昨日の日記は、出生率だったが、根本は出生率以前の問題かもしれない
原子どうしが結びついて安定した分子をつくるときには、ばらばらの原子のままでいるより、結びついた状態のほうが安定で、エネルギーが低くなる。
つまり、結合することにそれだけの「得」がある、ということだ。
もちろん、いつでもそううまくいくわけではない。
たとえば二原子分子のO₂やH₂も、どんな環境でも安定に存在できるわけではない。
あまりに希薄で、結びつく相手となる原子に出会えなかったり、太陽風のような荷電粒子が多くて、せっかく結合してもすぐに壊されてしまったりすることもある。
結びつきそのものだけでなく、それを保てる環境があるかどうかも大事なのだ。
このことは、人と人の関係にも少し似ているのかもしれない。
男と女でも、あるいは男どうし、女どうしでもよいのだけれど、二人でいることに、ひとりでいるよりも安心や支え、生活上の助けといった「結びつくメリット」が感じられなければ、そもそもカップルになる意味が見えにくい。
そうだとすれば、これは出生率以前の問題なのだと思う。
子どもを持つかどうかの前に、まず「誰かと結びついて生きること」に、経済的にも社会的にも、どれだけ意味や利点を感じられるか。
もしそこが弱くなっているのだとしたら、出生率だけを見ても、あまり本質には届かないのかもしれない。
いま起きているのは、出産や子育ての困難だけではなく、人と人とが結びついて生きることの価値を、社会の中で実感しにくくなっている、ということなのではないか。
そんな気がする。
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