これは、「ANORA アノーラ」のスタジオNEONと、三池崇史監督による共同プロジェクトで生まれたバイオレンス・アクション。
「クローズZORO」で三池監督と組んだ小栗旬と、「ベイビー・ドライバー」のリリー・ジェームズによるW主演で、共演には、間宮祥太朗、西野七瀬、そして、アメリカ女子プロレスのスター選手である、リヴ・モーガン。
新宿署の刑事・矢吹恭二。裏社会に精通し、暴力団担当として活動していた矢吹だが、ある事件で相棒を失い、“相棒殺し”の悪名を背負う事に……それ以来、酒とクスリとギャンブルに溺れる、署内でも札付きの不良刑事と化していた。
そんな矢吹の前に、アメリカから来日したFBI捜査官・グエンが現れ、日本で行方不明となった次期大統領を狙う有力議員の娘を捜索する任務のバディに矢吹を指名する。
だが、矢吹は、ギャンンブルで膨らんだ借金の返済期限を前に、それ処ではなく……
この映画、1992年公開の映画「バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト」(残念ながら未見)を、東京を舞台にリメイクしたものと言う。
新宿・歌舞伎町を舞台に、不良刑事コンビが暴れ回る、と言う、いささか現実味のない物語を、設定そのまま、リアリズムなど糞喰らえ、と言う映画にしてしまうのは、いかにも三池崇史監督らしい。ミステリー要素は希薄だが、人体破壊のバイオレンス、アクションとサスペンス、それにセックスと、盛り沢山な要素を、悪趣味かつキッチュにまとめたのもいかにもだ。
その一方で、物語の方はどうにも頂けない。オリジナル作品のキリスト教的宗教観を、日本に合わせてアレンジしたのはいいとしても、そこに持ち込まれたのがチベットの鳥葬と言うのには首を傾げざるを得ない。また、本作の描かんとする“奇麗は汚く、汚いは奇麗”と言う反転する価値観を、上手く表現出来ていないのも残念に思えた。
主演の小栗旬は、やさぐれ刑事を熱演しているが、いささか空回り気味……まぁ、敏腕刑事が転落して、と言う設定には合っていると言えない事もないが……
不満だったのは、バディを組むグエン役のリリー・ジェームズ。彼女は個人的に贔屓にしている女優だし、年を重ね肉付きがよくなった事で、顔立ちがふっくらと若返ったようにさえ見えるなど、魅力は十分だし、アクションにベッドシーンと頑張っているのは判る……だが、どうにもやさぐれっぷりが“演じている”感じにしか見えないのだ……これならむしろ、彼女持ち味の清楚さを活かし、やさぐれた矢吹と対比させる人物にしてもよかったのでは、と思ってしまった。
終盤になるにつれ、発散して行く物語に、とってつけたようなカースタントシーン、そしてカタストロフ……と、これまた三池監督らしくもあるけれど、風呂敷の畳み方も雑だし、オチのキレも今ひとつ……どうにも食い足りなさが残ってしまった映画だった。
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