アメリカの旅、6日目はサンフランシスコだった。
その日は眩しいほどの日差しはあったものの風はやや強く、まだ冷たく感じたが、現地の人は半袖の人も多かった。
そんな陽気のせいか、サンフランシスコは明るく綺麗な街だという印象を受けた。
そういうとこを選んで連れて行かれているのだろうけど。
ところが現地在住の日本人ガイドが言った。
「サンフランシスコは5人に1人がゲイです」
えええ〜〜!?
「国旗のように虹の旗を揚げてる家があるでしょう?」
確かに6色の(アメリカでは虹は7色ではない)縞模様の旗が幾つかはためいている家がある。
「あれが彼らのシンボルカラーなんですよ」
わお!
私のHN「春の虹」は彼らから見ると「仲間」だと思われかねない名前な訳だ。
イヤン。
「だから何年か前のオリンピックで、日本の選手団が着ていたユニフォームが虹色だった時、こちらの人間はみんなぎょっとしたんですよ」
私も今、ぎょっとしてるんですが…
そう思ったけど、もちろん黙っていた。
何でも昔、ゲイだと判明した兵士はサンフランシスコに送られたそうで、彼らもまた保守的な田舎に帰されるよりそれを望んだため、ゲイが多いのだそうである。
(後で知ったけど、彼らの居住区は観光地化してるらしい)
そういう話を聞くと、ここがアメリカだということを実感する。
しばらく走ると今度はツアー全員がぎょっとするものを見た。
ガソリンスタンドのあたりを全裸の男が歩いていたからだ。
いや、正確に言えばアダムのように無花果の葉の代わりになるものを身につけていたわけだが。
(いや、もっと正確に言えば、つけているというより、くるんでいたわけだが)
「寒くはないのかしら!」
「通報されないのかしら?」
車内のツアー客がもっともな反応をする中で私は日記のネタだ!とばかりいろんなことを考えた。
あれは下着?
だとしたらいったい何というネーミングなんだろう?
しかもどこで売ってるんだろうか?
通販とか?
まさか!
じゃあ、手作り?
そりゃあ、絶対にオーダーメイドってことはありえないと思いたいが。
それにしてもかなりカラフルだった。
写真を撮りたかったがこちらはバス。
平行に歩いている彼を我々のバスがあっという間に追い越したため 撮れなかった。
うーむ、残念だ。
どこぞの未開の国の男性がそんな格好をしているのはテレビで見たことがあるけど、色物ではなかったはず。
さすがにアメリカのはカラフル。
ファッションにはこだわっているのね。
え?
そういう問題じゃないだろうって?
でも彼はこれ以上ないほど丸腰。しかも真昼間にあんな目立つ格好をしてれば何も悪いことはできないはず。
絶対に彼もゲイの人たちも平和主義者だと思う。
第一アメリカは多民族国家なのだ。
そりゃ裸族もいるだろう。
と言うように、サンフランシスコは渡米前に私がイメージしていたアメリカに近かった。
それが妙に嬉しいと思う自分が可笑しかった。
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