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2026年10月26日00:10

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問題で何の力を見極めたいか、それが問題だ

昨日、マイミクの方との数学の引っかけ問題の話から、昔の記憶を思い出した。
最初は私立中学の入試問題かと思ったら、実はアマゾン社の入社問題らしい。しかも、理系向けの懸垂線の問題かと思わせておいて、実は頓智で解けるタイプの問題だったらしい。
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その連想から、大学時代の友人と議論した、ある高校入試問題のことを思い出した。
その友人は数学教員で、私と同じ物理学科の出身である。

問題は、力学台車を糸でつなぎ、滑車を介しておもりで牽引する実験についてだった。
記録タイマーで台車の運動を測定しているとき、おもりが床に着地する瞬間の前後で、テープ記録をどう解釈するか、という話である。
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友人の勤務校の物理教員の見解をめぐって、議論になったらしい。
争点は単純に言えば、おもりが床に着いた瞬間、糸の張力はただちに 0 になるのか、ということである。

私の考えでは、少なくとも物理的には、そう単純ではない。
たとえ最終的に張力が 0 になるとしても、その変化の情報が台車に伝わるまでには、わずかでも時間差があるはずである。
糸は剛体ではないのだから、張力変化は有限の速さで伝わる。極端に言えば、弦を伝わる音速のようなものである。
もちろん、高校の記録タイマー実験でそこまでの時間分解能があるかどうかは別問題だが、少なくとも「着地の瞬間に台車側の張力も同時に 0」とみなすのは、物理的には雑である。

この問題では、記録タイマーのデータをもとにグラフを描かせたとき、グラフがその時点でカクンと折れ曲がる形になるのか、
それともその部分を少し滑らかに丸めた形になるのか、そのどちらを正解とみなすかが問題になっていたのだと思う。

図で言えば、イメージはこういう違いである。
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前者だけを正解とし、後者を減点する採点基準が妥当かどうか。
そこが、議論の核心だった。

たしかに入試というものは、1点、2点の差で合否が決まる。
そして私の経験では、いわゆる進学校ほど、高得点帯での選抜になるため、採点基準は厳密になりやすい。
しかし、だからといって、滑らかなグラフを減点するのが物理的に正しいとは思えない。

なぜなら、この問題で「糸は伸び縮みせず、張力変化は瞬時に伝わるものとする」といった理想化の条件が明示されていないなら、受験生が少し滑らかに変化すると考えるのも、十分に自然だからである。
モデル化の前提を与えずに、作問者の頭の中の理想化だけを唯一の正解として押しつけるなら、それはあまりフェアではない。

この例を数学に翻訳すると、高校入試で、印刷ミスによって判別式が負になった二次方程式が出題されたとする。「実数の範囲で解け」という指示が明記されていない場合、複素数解を書いた答案を0点にしてよいのだろうか。

作問者が実数解を想定していたことは、出題範囲などから推測できるかもしれない。しかし、受験生が実際に目にするのは、作問者の頭の中にある問題ではなく、印刷された問題文である。

問題文の誤りや条件不足によって複数の解釈が可能になったなら、その責任を受験生だけに負わせるのは果たして公平なのだろうかという問題点である。

大学入試でも、条件不足のために一意に答えが定まらない問題や、問題そのものに欠陥がある問題が出ることがある。
その場合には、その設問を採点対象外にしたり、全員に得点を与えたりする処置がとられる。
その方が公平だと思う。

そう考えると、グーグルの入社問題のように、作図不能な図にもっともらしい数値だけが書き込まれている問題とも、少し通じるものがある。
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入社問題はさておき、入試問題では、受験生の理解を測る以前に、問題そのものがどこまで公平に作られているかも問われるべきであろう。
条件の不足や図の曖昧さを受験生の責任にしてしまう出題は、知識を試しているというより、作問者の想定を当てるゲームになりがちである。
そこに、私は違和感を覚える。


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