わる連中は幾
子供の頃、美空ひばりとか石原裕次郎はすでにスターだった。娯楽の少なかったあの時代、大人たちはラジオから流れる歌に慰められ、スクリーンに夢を見た。子供は大人の娯楽をつまみ食いしてスターに憧れ、芸能界に憧れたものだ。二人が50代で亡くなった時、私
クルージングと普通の旅の違いの一つは何と言っても「ドレスコード」の有無。今回私が一番「面倒くさいな」と思ったのはそれだ。もう10年以上も前になるが母を連れて、Xマスのワンナイト.クルージングに参加したことがあった。その時はまだ豪華客船と呼ばれ
*以下は9月5日(月)船内にてメモに記したものです。*クルージングは動くホテルだ。そう言った人がいる。確かにその通りだと思った。ホテルで食べたり飲んだり眠ったりしているうちに目的地まで運んで貰える。嵐で船が揺れたりしなければ楽な旅行だろう。けれ
足元がふらついた。あら、いやだ。ついに私もハイヒールを履くとふらつく歳になったのね。最初、そう思った。船がかすかに揺れていることに気づかなかったのだ。それは揺れが小さいと言うことだった。歳をとったら国内旅行かクルージングの旅がしたい。そう思
荒木一郎というタレントがいた。 シンガーソングライターでもあり、俳優でもあり、小説も書かれたようで、マルチな才能があったらしい。 昭和40年代のことだからご存知の方は少ないかもしれないが、女優 荒木道子の息子である。 ひとりっ子だった彼は子供の頃
明治に生まれて近代史に名を残す女性といえば、平塚らいてふや与謝野晶子たちがいるが、樋口一葉もその一人。教科書に載っていた写真の樋口一葉を見た時「佳人薄命」という言葉を彷彿とさせるほど美しいと思った。その樋口一葉の19歳から死後2年までを描いた
母が亡くなったのは去年の8月だった。亡くなる数日前に医師からカウントダウンを告げられていたので、Xデイに備えての準備はできていた。心の準備も葬儀の準備も。自宅で身内だけで母を送ろう。そう決めていた。だから病院から連絡があって駆けつけた時、す
長野県 松本市 開智。 そこにある開智学校は明治の初期の洋風校舎として重要文化遺産になっている。 先月末、主人と上高地に向かう途中、松本に立ち寄って、その開智学校と松本城を見学した。 開智学校は、1963年に移設されているが、1873年に建てられている
*人は何にでも物語を見出す。古代人が満天の星空に壮大な神話を見出したように…*誰だって一つの物語しか生きられない。だから… *物語は現実逃避の手段じゃない…のための… *ノーライフ、ノーストーリー。…て、ことだよ。 *ストーリーのない人生なん
物欲が減った。前にも同じ書き出しで日記を書いた気がするが、改めてしみじみ思う。誕生日月だった先月、息子たちにさりげなく欲しいものを伝えたいのに、欲しいものがない。食欲も、知識欲も、がくっと落ちて、残っているのは金銭欲のみというていたらく。そ
故.渡辺淳一が「キッス キッス キッス」という作品を発表したのは16年前になる。もうそんなに経ったのかと、月日の流れの早さに改めて愕然とするのだが、実は私はその一年前に「キス キス キッス」という童話を書いていた。もちろん地元のサークルで書いてい
暇つぶしに昔書いた童話です。読んでやってください。*天使のおしり* もしかしたら… もしかしたら弟にはボクが見える…? 見えるんだ! まだ赤ん坊の弟の目が、ボクを追いかけて動いている。 何度も確かめた。確かめてみた。 間違いない! 弟にはボクが見
知人に朗読をされている方がいる。彼女が朗読で幾つかの施設を周るボランティア活動をされているのは知っていた。その方の仲間から誘われて朗読会に伺ったのが二ヶ月前。その時、皆さんはプロか!と思うばかりの実力にすっかり圧倒され、この方達は明日にでも
アメリカの旅、6日目はサンフランシスコだった。 その日は眩しいほどの日差しはあったものの風はやや強く、まだ冷たく感じたが、現地の人は半袖の人も多かった。 そんな陽気のせいか、サンフランシスコは明るく綺麗な街だという印象を受けた。 そういうとこ
「お前たち日本人は…」 アメリカ人の主人公が日本人の親友に向かって言う。 「お前たち日本人はアメリカというと、すぐにニューヨークやロスアンゼルスを思い浮かべるけど、そんな都会はほんの一部で、アメリカはどでかい田舎なんだ」 30年以上も前の吉田秋
ギャンブルは嫌いだ。大嫌いだ。嫌いなものを3つあげろと言われたら、蛇と汚れたトイレの次にギャンブルを挙げる。そのギャンブルのメッカ、カジノのあるラスベガスに行ってきた。主人が行きたがったグランドキャニオンにツアーで行こうとすれば、大抵ラスベ
ここ数年というもの、子供にキラキラネームとやらをつけるのが流行った。なんと読むのか見当もつかないような当て字に、どこの国の人?というような名前。けれど、あまりにも突拍子もない名前が顰蹙を買うようになり、その傾向がやっと下火になったようだ。変
飢饉によって飢餓に陥った民衆が騒いでいるのを見てマリー・アントワネットは側近に聞いた。「あの人たちは何を騒いでいるの?」側近は応えた。「彼らはパンが無い、パンをよこせと言っているのです」「まあ」マリー・アントワネットは驚いて言った。「パンが
前回の日記「私は間違っていない」この話をすると知人は「虹さん、それ作ってない?」と笑いながら言った。けれど残念ながら実話である。我が家はブラック企業ならぬブラックファミリー(?)なのだ。覚えていらっしゃる方もおいでだとは思うけれど、もう何年も
乱れたベッドの上にはセーターやトレーナーが放り投げられたまま。 上着もクローゼットの取っ手にひっかけたまま。 ハンガーにかけてクローゼットの中に何故しまえない? 掃除に入った長男の部屋はうんざりするほど散らかっていた。 整理整頓をするよう長男に
石垣島までは直行便で3時間。 そう聞いた時は「へ?」と思った。 グアムとほぼ同じじゃない。 石垣島ってそんなに遠かったの? でも遠ければ遠いほど暖かいかも。 けれど石垣島は冷たくはないながらも風が強く、長い時間吹かれているとやはり寒かった。 レン
アメリカは憧れの国だった。 昔々の話だが。 テレビから伺えるアメリカの生活は団塊の世代のみならず、日本人にため息をつかせたと思う。 冷蔵庫、洗濯機、掃除機は母親たちに。 ベッドやネグルジェ、パーティなどがある生活は子供だった我々に。 大きな車、