20年以上前、子どもがまだ小さかった頃、和歌山の川辺天文公園に行ったことがある。
夜の観望会もあるので、そこで宿泊もした。
天体望遠鏡とプラネタリウムのある施設で、そのときはちょうどプラネタリウムで名探偵コナンとコラボした天文ネタのミステリー番組を上映していて、星空の解説と一緒にコナンのアニメも楽しめたのを覚えている。
そのとき特に印象に残ったのが、こと座の環状星雲(M57)を巨大な反射望遠鏡で実際に見た体験だった。
天文雑誌などには環状星雲の写真がよく投稿されているが、あれは個人で購入できる望遠鏡で、長時間露出をしながらガイド撮影して、少しずつ光を集めてようやく写した、いわば努力の結晶である。
それに対して、こちらが見たのは、大口径の望遠鏡が集めた光を、その場で自分の眼に届けてくれる姿だった。
口径の違いがどれほど大きいか、実感させられた。
ところが、久しぶりにこの施設のWEBサイトを見てみると、メンテナンスや解説を担当していた方の退職後、プラネタリウムも反射望遠鏡も運用停止になっていた(2014年以降)。
名前は今も「天文公園」のままだが、少なくともここ十年ほどは、公共施設として「天文」を支える場ではなくなっていたようだ。
もっとも個人用の天体望遠鏡を宿泊者に貸し出しという形で「天文」はかろうじて残っている。
このまま埋もれていくのは、やはり寂しい。
自治体だけで再立ち上げするのは予算的に厳しいのかもしれないが、クラウドファンディングのような形も含めて、何とか再生できないものだろうか、と思う。
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